道総研さけます・内水面水産試験場は22日に札幌市で開かれた道連合海区で今年の北海道の秋サケ来遊予測を説明、昨年実績比80・6%増の3136万7千尾と示した。予測通りの場合、3年ぶりの3千万尾台。沿岸漁獲量は重量ベースで10万トン前後の低水準が続くが、10億尾の稚魚放流体制となった1982年以降で最低に落ち込んだ昨年から回復局面へ底打ちが期待される。
斜里第一、ウトロの両漁協は春定置で2年目となる統一規格出荷に取り組んでいる。トキサケは良型の活じめと野じめの2種類。今季からサクラマスの活じめ基準も設定し、斜里第一が試験的に先行着手した。また、斜里町、観光業界などが連動し、15年連続水揚げ日本一を前面に「サケ日本一のまちPR事業」に乗り出し、生産者が口火を切った地域ブランドの確立、サケの消費拡大などを盛り上げていく。
えりも漁協の春定置は、トキサケが好調な滑り出しを見せている。地区差はあるものの、「例年より2週間ほど早く量がまとまっている」と同漁協。組成は小型に傾斜、単価は安値基調だ。
7日にスタートし、9カ統が操業。トキサケは20日現在で数量が前年同期比の12.2倍の11トン、金額は11.3倍の1700万円、キロ平均単価は7%安の1545円。
道総研さけます・内水面水産試験場は今年度、秋サケの回帰率向上への飼育方法の改良に向けた研究に乗り出した。DHAを餌料に添加し、遊泳力や母川記銘など健苗性を強化。サクラマスでの先行事例や水槽規模の予備試験で効果が見え、事業規模で検証する。近年春先の水温変動などが激しく、稚魚の降海時の初期生残の低下が資源低迷の一因に挙げられ、環境変化に対応した健苗生産につながる成果が注目される。
岩手県は秋サケとナマコの増殖で新たな取り組みを開始する。秋サケでは、稚魚放流後の水温上昇の早まりを近年の不漁の一因とみて、高い海水温に耐性があると推測される北上川水系の稚魚の遺伝子解析。沿岸河川水系で高水温耐性のある稚魚を特定・作出・増産に挑戦する。ナマコでは人工種苗の量産化を念頭に、食害を及ぼすシオダマリミジンコの駆除技術開発を狙う。
養殖ギンザケの生食向け出荷拡大が目指される宮城県で、生食向けに必須の活じめを効率的にする「電気ダモ」が製作された。海面いけすから水揚げする通常のたも網に電極を装着してギンザケを感電、仮死状態にして活じめしやすくし4割効率アップ。活じめを一気に拡大する可能性がある市場設置型装置も試作された。
昨年(2017年)の北海道の秋サケ水揚げは、1572万7012尾、561億5007万5000円となった。尾数は平成に入って最低だった前年の2348万尾を33%下回り、1984年以来の2000万尾割れ。一方、金額は11.5%増で、過去20年では2006年(597億円)、07年(583億円)、15年(572億円)に次ぐ4番目の高水準となった。
10億尾の稚魚放流体制となった昭和57年以降で最低の来遊数に落ち込んだ昨年の北海道の秋サケ。4年魚(平成25年級)、5年魚(24年級)とも降海時の低水温が稚魚の生残に影響した可能性があり、来遊不振となった。一方、3年魚(26年級)は直近15カ年平均を上回り、来年の4年魚の回帰に期待がかかるが、近年海洋環境は大きく変動。秋サケ業界は引き続き、種卵確保対策、放流技術の改善などに取り組んでいく。
北海道の秋サケは約5万700トンと、平成以降最低だった昨年を3割下回り、昭和55年以来37年ぶりの大減産となった。繰越在庫の払底下、歴史的凶漁と、サンマ、イカなど主要魚種全般の不振による加工原料不足などで魚価は前年比66%高と異常高騰した。親子とも空前の高値と供給減で輸入物が売り場を浸食。来季以降の生産回復時の反動が懸念され、各種販路の確保が懸案となる。
青森県の秋サケ漁獲は12月に入り減少に転じた。太平洋の三沢市場では豊漁の続いた定置1カ統が続落、白糠でも1日2千尾前後にペースダウン。津軽海峡の大畑では300~400尾とブレーキがかかった。「もうひとヤマ」に願いがかかる。価格は高騰が続く。