道北日本海の留萌管内4漁協で、3月下旬から地まき用稚貝の出荷作業が始まった。へい死や変形などはほとんど見られないが、各地で小型傾向となり、今後の成育に期待を寄せている。管内全体の生産量は前年当初比3%増の11億9700万粒を計画している。
道水産物検査協会によると2025年度の累計格付実績は9907トン。過去最低に落ち込んだ前年度実績(8213トン)を2割上回ったものの、過去2番目に少なく、2年連続で1万トンを割り込む低水準の生産となった。地区別では、渡島が前年度比2%減3329トンとなり、2年連続で過去最低を更新。主力の促成は「ま長切」が2%増187トン、「ま折」は4%減159トンの実績。
上磯郡漁協上磯地区がブランド展開する「峩朗(がろう)ガキ」の出荷が進んでいる。北斗峩朗ガキ養殖部会の加藤佑基部会長は「身は入り貝の大きさも例年並み」と話す。ただ今季はへい死が多い着業者もいるなど生残率はばらつきがある。前年より1軒少ない6軒が着業。昨年9月末までに他地区から半成貝約9万個を搬入。峩朗鉱山から河川を通じミネラル豊富な水が流れ込む前浜でかご養殖。昨年12月に出荷を開始した。
3月の留萌管内ニシン刺網は、昨年に続き苦戦している。一部の着業者にまとまった水揚げは見られるが、各漁協とも1軒当たりメスで数箱と振るわない。着業者は「群れ自体が薄い上に、トドなどの海獣被害も多く、群れが散っている感じ」と残念がる。一方、薄漁を受け浜値はキロ700円と堅調に推移している。
オホーツク海沿岸の毛ガニ漁は過去最高値の昨年が天井の様相で浜値が滑り出している。特に大きいサイズの方が軟調。資源量の減少から今季の漁獲量が全体で前年比302トン減の453トンと史上最低下、昨年産の在庫残存などの影響で冷凍相場の下押しが取りざたされ、漁業者は価格動向を注視。沖合の流氷が去って本格操業後の漁況、チルドの消流動向などが焦点となる。
道産コンブの生産低迷や価格高騰、だし昆布を中心とした家庭需要の減退など、消費地を取り巻く環境が一層厳しさを増している。資材・エネルギー費などの上昇も相まって、加工メーカーは各種商品の値上げのほか輸入昆布も取り入れるなど苦慮。従前とは様変わりした現状に、昆布業者は「もはや危惧を通り越して危機的状況」と心情を表す。
余市郡漁協のニシン刺網漁は2月半ばをピークに下火傾向。道の集計(速報値)によると、1月から3月10日までの漁獲量は前年最終より2トン少ない117トン、2月10日以降の1カ月間で34トンを漁獲し、比較的好漁だった23年や24年の最終の半分程度にとどまる。一方、3月の浜値はメスの高値でキロ700円を付けるなど序盤から薄漁高値が続いている。
羅臼漁協の太進水産株式会社(太田昌之代表)が試験的に取り組むカキ養殖は、一昨年搬入した種の生残率が高く順調に成長、今夏の初出荷を予定している。一方、半成貝から育てたカキは一昨年から同漁協直営店「海鮮工房」で試験販売し身入りの良さなどから好評を博している。
砂原漁協のカレイ刺網は、3月序盤にシケが増え出漁機会は減ったものの、出漁時はアカガレイが昨年より多く、水揚量は良好だ。一方、浜値は昨年より堅調だが、大はキロ300円台と安値基調。着業者は伸び悩んでいるソウハチの増産にも期待している。