北海道のマダラ漁は鍋食材などで需要が増す昨年秋以降、日本海、太平洋の漁況が近年の好漁に比べ盛り上がりに欠け、三陸も絡んだ加工原料需要が価格を押し上げている。年明けは日本海などの水揚げが伸びてきて沈静化の様相も呈している一方、主要加工地・根室など道東に影響を及ぼす日ロ地先交渉の難航など高止まりの要素も抱えている。
北海道漁業士会(大橋丈晴会長=別海漁協)は15日、札幌市の第2水産ビルで研修大会を開いた。全道各地から約120人が参加。漁村活性化、食育・担い手育成活動、行政・漁協系統との連携強化などを柱とする2025年度事業方針を決めたほか、3地区の活動報告や気候変動に関する講演を通し、研さん・交流を深めた。
戸井漁協東戸井地区でミツイシ養殖を営む芳賀浩平さんは、施設の雑海藻駆除でエアーコンプレッサー(空気圧縮機)の導入を検討している。従来使用していた高圧洗浄機に比べて手軽に使え、作業負担をより軽減できることが利点と考える。
噴火湾の今季(2024年10月~25年5月)加工貝水揚げ計画は、7単協(いぶり噴火湾・長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)合わせ5万2100~5万3100トンとなり、昨季実績を1割弱下回る見通し。いぶり噴火湾、長万部、砂原の3単協が増産を見込んでいる。漁協別では、いぶり噴火湾が昨季比2%増8100トン、長万部が7%増1万3500トン、八雲町が59%減2500トン、落部が21%減1万トン、森が6~18%減となる7千~8千トン、砂原が34%増6千トン、鹿部が1%減5千トン。
東しゃこたん漁協のマダラ刺網漁は、年明けから1隻当たり日量平均100箱を水揚げし増産傾向。一方、浜値は7日が1箱4尾・5尾入れの高値で1万1千円、13日が5千円、14日が3千円、15日が6千円を付けるなど、シケ買いや各地の水揚げ状況を反映し価格が大きく変動している。漁況について「12月は昨年に比べ全体的に少なかった」と漁協担当者。「例年は年明けに1隻当たり100箱くらいでスタートし、徐々に漁獲量が増えて150~200箱になる」とし「今年もいまは1隻100箱くらい。これからどうなるか」と説明する。
函館市水産物地方卸売市場の生鮮スルメイカの取り扱いは、昨年6~12月の累計数量が374トンとなり、前年実績(6~1月)を2割弱上回った。11月が近年の中では好漁に恵まれ累計数量を押し上げた。漁期終盤の1月も外来船中心に前浜(津軽海峡)で漁がまとまり、上積みが期待される。
いぶり噴火湾漁協有珠支所の中野龍一さん・智子さん夫妻は、着業する採介藻について「今年も成長している場所がほとんどない」と話し、マツモやフノリなどの着生範囲が年々縮小している現状に危機感を抱いている。一方、龍一さんは昨年の3月末以降ワカメが多かったことに触れ「今年も同じ状況になってほしい」と期待を寄せている。
一般社団法人北海道水産物荷主協会(会長・根田俊昭株式会社マルキチ社長)は昨年(2024年)も道内の「子ども食堂」と連携した道産水産物の魚食普及推進事業を実施した。4年目の今回は、ホタテ加工品を使った親子で作れる料理レシピや水産加工品にスポットを当てた食育用パンフレットを172カ所に配布。十勝管内の3カ所ではレシピを活用した料理の試作・提供などを行った結果、調理ボランティアから「手間がかからず作りやすく、常用メニューに加えることができる」などと好評を得ている。
北るもい漁協羽幌本所に所属する桜井漁業部(桜井健一代表)は、刺網で水揚げしたカレイやホッケなどの加工品販売に乗り出した。昨年11月に作業場を備えた販売店舗「北のこんぶ小屋」をオープン。その名の通り前浜で採取している天然コンブの加工品も自慢の一品だ。6次化構想の夢が現実となった今、桜井さんは「バーベキューを楽しめるスペースも確保した。人が集まるグルメスポットを目指したい」と意気込んでいる。
北海道太平洋沿岸の毛ガニ漁は低調な水揚げで推移している。昨年末の許容漁獲量の達成率は釧路西部海域が7割、十勝海域が3割。薄漁を映し、浜値は高値を形成。白糠漁協や広尾漁協では昨年12月に大サイズがキロ1万7千円まで高騰した。