宮城県の養殖ギンザケは水揚げが3月中旬から始まり、4月から活発化する見通しだ。生産見込みは「1万3200トン」(県漁協)で減産になりそうだが、活じめ、地理的表示(GI)保護制度認証で需要の増す「みやぎサーモン」は3000~4000トンと昨季(約2800トン)より増える見通し。いずれも順調な流通と好値が予想される。県中部の死滅が気掛かりだ。
宮城県のホタテ水揚げは本年度が2750トン前後となり、4月からの来年度は3700トン程度と見込まれる。東日本大震災後に約8500トンまで回復したが、大減産が3年続く。主力の半成貝養殖でへい死率が高まり、昨秋は20人が移入を見合わせた。来年度は、昨年のまひ性貝毒規制長期化から前倒しの出荷が望まれるが、これまで成育は全般的に遅れ気味。
岩手県の定置漁業講習会が21日、花巻市で開催された。今季の秋サケ回帰(1月末351万尾、前季同期比146%)について4歳魚に支えられたとの見方が示され、漁獲の南北格差拡大では水温の差による影響が示唆された。来季の回帰は316万尾程度と予測され、「1割減」の見込みとなる。
わが国のワカメ流通は昨年も消費低迷、高値が続いた。総務省の「家計調査」によると、全国1世帯(2人以上)当たりの購入数量は865グラムで前年より11グラム低下し8年連続1キロ割れ、平均100グラム単価は183円で2年連続最高水準。三陸ワカメの東日本大震災後の生産と産地価格が背景にあるようだ。
千葉県の幕張メッセで2月13~15日に開かれた小売業向け展示商談会「スーパーマーケット・トレードショー」で、宮城県南三陸町の南三陸商工会が単独でブースを展開。町内の水産加工業者9社がスクラムを組み、自慢の商品をバイヤーに向け売り込んだ。企画会社を使わない自分たちの手のみで作り上げたブースは、実直な取り組みを伝えるのには十分な内容。全国から訪れた来場者を引き付けていた。
三陸ワカメが高値でスタートした。宮城県産の初入札が13日に気仙沼市の県漁協わかめ流通センターで開かれ、ボイル塩蔵は中芯を含めた平均が10キロ1万133円、昨季比127%で落札。在庫消化に伴う手当のほか、岩手県産も含め今季も低水準の生産、供給が続くとの不足感から、品質より確保重視の応札となったことをうかがわせる。
宮城県中部の牡鹿半島方面でナマコけた引の特採(特別採捕)水揚げが始まっている。24トンの採捕枠がある県漁協石巻市東部支所では、ナギなら1日約1トンと好調で、定量(上限)の1隻30キロを1時間半~2時間で獲る組合員も。資源は安定との見方があるが、県では「あくまでも調査目的」と強調、許可漁業への移行に慎重だ。
宮城県北部のめかぶ出荷は2月、芯付き(丸)が徐々に増え、キロ値で200円台前半から100円台後半となる日が多い。例年に比べ、増加ペースが遅れ、価格の下げ足はゆっくりだ。芯抜き(ソギ)は一部で始まったがまだわずか。全般的に葉と同様に生育が遅れ気味だ。減産になるとの見方が強まっている。
三陸のイサダ(ツノナシオキアミ)漁解禁は、岩手県が21日、宮城県が3月1日となる。漁獲枠は両県各1万5000トンで昨シーズンと同じ。近年は漁模様が不安定、昨年までの2シーズンは価格が高騰しており、ハシリが注目される。今季価格に影響する昨シーズン産在庫は産地と消費地にそれぞれ少量とみられる。
かまぼこ店の株式会社及善商店(南三陸町)と株式会社かねせん(気仙沼市)の経営者2人はベンチャー企業「三陸フィッシュペースト株式会社」を立ち上げ、常温保存が可能な笹かまぼこを開発した。冷蔵保管が必要だったり、賞味期限が短いなど、これまでのかまぼこが抱えていた課題を克服。練り製品の国内需要が減少する中、土産品や子供向けおやつなど新たな需要の掘り起こしに注力していく。