第23回「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」(大日本水産会主催)が8~10日、東京ビッグサイト南展示棟で開催される。約380社(600小間)が出展。新型コロナの影響で減退している水産物の需要回復と販路拡大の機会とし、水産業に元気を取り戻す展示商談会を目指す。
注目の出展
・テック大洋工業
・築地蟹商
・シーデックス
・GSK
・NASCO
・AquaFusion
・理工エンジニアリング
・レノバ
・高砂熱学工業
渡島管内のスケソ刺網は、深み主体に漁場形成され、低調だった昨年を上回る水揚げで推移している。道のまとめによると10月1~20日の管内全体数量は昨年同期比25%増の873トン。組成は漁場でばらつきがあり、下側が良型中心。ハシリは大量の泥が網に付き漁を妨げたが、付着状況は徐々に収束。今後着業隻数が増え漁本番を迎える。
株式会社枝幸水産商会(岩谷隆行社長、札幌事務所011・596・0682)は、枝幸産マホッケを使ったフライの販路拡大に力を入れている。枝幸港根拠に操業する漁業部門の沖底船「第八龍寶丸」の漁獲物を使用。道内を中心に定食のほか、ハンバーガー、サンドイッチ、ナンサンドなど幅広い用途を開拓。今後は首都圏にも売り込みをかけていく。
北海道産干貝柱の認知度向上、家庭での利用促進を図るため、道漁連、道ほたて漁業振興協会、オホーツク乾貝柱宣伝協議会は、国内最大手レシピ動画サービスの「クラシル」とタイアップし、簡単でおいしく楽しめる「ほたて鶏だんごの旨塩ラーメン」のレシピ動画を公開した。これに合わせ「たべれぽキャンペーン」を実施。実際に作り写真・コメントを投稿した参加者には抽選で30人に「北海道の海の幸セット」が当たる。たべれぽ応募期間は11月1日~12月7日。
釧路市東部漁協の第三十三圭丸と第十二冴丸の2隻は、今秋から兼業する各漁業の合間を縫い一本釣漁を開始した。狙いはソイ類などの根魚中心。神経じめを施し、鮮度保持効果の高い窒素氷を用いて荷造り。道内外各市場の需要を見て魚種ごとに出荷先を決めている。第三十三圭丸の司口圭哉さんは「魚体に傷が付かず品質の高い魚を出荷できるのが利点」と強調する。
岩手県発の国産サバの洋風缶詰シリーズ「サヴァ缶」の累計販売数が1千万個を突破した。東日本大震災で被災した加工業者らを支援しようと8年前に販売を始めた缶詰は、オリーブオイルやパプリカチリソースなど珍しい味付けとカラフルな外装が「おしゃれ」と話題を呼び、今や岩手を代表する商品となった。「サヴァ」はフランス語で「元気」を意味し、「岩手から元気を!」と盛り上げに一層力を入れる。
北海道太平洋沿岸で赤潮が発生し、秋サケやウニの大量へい死など漁業被害に見舞われている事態に対し、鈴木直道道知事や川崎一好道漁連会長、沿岸地域の市町長らが12日、農林水産省を訪れ、金子原二郎農水大臣、中村裕之・武部新両農水副大臣らに緊急要請を行った。鈴木知事は未曾有の事態に直面していることを訴え「オール北海道で参上した」と強調。国に対して、赤潮発生の原因究明や漁場回復までの漁業者への支援など持続可能な漁業経営に向けた対策を求めた。
持続的な漁業に取り組む協議会のOcean to Table Councilは、都内の鮮魚店サカナバッカ2店舗で漁獲証明書を表示できる商材の販売実証事業「江戸前フィッシュパスポートフェア」を行っている。東京湾で水揚げされたスズキに操業した航路、水揚げ後の流通経路などを表示できるQRコードを記載している。
鵡川漁協(小谷地好輝組合長)が9月に開設した直営店「いちうろこ」が好評だ。ホッキやカレイ類など前浜産の水産物をお手頃な“漁協価格”で提供。店内は職員の明るい掛け声が飛び交い活気付いている。町内外から次々とお客が訪れており、同漁協の小定雅之専務は「想定以上の売れ行きで推移している」と手応えをつかむ。年内にはSNSを通じ商品を購入できる「バーチャル店舗」の機能を実装。来店が難しい全国の消費者に、その日店頭に並ぶ魚介類を届ける。
東京・豊洲市場のウニ消流は、海外の需要が強く、北方四島、北海道、北米など全てで相場が例年より長期にわたって高止まりしている。さらに年末需要期に向け、北海道太平洋沿岸での赤潮が原因とみられるウニの大量へい死など強含みの要素が加わり、市場関係者は晩秋以降の価格形成を警戒している。