余市郡漁協のエビかご漁は数量・金額ともに昨年並みで推移し、操業する5隻でボタンエビが3S~6Sサイズ中心、ナンバンエビが小と小小を中心に、それぞれ日量平均100箱前後を水揚げしている。9月5日の浜値ではボタンエビが2万2391円~2110円、ナンバンエビが5591円~1388円を付けた。
サロマ湖3単協(湧別・佐呂間・常呂漁協)の稚貝本分散が9月上旬に始まった。採苗は外海・湖内ともに振るわず、仮分散で確保している稚貝を融通し合いながら、必要量の確保に向け慎重に進めている。
北海道の秋サケ定置網漁は平成以降最低の漁期前予測を下回る水揚げペースで推移している。根室、オホーツクが低水準ながら日量が増加してきた一方、太平洋、日本海・中部以南が9月中旬まで伸び悩み。浜値は出足より下方修正となったものの、依然高位置。盛漁期入りが注目される。漁期前予測で前年比2割減が示されているえりも以東・東部地区主体の釧路管内は、道漁連の集計によると、19日現在で前年同期比59%減の136トン。
えりも漁協ではオオズワイの水揚げが伸長している。昨年に比べて型が大きく、9月15日現在のキロ平均単価は前年同期比2.2倍の460円に上昇。加えて数量も57%増の720トンとなり、金額を3.3倍の3億3千万円に押し上げている。同漁協は「赤潮以降ツブなどの水揚げが激減した中、オオズワイに助けられている」と話す。
北海道の秋サケ定置網漁は全漁場が操業を開始し、今週から盛漁期に向かって日量の伸長が期待される。いくらなど昨年産の在庫薄、海外産の高値相場などに平成以降最低となる来遊予測が加わって浜値は上昇が想定されていたが、実際に出足の水揚げが極度に少なく、オス、メスとも高位置発進。今季は売り場堅守への適正価格の形成などが焦点。サンマなど他魚種も併せて漁獲動向にも商戦の行方がかかっている。
東しゃこたん漁協のホッケ刺網漁は昨年同時期の1箱(約5キロ積め発泡)17尾入れよりも良型の14尾入れを主体に水揚げし、浜値は6月ごろから箱とバラともに高値で推移している。着業者は「ここ数年で一番いい」と漁況を話す。
白老町の地域商社「BLUE SALMОN」(貳又(ふたまた)聖規代表、電話090・1648・4641)は、「地元のお魚活用プロジェクト」と題し、2019年6月の設立当初から前浜産水産物の付加価値化に注力。主力魚種・スケソでは身を活用した加工品で「おつまみシリーズ」を展開している。スケソの加工品は21年に「ディルマリネ」を皮切りに「バジル白ワイン風味」「白銀の塩辛」「チャンジャ風」の4種を順次発売。12月から2月ごろの前浜産スケソを白老町の加工業者・有限会社小田切水産でフィレーにし、開発段階から連携してきた函館市の生鮮珍味メーカー・竹田食品に味付けなど製造を依頼している。
日高中央漁協浦河地区では第十八高漁丸と第三十一髙徳丸の2隻が刺網でキンキン(キチジ)を水揚げ。高漁丸の髙田敬太さんは「例年では今時期が最盛期」と話し、好漁に期待を寄せる。
札幌市中央卸売市場の丸水札幌中央水産株式会社とカネシメ髙橋水産株式会社の両荷受は10日、同市場特設会場で水産合同展示商談会を開いた。荷主のほか、取引メーカーなども多数出展。バイヤーらに主力商材や新製品などを売り込むとともに、新たな商談機会を創出した。合同開催は昨年に続いて2回目。会場には約180のブースが並び、干物や魚卵といった各種加工品のほか、秋冬・年末商材、ギフト向け商品などを出品。担当者がパンフレットや試食を手渡し特長をPRした。
渡島噴火湾3単協(落部・森・砂原漁協)のエビかご秋漁が始まった。大量発生しているオオズワイガニの混獲が依然衰えない中、ボタンエビは落部漁協が1隻日量50、60キロから100キロ程度とまずまずの水揚げ。メス大を中心に、浜値は活出荷でキロ5千円と好値を付けている。秋漁は9~11月中旬。落部は23隻が着業しており、同漁協市場では「毎回20隻ぐらいで日量2トン前後」と説明。最近は休漁やシケで1日置きに出漁し、9日は2トンの水揚げ。メスがキロ5千円、オスの中が3700円、小1500円。