北海道JF共済推進本部(福原正純本部長)は22日、札幌市の京王プラザホテル札幌で全道「JF共済」推進委員長会議を開いた。年度末までの取り組み方針や2020年度からの新3カ年計画の骨子などを提示。充実した保障の提供と組合の事業収益確保などに向け、全戸訪問活動でチョコー、くらしを中心に制度の周知徹底など事業推進に取り組んでいくことを確認した。
昆布製品製造卸の(株)丸善納谷商店(函館市、納谷英雄社長)は23日、オーストラリア(シドニー)に向けて道産乾燥昆布30キロを初出荷した。道立工業技術センター(函館市)と共同開発した新技術を用い、同国が2010年に定めた厳しい規制(乾燥重量1キロ当たり千ミリグラム以上のヨウ素を含有する海藻類の輸入禁止)をクリアしたもの。今後定期的に輸出する予定で、現地商社を通しレストランなど業務筋中心に流通する。
噴火湾の今季加工貝(2年貝)出荷計画は、7漁協(いぶり噴火湾・長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)合計で約3万3千トンとなった。一昨年実績の約5割に落ち込む試算。6千トン以上の計画はいぶり噴火湾、落部の2漁協のみ。減産した昨年と比べ約1万4千トンの増産計画にとどまり、産地では「耳づり時の成育不良が一要因」とみている。
斜里町の合資会社吉野(吉野英治社長、電話0152・23・2133)は、産地ならではの生魚加工に徹し、「魚ファースト」で身質・脂肪など特性に合わせて「煮付け」「焼き物」「生食」など最良の食べ方を追求している。ギフトや通販業者、協同購入組織など消費者直結のルートに加え、新千歳空港や帯広市の百貨店などに専用コーナーが設けられるなど売り場が拡大している。
宮城県石巻市の末永海産株式会社(末永寛太社長、電話0225・24・1519)が製造販売する「漁師の潮煮(うしおに)3種セット」が、今年度の全国水産加工品総合品質審査会(全国水産加工業協同組合連合会主催)で最高賞の農林水産大臣賞を受賞した。三陸の豊かな海で育ったホヤ、カキ、ホタテの潮煮をそろえ、観光客らにPR。末永社長(42)は「漁師直伝の製法で素材そのままの味わいを楽しめるのが自慢。名産品に育て上げたい」と喜ぶ。表彰式は24日に都内であり、今年秋には国主催の農林水産祭に出品される。
えさん漁協椴法華地区の岡山潤也さんは自身が養殖する促成マコンブを加工、各種製品をつくる。「大好きな昆布。その魅力を多くの人に伝えたい」と語り、需要が低い若年層を意識した斬新な包装デザインを採用。衛生管理にも注力して製品化する。主力の「千切りビストロ昆布」がヴィーガン(完全菜食主義者)認証を取得したことをきっかけに、関連業者への営業を強化、販路開拓に奔走する。従来柱だった漁船漁業の不漁を背景に開始した6次産業化の取り組みは今年で4年目を迎え、徐々に軌道に乗ってきた。
道漁連と道こんぶ消費拡大協議会はこのほど、小学校の食育授業用に「昆布食育キット」を作成した。原藻や試食・試飲用の昆布など教材一式を同封。地域に限りなく全国各地の希望校に無料で貸し出しする。生徒にだし文化の魅力を伝え、昆布に対する関心を高めるため、見て、食べて、触るといった五感で学ぶ食育授業を提案する。
標津町の株式会社北海永徳(永田雄司社長、電話0153・82・3963)は、秋サケ、ホタテの加工を主力に、カレイ・ニシン・ホッキなど前浜産の鮮魚出荷、干物・塩蔵・冷凍加工を展開。顧客ニーズに応じた商品づくりで売り上げを伸ばしている。今後、最新の急速凍結機を新たに導入。ホタテ玉冷の高品質化と併せて冷凍加工品の強化に臨んでいく。
函館空港ビルデング株式会社は、地域振興・発展に貢献することを経営ビジョンに掲げ、道南産水産物の魅力発信に注力している。空港内の土産店では、地元漁業者や加工メーカーがつくる各種水産品を積極販売するほか、がごめ昆布を使った自社製品も展開する。直営レストランでは昆布やマグロを取り入れたメニューが並ぶ。また、近年世界的に深刻化が指摘される「海洋プラスチック問題」を受け、紙製のストローに切り替えたりパネル展を開くなど「脱プラ」にも取り組む。
北海道を代表する保存食である新巻鮭。江戸時代から続く伝統食品で、お歳暮の贈答品になくてはならない。そんな新巻鮭を水産加工場から消費地まで運ぶ際に活躍するのが鮭箱。木箱が主流だったが、価格面などで勝る発泡スチロールに主役の座を譲って久しい。一方で木箱の風合いや印刷された書体のカッコ良さに魅せられ、家具や雑貨、楽器として新たな魂を吹き込むのが職人ユニット「ARAMAKI」だ。