三重県伊勢市にある㈱酒徳昆布(里村悟社長)は、平成24年に創業100年を迎えた昆布専門店。シンプルな味で、素材の良さを最大限に引き出す伊勢の「生なり文化」にこだわり商い。道南産真昆布が原料のおぼろは、創業以来注ぎ足しの酢で漬け前し、業界では珍しい若手職人が削るこだわりの逸品だ。
明治45年の創業以来昆布一筋に商い。おぼろやとろろから始まり、当初は卸主体だったが30年ほど前に小売中心に。おぼろ以外にもだしや昆布巻など各種昆布製品を販売するほか、伊勢神宮にも奉納。内宮前の「おかげ横町」ではおぼろ削りを実演販売する。
宮城県気仙沼市の冷凍食品製造販売・㈱オサベフーズ(澤英機社長)はことし、主力の給食向けに加え、流通大手のイオングループと連携し、東北エリアでの販売に乗り出している。「サーモンフライ」など、調理専門従業員と新商品試作を繰り広げてきた自慢の商品を展開している。
同社は昭和63年に陸前高田市に本社工場を設立。平成19年に気仙沼市にハンバーグ専門工場とメンチカツ工場を開設して多彩な食品加工事業を展開してきた。
震災で気仙沼市と陸前高田市の3工場が全壊。気仙沼市岩月の工場を修復し、震災翌年4月から再開した。陸前高田市では、竹駒町の元食品工場を譲り受けて改装し「岩手工場」として昨年4月に稼働を開始した。
岩手県南部のカキ出荷が1日、東京・築地市場などの販売開始に合わせ本番入りした。放卵が進んで身の回復が昨シーズンより早く、当初の品質としては良好。目立ったシケ被害やへい死もなく、増産を見込む浜が多い。
北海道産秋サケの普及・定着に向け、道漁連と北海道秋鮭普及協議会は、札幌など道内ホテルとタイアップし、朝食に秋サケを使った料理を提供する「今が旬 北海道産秋鮭フェア」を展開している。
宮城県北部の秋サケ沖刺網漁が絶好調なハシリだ。南三陸町市場では初水揚げの9月26日から日産20トンペースとなり、10月1日には30トンを超え早くも盛漁期の様相。不漁予測を覆すような滑り出しに驚きと喜びで活況を呈するが、「いつ切れるか」という不安が大きい。定置漁獲も例年を上回る序盤となっている。
道東沖のサンマ漁は9月中旬以降、道東4港(花咲、厚岸、釧路、浜中)で日産3000トン規模の漁獲が続き、不振だった昨年を上回るペースで推移している。一方、本州も9月下旬から三陸沖に漁場が形成され、一部の大型船が操業、水揚げを伸ばしている。
「6次産業化は営業努力がなければ成り立たず、売り先がなければ高くも売れない」。生食用の殻付カキを主体に約300の飲食店に直送、3年目で1億円を売り上げる漁師の会社・(株)海遊(宮城県石巻市雄勝町)の伊藤浩光社長(53)はこう話す。三陸では大震災後、6次産業化を目指す動きが活発化した。先輩格としてリードする伊藤社長の考え方、ノウハウに迫った。
道東沖のサンマ漁が一気に上向き、16日は道東4港(花咲・浜中・厚岸・釧路)で今季最高の3600トン(全国合計4700トン)を水揚げ。漁業情報サービスセンターのまとめによると、16日までの累計漁獲量は、低調だった前年同期を39%上回る2万7772トン(全国54%増3万4243トン)となった。魚体は昨年より大きく、大サイズ主体の組成。浜値は漁がまとまったことで弱含みに転じた。
ひだか漁協のツブかご漁は真ツブ、灯台ツブとも単価が上昇している。4月~8月末の累計でキロ平均単価は真ツブが前年同期比45%高の1006円、灯台ツブは同25%高の411円に付いている。
標津漁協は今季、船上で魚が生きているうちに血抜き処理する「船上一本じめ」で、秋サケのオスの出荷を始めた。一般公募で「波しぶき」と命名。組合では生鮮に加え、自営工場で山漬け風の塩蔵を製造する。直売店やネット販売を主体に直販、標津産秋サケの知名度向上につなげていく。