岩手県はこのほど、県漁連など6団体と連携し水産業再生に向けた取り組みの一層の“進化”“深化”を図る「不漁に打ち勝つ! シン・岩手県水産業リボーン宣言」を打ち出し、9日、盛岡市内で宣言式を行った。資源回復や高水温に強い養殖種の技術開発などに取り組んできた2022年の宣言をバージョンアップ、藻場再生や海業を新たな項目として加えた。環境変化に立ち向かい、漁業者の所得向上や漁村活性化などにつなげる。
宮城県のイサダ(ツノナシオキアミ)漁は2日から今漁期が開幕した。10日まで4回出漁、水揚げ地の気仙沼・南三陸町・女川の3市場には合わせて461トンが水揚げされている(県の速報値より)。2年ぶりに漁が解禁された昨年の同期を7%ほど上回っているが、船頭らによると全体的に群れは薄く、開幕直後にシケが続いたこともあり手応えは感じていないようだ。キロ単価は100~80円の間で推移している。
オホーツク海沿岸の漁場造成が始まった。北部の枝幸が6日、南部の沙留、紋別が9日にスタート。紋別は日産100トン台の水揚げ。一方で歩留まりは、各地例年より低いもようだ。北部は宗谷(20隻)が600トン計画で16日の開始予定。猿払村(32隻)は毛ガニ船を除く25隻で同じく16日から。頓別(19隻)は300トン計画で15日の開始予定。
北るもい漁協(佐藤満組合長)は、初山別支所の水産物加工処理施設をHACCP準拠に改修した。天井・壁・床など各所に加え、原料と製品の交差がない作業動線や異物混入リスクを防ぐ施設構造に改善。併せて適切な温湿度管理ができる空調設備の導入で主力・タコ加工品の安定供給に向け、通年製造体制を整えた。2021年に竣工した隣接の鮮度保持施設(冷凍冷蔵施設)との連動で「ダコ」のブランド力向上、製造量・販売量の拡大を図り、漁業者の所得安定につなげていく。
第68回全国水産加工たべもの展(運営委員会主催)の品評会(最終審査)がこのほど行われ、加工昆布部門では、大賞にあたる農林水産大臣賞に、敦賀昆布㈱(福井県敦賀市、森田貴之社長)の手すき製品「極みの逸品 おぼろ月夜」が選ばれた。同社は前回(2024年開催)の「現代の名工 竹紙昆布」に続く同賞受賞。受賞商品の表彰式・祝賀会は3月25日、大阪キャッスルホテルで行われる。出品数は4部門合計で前回より12品多い824品(水産ねり製品122品、水産物つくだ煮249品、加工昆布248品、削り節205品)。
日高中央漁協荻伏地区のカレイ刺網漁は、毎年12月から1月にかけて荻伏沖を中心に海獣類による深刻な漁業被害が続いている。昨年12月には日本鯨類研究所や水産庁、日高振興局などの協力を得て、漁場周辺の集音や写真撮影などの実態調査を行った。
いぶり噴火湾漁協の有珠支所で採介藻に着業する中野龍一さん、智子(のりこ)さん夫妻は、「どの海藻も相当減っている」と表情を曇らせ、海藻類の着生が年々縮小している現状に危機感を強めている。毎年 12月から春先にかけ、有珠地区のアルトリ岬沿岸ではマツモ、フノリ、ワカメ、ギンナンソウなどさまざまな海藻を採取する。ところてんの原料となるテングサは昨年から採取できた。現在は乾燥作業を進めており、智子さんは「水に漬けては天日干しを繰り返し白くなるまで乾燥させる」と説明。作業は4月末までかかると言い「手間をかけただけ良い製品に仕上がる」と笑顔で話す。
一般社団法人北海道水産物荷主協会は10日、札幌市の京王プラザホテル札幌で「第62回全国水産物大手荷受・荷主取引懇談会」を開いた。約210人が出席。同日の定時総会で新役員体制が発足。海洋環境の変化による主要魚種の漁獲低迷や魚種変動、国際紛争の多発や円安によるエネルギー、原材料の高騰などの難局に対峙し、道産水産物の需要拡大、価値向上、安定供給などの使命を果たすべく一層の連携を確認した。
三陸沿岸に甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から11日で15年となる。漁港施設など物的な復興の歩みが進む一方、浜では担い手不足や海洋環境の変化など新たな課題も顕在化している。水産庁が実施したアンケート結果では青森から千葉までの6県で、売り上げが震災前の8割まで回復した水産加工業者は全体で5割にとどまっている。被災地の浜では、犠牲になった方々を悼みながら、多くの水産関係者が尽力しつないできた“復興のバトン”を次の世代に渡そうと、漁業者や加工業者らが今なお奮闘を続けている。
海水温上昇など近年の海洋変化によりワカメなど海藻類の養殖生産が厳しさを増している状況を受け、理研食品株式会社(宮城県多賀城市)、北里大学海洋生命科学部(神奈川県相模原市)、岩手県水産技術センター(釜石市)の3者が「海藻類の研究推進に係る産学官連携協定」を結び、2日、同センターで締結式を行った。優良品種の育種、地域系統種(地種)の保全など研究を進め、養殖現場への実装、藻場造成への活用を目指す。