合成繊維に詳しい岡山県倉敷市の赤埴(あかはに)薫氏が発案した海面での人工採苗技術「半天然二枚貝種苗生産システム」が試験段階で安定した着底種苗を生産している。実用化に向けて西日本ニチモウ株式会社、平田水産技術コンサルティング(広島)と共同研究。7月18日に同システムでホタテ原盤への付着を確認した。海面での成功は世界で初めて。
東京都中央卸売市場の豊洲市場が10月11日開業する。長い歴史と伝統、豊富な品ぞろえや目利きの力、活気と賑わいなどさまざまな魅力を備えた「築地ブランド」を継承。同時に、老朽化・狭あい化といった課題を克服し、高度な衛生管理を実現する最新鋭の市場として出発する。時代の変化に対応できる日本の中核市場として、地域に賑わいをもたらし、世界も見据えた食文化の新たな発信拠点として動き始める。
マリンフーズ(株)の三国和浩社長はグループ会社の釧路丸水(株)について「タコファクトリー」「タコのスペシャリスト」としての存在を前面に押し出した。「浜値が昨年の1・5倍になっているが、モーリタニア産の搬入減、高騰している中でチャンス」と認識。生産性を改善するとともに、本社営業部門と連携しながら、タコ製品のシェアを伸ばしていく施策に打って出る。
釧路丸水は買参権を生かして調達した道東のヤナギダコを商品化、「北海道旨味たこ」と銘打ちブランド化している。過熱水蒸気加工で一気に蒸し上げ、従来のボイル加工に比べ色鮮やかに仕上げている。
「北海道フェア」を企画するなど、量販店向けの販促物としてポイントとなる商材ではあったが、昨年から全国各地でスポットCMを展開。この効果もあり、沖縄県ではおよそ2倍、長野県では1.5倍の売上げを記録しているという。
10月11日に開場する東京・豊洲市場で16日、買参人や市場関係者を対象とした大規模な習熟会が開かれた。場内の物流に関するデモンストレーションを行いつつ、市場施設の使い勝手を確認するもので、関係者3千人以上が参加した。
これまで業界別に個別の習熟会は何度か実施されているが、水産や青果合同の大規模な訓練は3回目。実際に大勢の人が集まった中での使い勝手をつかむのがねらい。
この日は、ターレの動線の確認、7街区(水産卸売場棟)から6街区(水産仲卸場棟)への連絡通路を経由しての搬送や、仲卸店舗内での荷下ろし、買い出し車両への積み込みに至るまでを確認。冷蔵倉庫でもフォークリフトを使った荷捌きの確認が行われた。
SEAPA社(オーストラリア)のシングルード専用バスケット(養殖かご)が日本でも普及している。日本法人の株式会社SEAPAジャパンの吉本剛宏社長は「100軒ほどが実証試験を実施中。量産体制を確立した生産者も出てきた。またイワガキでも量産に成功した業者が現れている」と話す。また、同社が独占販売する選別機・SEDグレーダーはサイズの均一化に効果。評価を得て導入が広がっている。
東京都は13日、築地市場の移転先となる豊洲市場で、10月11日の開場に先立って、記念式典を開いた。市場関係者や全国の加工・流通業者ら約900人が集まり、新市場の開場を祝った。
陸奥湾で全自動ホタテ耳吊機「TEC─3」を導入した漁業者の評判が一段と高まっている。へい死が増えた昨年以降、手で差し込む耳づりよりも成長・生存率が良いためだ。機械化に伴う作業効率の向上やコスト削減効果に加え、貝にも優しい機械であることが分かってきた。「もう手差しには戻れない」と口をそろえる使用者。導入効果を実感する声が相次いでいる。
海面サーモン養殖の成長産業化を実現するため、業界関係者が連携し「全国海面サーモン養殖推進協議会」を立ち上げた。東京都内で6日開かれた設立総会には会員60名以上が参加、想定していた予定数を超え、用意された部屋が満席に達するなど関係者の期待が高まるスタートとなった。
築地市場の卸売会社7社は8月28日、「年末商品合同展示会」を築地市場内の塩干・合物卸売場と第二低温卸売場で開いた。10月に豊洲市場移転を控えていることもあり、例年より2週間ほど早く実施。出展者の熱意ある商品説明と、それに応える来場者の商品を見つめる真剣な眼差し。築地での最後の開催を関係者一同が盛り上げた。
道漁連は8月29日、道産魚介類を取り扱う取引先でつくる「道ぎょれん会」の秋季取引懇談会を、東京都内で開いた。札幌や関東地区の卸や商社など約160人以上が参加。秋サケ、いくら、ホタテの商戦展開を意見交換した。