加工貝(2年貝)の水揚げが本格化する噴火湾では、いぶり噴火湾漁協に続き渡島側の長万部、八雲町、森漁協も出荷を開始。2月後半から本格化する見通しだ。浜値はキロ100円台中盤から後半で推移している。一方、仕向けは内販中心にボイル主体の展開。冷凍両貝輸出は中国・大連港のクローズで物流が停滞しており、不透明感が強まっている。
根室管内5単協(歯舞・根室・根室湾中部・別海・野付漁協)が操業する野付尾岱沼の根室海峡共同海区は、開始から1カ月で計画の3割に当たる4660トンの水揚げ。2月から全54隻体制の操業が始まり、日産数量は平均300トン台となった。一方、アジア向けの玉冷輸出が強く、浜値はキロ300円台前半から200円台後半と堅調に推移している。
オホーツク沿岸の2021年水揚げ計画は、前年実績比10%減の29万4700トン、前年計画と比べ5%下回る想定となった。3万トン以上は前年同様6単協だが4万トン台は猿払村のみ。大半が減産する見通しだ。自然発生貝が多発し過密状態となったへい死の影響や、生産性の低い海区に当たることなどが要因。12単協中10単協が減産計画となった。
留萌管内4単協(増毛・新生マリン・北るもい・遠別漁協)の本年度韓国向け活貝輸出は、昨年4~12月で4440トンとなり、前年度実績と比べ2倍に伸長した。今年1月は増毛、新星マリンが出荷を開始している。
マルハニチロ(株)(池見賢社長)は2021年春季新商品として79品、リニューアル品17品を3月から順次発売する。このうち家庭用加工食品では、すり身食品として「北海道産帆立を使ったお魚ソーセージ」を4月1日に発売。展開中の全国ご当地の味を手軽に味わえるシリーズに加えた商品で、今回は特許技術により、賞味期限を1年に延長した。
野付尾岱沼の根室海峡共同海区は、29号巽沖造成、29号外海造成、野付単有の3海区が今年の操業を開始した。空貝が多い漁場もある中、昨年並みの日産180~200トンペースと順調な水揚げ。浜値はキロ200円台中盤で推移している。
野付尾岱沼の根室海峡5単協(歯舞・根室・根室湾中部・別海・野付漁協)共同海区2020年水揚量は、前年比28%減の1万8124トンとなった。昨年5月までの操業で29号巽沖造成が予想以上の空貝に苦戦を強いられ、各海域のアソートも小型に傾斜したことが数量減につながった。
金額は同44%減40億994万円(税抜き)、キロ平均単価は同22%安221円。単価安が響き金額も伸び悩んだ。
オホーツク沿岸の昨年実績(12月15日時点の速報)は、前年比3%増32万7929トン。宗谷、猿払村、常呂の3単協が4万トン超え。最高は4万7千トンを突破した常呂で、組合史上最高水揚げとなった。昨年は全域的に歩留まりが伸びず、自然発生貝も増えたことから小型傾向。浜値はコロナ禍が追い打ちを掛け弱含みの展開となった。
青森県陸奥湾の2020年度秋季実態調査結果がまとまった。今年も昨年同様、夏季の水温が高めに推移したが、20年産稚貝のへい死率は昨年より低く平年並みの値となった。早めの採取が奏功し、体力のある稚貝に育ったことが一要因。一方19年産新貝のへい死率は25.0%で過去6番目の高さ。高水温時の耳づり掃除による貝への負担などを要因に挙げている。
今年度の陸奥湾地区水産振興研修会(一般社団法人青森県水産振興会主催)が1日、青森市の県水産ビルで開かれた。青森産技水産総合研究所ほたて貝部の小泉慎太朗研究員は「ホタテガイの異常貝発現メカニズム」と題して講演。異常貝は外套膜(ヒモ)のけがのほかに物理的衝撃によっても現われるとの試験結果を示した上で「異常貝やへい死を減らすためには『ホタテにけがをさせない』という意識を持つことが大切」と呼び掛けた。