道漁連は、本年度の道内コンブ生産見込みを1万2060トンとした。8月末時点の集計で、6月末に示した当初見込みから540トン下方修正。過去最低だった昨年度実績(1万2816トン)を5.9%下回り、4年連続で1万2千トン台となる低水準の生産が続く見通し。2012~21年の過去10カ年平均(1万5016トン)と比べると19.7%下回る。
釧路市の株式会社カネイチ丸橋(橋川龍一社長、電話0154・65・1405)は今年から新たに生珍味の製造販売に乗り出した。釧路産マイワシの食用利用の拡大で、ニシンとミックスした「いわしとにしんの切り込み」=写真=を開発したのが端緒。サーモンや貝類の素材も加えて商品アイテムを充実している。
沙留漁協青年部(山田煕寿部長、部員22人)は海藻が繁茂してない場所に生息する痩せウニ(エゾバフン)の陸上蓄養に乗り出した。前浜資源の有効活用、磯焼けの抑制を念頭に、コンブを給餌し、身入りを改善。今年は試験段階で、来年から本格的に取り組んでいく。
いぶり噴火湾漁協のウニたも採漁は、序盤からむき身、殻付きとも高値で推移し8月末でほぼ終漁した。主体となるキタムラサキは昨年を下回る数量となったが、金額は2~3割増加。浜値はむき身のエゾバフンがキロ1万9千円前後、キタムラサキが1万3千円前後まで上昇した。
南かやべ漁協大船地区の高谷大喜理事は今年春から、株式会社サン・シャインラグレス(宮崎県、電話0984・37・1906)のフジツボ船底付着防止剤「マリンシールド」を導入した。塗料に混ぜて船底に塗布。「フジツボの付着を抑えることで船速が落ちず燃費向上につながる」と効果に期待を寄せる。マリンシールドは天然素材(天石)を使ったパウダー状の混和剤。イオン効果によりフジツボやイガイの着床を防止、船舶の推進力やスピードが保たれ、燃料費や除去にかかる作業費などの削減につながることが利点。
礼文島・船泊漁協の俵静夫さん(87)は、鎌刈り専門で天然コンブを採取する。海底をのぞいて実入りの良いコンブを選び、根元からきれいに刈り採る。操業後には鎌を欠かさず研ぎ切れ味を維持。「良い水揚げをするには手入れは重要」と強調。若いときから漁具とともに腕にも磨きをかけ、等級比率の高い生産を続けている。
オホーツク海沿岸の8月末水揚量(速報)は、漁場造成を含め前年同期比5%減の21万2370トンとなった。計画達成率73%。猿払村が3万トンを超え宗谷、枝幸、紋別、湧別、常呂が2万トン台。6単協が前年同期を上回っている。日産数量は宗谷、猿払村が400トン前後、紋別、湧別、常呂が300トン前後。歩留まりは12~14%台でピークに達している。組成は大半が3S中心。浜値はキロ200円台、一部300円台を付けている。
小樽市漁協のウニ漁が8月31日で終漁した。今年は数量が落ち込んだものの、引き合いが強く高値市況を形成。終盤の水揚額は昨年同期を約2割上回った。一方で着業者からは「全般的に身入りが芳しくない」「決して資源状況がいいとは言えない。今後に不安もある」などといった資源状況を心配する声も出ている。
北海道の秋サケ定置漁が30日に開幕する。5万トン割れだった昨年比10%増の来遊予測が示され、今年も低水準の漁況見通し。引き続き、水揚げの回復時を見据え、原魚の円滑処理体制や売り場の確保、消流安定への価格形成が焦点となる。道漁連販売第二部の鳥毛康成部長に商戦展望、流通対策の重点などを聞いた。
南かやべ漁協の定置網で8月中旬、スルメイカの水揚げが急増した。木直地区で操業する尾上美彦理事(有限会社ヤマダイ尾上漁業部)は「獲れたのは1日だけ。ただ昨年同時期に比べると今年の方が平均して揚がっている」と漁模様を説明。8月24日現在で組合全体の水揚げ累計は前年同期比57%増の233トンに伸ばしている。