岩手県沿岸最北端の洋野町の有志が取り組んでいる「北三陸 世界ブランドプロジェクト実行委員会」は、タコ、ホタテ、サケを使った薫製品を開発。素材の風味や食感を最大限に生かした風味が売りで、10月に東京都内の大手百貨店で実施したテスト販売で完売となる人気を得た。今後商品化し、首都圏での販売展開を計画。将来的には海外進出も目指す。
世界でも北海道の太平洋沿岸にのみ生息するシシャモ。釧路海域では、漁業者、漁協、自治体、加工流通業者、飲食店など地域の関係者挙げて、その希少な魚の資源維持・増大をはじめ付加価値向上、消費拡大に取り組んでいる。昨年3月にはこれまでの活動と実績が認められ、「釧路ししゃも」が地域団体商標に登録。統一ブランドマークで、一層の知名度アップを目指していく。
南かやべ漁協尾札部地区青年部(佐藤正紀部長)は、昨年から札幌駅前地下歩行空間で、尾札部産昆布の宣伝・販促活動を展開し、需要喚起と知名度向上に力を入れている。
同地区は白口浜に位置し、献上昆布としても知られる高級銘柄を生産する。ただ、2年前の関西消費地視察で需要低迷を肌で感じた。佐藤部長は「昆布離れが進んでいることに加え、尾札部産の知名度も低かった」と危機感を抱き、「このままではいけない」と漁業者が先頭に立ちPRすることを決意した。
岩手県宮古市の宮古水産物商業協同組合(島香尚組合長、電話0193・62・5061)は11月28日、商品開発したイサダ(ツノナシオキアミ)のさつま揚げとサクラマスのへしこ(ぬか漬け)のお披露目と試食会を宮古漁港のシートピアなあどで開催した。両品とも好評で、来春の販売開始に向け手応えを強くした。
秋サケの国内需要の拡大に向け、秋サケ業界ではすしネタや刺身など「生食」普及への挑戦が続いている。国内の生食サケ市場は回転ずしを中心に拡大しているが、輸入養殖物が売り場を席巻。脂肪分では輸入物の壁は厚いものの、原料の厳選、製法の工夫で高品質を追求。「サケ本来のうま味」の訴求などで商機を追っている。
太平洋沿岸のシシャモ漁は今季も全域的に低調だ。終盤を迎えた釧路海域は昨年を上回るペースで滑り出したものの、中盤から漁が切れだし、昨年同期を割り込んだ。また、11月中旬で終漁した胆振・日高海域は大幅減産。十勝海域は日量が少なく、11月以降はシケ休漁の連発も響き、前年並みの低水準となった。
猿払村漁協のけた引は11月21日に終漁し、前年比16%増の5万7370トンを水揚げした。平成20年の5万2700トンを上回り過去最高数量となった。
岩手県の秋サケ水揚げはピークと予測された11月下旬、小幅な伸びにとどまった模様だ。懸念されていた大震災の影響による可能性があり、影響はこれから大きくなるとも見方も。市場別では宮古が1日2万~3万尾ペースで好調を維持するが、減ったところもある。価格はメスが800円前後から700円台後半と高値張り付き、オスは下げ傾向で中値200円台前半に。
鹿部町の(有)嘉楽(辻合明男社長、電話01372・7・3489)は、熟成と脱水を同時に最適に仕上げる製法を開発した。うま味成分が濃く、鮮度、歯応えも兼ね備えた刺身商材を目指した挑戦が結実。日高の秋サケブランド「銀聖」を皮切りに、他魚種に応用、商品化を進めていく。
同社は、ニシン・数の子を主力にサケ・マス、いくら・すじこ・たらこ、刺身・とばなどを手掛け、年商117億円(平成26年3月期)を誇る。加えて、近年商品・販売戦略で力を入れているのが過熱蒸気による焼成商品だ。
過熱蒸気は、100度で蒸発した飽和水蒸気をさらに加熱した高温の蒸気。食品に吹き付け加熱することで、従来のボイルや焼成に比べてうま味や栄養分を逃さずに調理が可能。色目や食感も向上する効果が試験研究機関の実証試験でも確認されている。
岩手県水産技術センター(釜石市)は同市の熊野川にサケ大規模実証試験施設を竣工し、1日、稼働を開始する。サケ稚魚の回帰率向上が目的で、今季から120万尾の飼育密度別試験を予定。回帰率の低迷が続く中、好適な海洋環境下でまとめられた稚魚の生産、放流マニュアルの見直しも含め、現代に合う資源増殖手法を検証していく。