留萌管内(増毛・新星マリン・北るもい・遠別漁協)の稚貝仮分散は、苫前地区を残し終了した。産卵時期が例年より早く、作業は4単協とも10日~2週間ほど早い開始。各地区で成長が進み付着量も十分で、7月末には大半の漁家が作業を終えている。
陸奥湾ベビーの消費は、コロナ禍による巣ごもり需要の伸長で量販店中心に堅調だ。相場は蔵前キロ1050円前後で推移している。反面落ち込んでいる外食系は6月以降回復基調とみられたが、最近の全国的な感染再拡大傾向から足踏み状態。産地加工業者は「先が読めず不安だが粛々と生産するしかない」と、苦境に腹をくくっている。
森町砂原の(株)丸太水産(坂本德博社長、電話01374・8・2120)が昨年2月に整備を完了したホタテ加工施設が、5月27日付で一般社団法人日本食品認定機構の米国向け水産食品加工施設HACCP認定制度の認定を取得した。対象製品は冷凍ホタテ貝柱(玉冷)。国内や既に輸出に取り組んでいるアジア市場での商品力向上に加え、3~5年後をめどに年間100トンの米国輸出を目指す。
7月から水揚げしている青森県陸奥湾の新貝は、当初計画より4000トン少ない9000トンとなる見込み。フジツボなど付着物が予想以上に多く、耳づり作業に支障を来したことが一因。平内町漁協は25日までに大半の漁家が稚貝採取を終え、元の出荷ペースに戻る予定だが、出荷量は各支所とも昨年を下回る見通しだ。
陸奥湾養殖ホタテの2020年度春季実態調査結果がまとまった。19年産の成育は秋以降順調でへい死率、異常貝率が平年値を下回り、全重量、軟体部重量はやや上回った。冬期間のシケが少なく高めの水温が要因と示している。
国内消費が落ち込んでいる玉冷は、外食系に回復の兆しが見えている。商社筋によると「例年の8割程度まで注文が戻った」状況で、回転ずし店を中心に居酒屋など飲食店やホテル関係の引き合いも出てきた様子。5S中心にキロ2千円を切った相場が形成され、「売りやすい価格」(荷受業者)となった。しかし、新型コロナ感染が再拡大しているため、消費回復を願う関係者は危機感を強めている。
オホーツク沿岸の6月末水揚量は、漁場造成含め10万9470トンとなった。計画達成率は35%。前年同期とほぼ同じペース。北部は宗谷、猿払村、枝幸、南部は紋別、常呂が1万トンを超えている。歩留まりは9~11%と低く、アソートは3Sまたは5S主体と地域差があり、値決めはキロ100円台前半から2桁と弱含みの展開。水揚げは順調に進んでいる。
渡島噴火湾の耳づり作業は、6月前半で終了した。各漁協ともおおむね満度に垂下したもよう。大半の漁家は5月中に終え、現時点の成育は順調に推移。関係者は「なんとしてでも盆明けから秋口を乗り切ってほしい」と願っている。
ホタテ・カキ貝殻の加工販売を手掛ける湧別町の(株)共律産業(佐々木雅朗社長)は、ホタテ耳づり養殖用の稚貝穴開け機(GM-160、(株)ムラキ製)を改良したカキ養殖用のホタテ原盤穴開け機(KM-60)を導入した。熟練従業員に頼ってきた打鍵ハンマーによる手作業を機械化したことで、省力化や生産性はもとより品質の向上にもつながっている。
道ほたて漁業振興協会は本年度、国内市場の活性化、安定的流通体制の再構築を図るため、玉冷・冷凍ボイルの継続的な売り場確保・拡大を念頭に各種消費対策を展開する。新型コロナウイルス感染症の影響で国内外動向が不透明なため、課題解決に向けた優先的、弾力的な対応に努める。