ナンバンエビ主体の留萌管内エビかご漁は、増毛漁協と北るもい漁協で数量や組成に格差が見られる。増毛は1隻1航海で150箱前後と数量はあるが小主体。北るもいは100箱前後で昨年より大やメス、中の比率が高い。一方、昨年多かったボタンエビは両漁協ともに少ない。
昆布森漁協の春定置は、青マスが小型主体の組成だったものの6月に好漁が続き、同月末現在で数量が前年同期比11.7倍に伸長。トキサケも不漁だった前年を大きく上回る水揚げを確保している。
同漁協は「6月に入って獲れた。1キロ未満の小さい魚ばかりだったが、組合全体で多い日は50トンほど揚がった。2週間くらい漁が続いた」と説明する。
道漁連は4日、道昆布事業協同組合の総会で、本年度の道内コンブ生産予想を、昨年度実績(1万2245トン)比20%減の9812トンと発表した。過去最低だった2022年度実績(1万970トン)を下回り、初めて1万トンを割り込む記録的な不漁となる見通し。地区別では日高や釧路、根室の太平洋側で繁茂状況が悪く大幅な減産が予想される。
Q・B・Bベビーチーズを製造販売する六甲バター株式会社(神戸市)は、新企画・日本の名産ベビーチーズシリーズで湧別産ホタテを使った「北海道産ホタテ入りバター醤油仕立て」を製品化した。こだわりの原料に付加価値を訴求する「ご褒美気分」の商品として開発。原料を提供する湧別漁協オホーツク湧鮮館の小熊篤直販部長は「湧別のホタテ生産に興味を示してくれた。全国に湧別産をPRしてほしい」と期待する。3月から全国の主要な量販店で販売を開始している。
落石漁協で刺網やタコかごなどに着業する小川真一さんは昨年、自身が代表を務めネット販売を中心に手掛ける大伸丸水産を設立。花咲ガニやタコを販売するほかSNSも利用して魅力を発信している。花咲ガニは身入りが良いものを厳選し新鮮な状態でボイル。塩辛くなく甘味があり花咲ガニ本来の濃厚な味わいが特長。漁期中はチルド、オフ期間は冷凍品を販売する。タコは足のほかに、それを薄くスライスした商品も展開。「ゆで方はレア。刺身はもちろん、しゃぶしゃぶにもお薦め」と提案する。
標津漁協の春定置は標津沖と薫別沖の2カ所で操業している。5月1日の開始から順調に推移し、トキサケが数量・金額とも昨年より伸長している。トキサケは6月22日現在で前年同期比38%増の1755尾、20%増の1900万円(税抜き)、5.5%高の3800円。サクラマスは9%減の1万2千尾、15%減の700万円、前年並みの490円。
釧路市東部漁協のさお前コンブは6月27日に初水揚げ。翌28日の操業で計画日数の2日間を消化し終漁した。雑海藻が繁茂する一方、全般的にコンブの資源状況は薄く着生漁場に船が集中。実入りなど生育状況は漁場でばらつきがあった。
渡島噴火湾の耳づり作業は、6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)とも6月上旬までに終了した。稚貝は各地で順調に成長し、例年並みの本数を垂下したもよう。一部で3月の早い耳づりにへい死が見られる地区もあるが、着業者は「例年並み」と捉えている。昨年の森、砂原、鹿部では、収容かごに大量のザラボヤが付着したことで稚貝の成長不足や耳づり作業の遅延に悩まされたが、今年はそのような状況にはなく順調に作業を終えている。
農業生産法人の株式会社流山(七飯町、宮本英樹代表取締役)が運営する積丹町の積丹しおかぜ羊牧場は2020年から東しゃこたん漁協の美国地区浅海部会や積丹支所青年部のウニ養殖用ホソメコンブを羊の飼料に活用し羊肉のブランド化を推進している。ウニと藻場の循環型再生産・積丹方式による持続可能な漁業の一端を担い、水産と畜産の連携に取り組んでいる。
昨年4月に設立50周年を迎えた株式会社寺島商会(函館市、寺島達則社長)は、漁業者の声を参考に利便性や作業効率化などを追求したコンブ関連機器を製作販売。最近では主力の洗浄機で作業負担を軽減できるコンパクトタイプの新型を打ち出したほか、コンブの巻き取り機も製作。また、曲げ・レーザー両加工機の導入で板金加工の精度向上を図ったほか、多様な部品・文字看板などの製作も新たに手掛け関係先に提案している。