オホーツク沿岸の11月末水揚量は、北部・南部合わせ前年実績比1%増の32万1745トンとなった。計画達成率は102%。北部は同7%減14万1991トンで4単協とも終漁。宗谷、猿払村が4万トン台の水揚げ。一方、南部は同9%増17万9754トン。常呂が4万5千トンを超え、水揚げトップの勢い。雄武、湧別、常呂、佐呂間は12月中旬まで操業する。
歯舞漁協(小倉啓一組合長)の自営ホタテけた引船「第一はぼまい丸」(9・7トン、アルミ)が竣工した。安全性や耐久性などを重視する同漁協の要望を随所に反映した新造船が誕生。11月19日に根室市の㈱柏崎造船(柏崎一昭社長)で進水式を挙行後、根室港でその雄姿を披露した。
「2018年度補正予算浜の担い手リース事業」を活用した。16年のロシア水域でのサケ・マス流網禁止に伴いスタートした根室沖での新たなホタテ漁で活躍する。
常呂漁協の若手漁業者が立ち上げた「マスコスモ合同会社」(川口洋史社長)は、今冬も北海道イタリアンバル「ミア・ボッカ」のパスタ料理に地場産のカキとホタテを提供している。生産者の顔が見える食材が好評を博し、札幌市内はじめ道内外各店舗の販売数はうなぎ上り。川口社長は「今回はホタテも提供した。ぜひ味わってほしい」と喜んでいる。
加工貝(2年貝)の水揚げが始まったいぶり噴火湾漁協の今季計画量は、昨季実績の6200トンとほぼ変わらない6300トンを試算している。耳づり本数が各地区とも十分ではない中、今季も生存率が低く、低水準の生産量となる見通しだ。
野付尾岱沼の根室管内5単協(歯舞・根室・根室湾中部・別海・野付漁協)共同海区は、12月の年末操業を1日に開始する。24日までに2600トンの水揚げを計画。29号巽沖造成のアソートについて、野付漁協市場では「おそらくM・S主体」とみる。
枝幸町の(有)丸二永光水産(永澤二郎社長、電話0163・62・3022)は今季、ホタテ玉冷の製造ラインに新システムを導入した。海水中の貝柱(生玉)に適応した樋(とい)搬送式のエックス線検査機で、玉冷段階に比べ高鮮度・高感度に異物を検出できる。異物混入対策の強化で製品の高品質化を追求。併せて従来洗浄後に人手で実施していた検品作業の省人化が可能となり、生産性の向上につなげている。
陸奥湾産ホタテを柱に水産物の加工・冷凍・販売を手掛け、県内有数の加工業者に躍進した青森市の小田桐商事(株)(岩谷孝社長、電話017・718・3335)。このほど沖館地区に建設を進めていた新加工場が竣工した。原料搬入から製品化まで生産ラインを一元化し、製品の高鮮度を追求した大型プロトン凍結機を導入。排水処理など衛生管理にも最大限対応し、県内でも類を見ない最新型の加工施設が誕生した。来春には対米HACCPも取得予定で国内外の販路拡大を目指す。
標津漁協のけた引が3日に再開した。日産平均100トンと順調な水揚げ。12月末までに1500トンを計画するが、これを大幅に上回るペース。今年は過去最高の8千トン超えが期待される中、ナギ次第では9千トンに届く可能性も出てきた。
枝幸町の(株)オホーツク活魚(藤本信治社長、電話0163・62・4553)は今季も猿払産活ホタテの販売に力を入れている。「若ほたて」と銘打った小型サイズを含めネット通販や日本郵便(株)の「ふるさと小包」で発信。来季は洗浄選別機を導入する計画で、選別能力を向上させて取扱数量を増やし、販売拡大を目指す。
オホーツク沿岸の10月末水揚量は、北部・南部合わせ29万8420トンとなった。計画達成率は96%。宗谷、猿払村、常呂漁協が4万トン台、枝幸、紋別漁協が3万トン台に伸長。網走漁協は108%の達成率で10月末に終漁した。歩留まりは全域的に9%前後まで下がり、アソートは5S、6S主体、浜値はキロ100円を切る浜が増えている。