釧路市東部漁協のホッキは、今季から1隻増の6隻体制となり、全体の供給量が増えたことで3隻が地方送りを強化、販路拡大に注力している。発泡に貼る独自シールも作成し、船ごとに色分け。船名を売り込むとともに、責任出荷で品質の安定・向上につなげていく。
宮城県漁協七ケ浜支所(七ケ浜町、運営委員長・寺沢春彦県漁協組合長)が、第7回グッド・アクションアワードの「Cheer up賞」を受賞した。東日本大震災後、ノリ養殖の協業化を推進。早期の事業再建を後押ししただけでなく、収益拡大や後継者育成などにつなげていることが評価された。寺沢運営委員長は「協業化実現は丁寧な対話のたまもの。担い手不足解消の参考になれば」と喜ぶ。
JF全漁連と水産庁はこのほど、2020年度「浜の活力再生プラン」優良事例表彰を実施した。古平町・積丹町地区水産業再生委員会(積丹町分会)が水産庁長官賞を受賞、ウニの安定生産への取り組みやウニ殻を活用した循環型のコンブ増養殖、ブリのブランド化への取り組みが評価された。
オホーツク海沿岸の毛ガニ漁が16日の宗谷管内を皮切りに開幕した。今季は同管内の許容漁獲量が396トン増の700トンに増枠となり、供給増が見込まれる。一方、消流環境はコロナ禍の収束がまだ見えず、特に観光土産や飲食店の需要が不透明。初日は枝幸の大中がキロ6130~4589円、小が4555~3500円と昨年より安値発進。贈答用などのニーズで大中は高値圏の相場形成が続く見通しだが、昨年在庫が残った小の価格形成が焦点となる。
道総研中央水産試験場と北大理学研究院は、冷凍ウニの新製法を開発した。糖と水溶性食物繊維の混合液に浸漬し液ごと凍結。試験では解凍後の身崩れや食感の低下がなく、生ウニの品質を保持。マイナス25度以下の通常の冷凍庫で製造できるのも利点。実用化に向けて製造現場で実施可能な製造工程の確立へ浸漬液の調整方法など改良を進めている。
岩手県宮古市の宮古漁協(組合長・大井誠治県漁連会長)は18日、海面養殖している「宮古トラウトサーモン」の今季出荷を始めた。市魚市場に活じめした3.3トン(1963尾)を上場し、最高値はキロ1450円。2季目を迎えた実証試験は好スタートを切った。秋サケなど主力魚種の水揚げ不振が近年続くなか、新たな地域ブランド創出に期待が高まる。100トンを目標に7月中旬まで週1回のペースで水揚げし、県内外への流通を図る。
新星マリン漁協の佐賀友三指導漁業士、米倉亮徳青年漁業士が留萌市などと連携し、地元の魚を使った漁師オリジナルの調理方法をYouTube動画で配信し始めた。その名も「食卓に魚を」応援隊。カスベの煮付け、マダラ・カジカの三平汁、カジカ卵のしょうゆ漬けなど、漁師目線の調理方法や味付けを分かりやすく紹介している。魚離れが叫ばれる昨今、魚食普及と安価魚の付加価値向上を目指し、漁業士2人の挑戦が始まった。
雑貨や食品を扱う「無印良品」を展開する株式会社良品計画(東京都)は4日、千葉県鴨川市と東安房漁協(千葉県南房総市)との間に、地域社会の発展や地域経済の活性化を目指した連携協定を締結した。水産物の販路拡大や新規漁業従事者の獲得などに取り組んでいく。
西日本最大級の食材見本市、「第18回シーフードショー大阪」(大日本水産会主催)が17~18日、大阪市住之江区のATCホール(アジア太平洋トレードセンター内)で開催される。出展者予定は300社(360小間)。新型コロナによる2度目の緊急事態宣言で、再び減退している水産物需要の底上げと販路回復の機会にする。
世界の養殖生産量は過去20年間で約4倍に拡大し、今後もアジアを中心に成長が見込まれている。一方、日本国内も回遊型魚類の資源低迷などから存在感が増している。特に回転ずしなどで人気のマグロやサーモンが脚光を浴びて、サーモンは養殖後進地の北海道、岩手県でも事業化を視野に入れた取り組みが進行している。増殖事業を含め技術・資機材の開発動向などの一端を紹介する。