加工貝(2年貝)の水揚げ最盛期を迎えている渡島噴火湾では、6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)合わせ日産1600トン超え。4月1日時点の累計数量は前年同期比5%増の2万3474トン、計画達成率は52%に達した。一方浜値はキロ600円前後まで高騰している。
根室湾中部漁協のニシン刺網は昨年を上回る水揚げ。3月29日現在で数量は前年同期比2.5倍の37トン、金額は2.3倍の約500万円に伸ばしている。一方キロ平均単価は9%安の136円に下落している。
オホーツク海沿岸の毛ガニ漁は、浜値が過去最高値に急上昇した昨年より若干高で滑り出している。特に組成が大中サイズ中心で資源薄の小が強含み。許容漁獲量は3年ぶりに増枠となったものの、依然千㌧割れの低位。高コストの局面下、消流は冷凍品に傾斜する様相で、年末需要期の実消費に成否がかかる状況を呈している。
落部漁港敷地内の荷捌施設横で建設を進めていた落部漁協(藤野勝徳組合長、197人)の新事務所がこのほど待望の竣工を迎えた。組合員が一堂に会する大会議室や女性部の活動拠点にもなる食堂のほか、別棟の購買部も集約している。太陽光パネルによる自家発電装置を備え、災害時はもとより地域活動の拠点にふさわしい新施設が誕生した。
紋別市の株式会社光進水産(齊藤則光社長、電話0158・24・3300)はホタテの玉冷で、原料から加工・包装までプレミアムを追求した商品を展開している。特に包装では洗練されたデザインの化粧箱に輸送中の衝撃、すれ傷の発生などを防ぐ特殊容器を使用。贈答用向けに現在紋別市のふるさと納税返礼品や自社ネット通販で提供。今後は北海道物産店や百貨店などの販路開拓も視野に入れている。
潜水で漁獲する長万部漁協のナマコ漁は、1月の開始以降キロ2千円の安値で推移している。前年同期の約4割安と大幅な落ち込み。一方、日量は2人のダイバーで100キロ程度の水揚げ。濱野信夫漁船漁業部会長によると「開始当初と比べ濁りが強く海の状態があまり良くない」ことから、やや減少している。
砂原漁協の小林正一さん(64)は、約3年前から漁業活動の傍ら小型漁船の解体も手掛けている。これまでFRPを中心に磯船から19トン船まで30隻ほど解体。漁業廃業などを背景に依頼は途切れず、今後も30隻ほどの予約が入っているという。16歳から漁業に従事し刺網など各漁を営んできたが、「後を継いだ息子にいろいろ経験してほしいと思い、今はほぼ全てを任せている」と説明。自身は10年ほど前からイカ釣り専門に操業しているが近年スルメイカは不漁。「漁がなく年間で何日も稼働しないため副業として解体を始めた」と言う。
羅臼漁協のスケソ刺網は25日に終漁した。序盤は好漁だったものの、2月以降は減産傾向で推移。一方浜値は2月にキロ238円を付けるなど前年を上回る高値となった。1月5日に開始。佐々木明さん(第五十八孝与丸)は「個人的には昨年より良かった」と強調。「多い時で1箱20~23尾入れ主体で200箱くらい」とし「ただ2月に入ってからあまり芳しくなかった。3月頭からの流氷が来て、氷がない場所で網を巻いてもスケソがいなかった」と漁況を振り返る。
えさん漁協の養殖は、生育を促すため株密度(コンブの本数)を調整する間引き作業が行われている。各地区の部会長によると、促成マコンブはおおむね順調。一方、ミツイシは芽落ちが散見し予備コンブを活用して回復を図った。
道北日本海の留萌管内4単協(増毛・新星マリン・北るもい・遠別漁協)で計画している稚貝の出荷作業が、3月28日予定の遠別と北るもい羽幌地区を皮切りに順次開始される。昨年の採苗不振が響き生産粒数は大幅に減少する見通しで、前年実績の合計11億6300万粒に対し半減以下となる可能性が高い。