岩手県産アワビは12月(第2期)、10キロ平均13万3593円と高騰に拍車がかかった。種市南漁協の2浜は17万1500円と記録的高値。だが、大半の生産者は高値を喜ぶより、「揚がるのか」という心配が大きい。11月(第1期)の水揚げが低迷、「アワビが見えない」という浜が増え漁獲資源に不安が強まっている。
日本初のナマコ養殖を目指し、東北福祉大学(仙台市)と弘前大学(弘前市)が共同研究を進めている。石巻市の漁港では入り口となる開口部の海底に空気だまりを持つコンクリートブロックを設置し、漁港内にナマコを閉じ込めて成長させる方法を検討。松島町の漁港ではかごを使った養殖の可能性が示された。
新潟県佐渡のナンバンエビ(ホッコクアカエビ)かご漁は今季、島の南西部で操業する赤泊地区が漁獲、大サイズ比率とも良好で、着業者は個別漁獲割当(IQ)制度導入の効果とみる。北東部の両津湾沖が主漁場となる両津地区は小さなサイズが多くなっている。両地区とも「値が安い」と話す。
新潟県佐渡の水産物地方卸売市場で寒ブリの水揚げが上向き、11月26日は定置網を中心に一本釣り合わせ352尾に上った。定置漁獲は両津湾で10キロ以上の大型主体。キロ3500~2000円ほどで、昨年の2000~1400円に比べ一段と高い。好値、良型で、シケで漁獲が増えるこれからに期待が高まる。
宮城県漁協志津川支所青年部が挑戦するヒジキ養殖試験で15日、今夏に初めて人工採苗した種苗の沖出し作業が始まった。1カ月ほど志津川湾内で成長させた後、種苗を挟み込むなどして本養殖に移行したい考えだ。
東日本大震災の発生から7年半がたった現在、東北地方の水産・食品加工業は雇用、売上げのいずれも他業種に比べ回復が遅れていることが東北経済産業局が実施した調査結果で明らかになった。
東北地方で南方系の魚の漁獲が増える中、山形県ではサワラのブランド化に成果が現れている。「庄内おばこサワラ」として2010年から東京市場に出荷して高値。産地価格も上昇した。活じめ神経抜きや魚体を傷つけないこだわりの処理で付加価値を高める。体脂肪率の基準を設けてワンランク上のブランド創出も目指している。
宮城県のホタテ半成貝養殖で11月前半、北海道・根室海峡産の活魚車による搬入が目立った。同海峡産の増加は近年の生残率から予想されていた。これまで主流の保冷車輸送に比べ、貝を下ろして分ける作業は手間どるが、生残率がさらに上がればと期待される。
山形県漁協が山形市内で直営する鮮魚店「庄内海丸」が好評だ。県産の魚の消費が少ない内陸部で、販路拡大と認知度向上を目指して出店。対面で漁法や食べ方などを丁寧に伝えて常連客を増やす。生協と協力することで流通と集客のコストや労力も削減した。産地では低・未利用魚を中心に魚価が上がり、好循環が生まれ始めている。
岩手県産天然干しコンブの今季初入札が10月30日、久慈市の県漁連久慈共販所で開かれた。九戸地区の採り、寄り(拾い)21.8トンが上場。10キロ値で久慈市漁協久慈浜産採りマコンブ(マ)5等2万3510円など、高値となった昨年と同程度の落札が多くなった。