オホーツク海沿岸の6月末水揚量は、春先の漁場造成を含め前年同期比11%増10万8370トンと好ペースだ。計画達成率は35%。宗谷、猿払村、枝幸、紋別、湧別、常呂の6単協が1万トンを超え12単協中10単協が前年を上回っている。日産は宗谷、猿払村、常呂が400トン台、枝幸、紋別、湧別が300トン台。6月の歩留まりは12~13%前後、組成は3S中心でどちらも昨年より向上。浜値はキロ200円以上を付けている。
函館のスルメイカ釣漁は今年も不漁の出足となった。函館市場の6月単月の取扱数量(鮮)は、低調だった前年同月の6割に低迷、記録が残る2005年以降で2番目に少なかった。着業者は「どの漁場もイカがいない」「油代も獲れない」と嘆き、海況が良くても出漁を見合わせる船もある。
一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(FJ、宮城県石巻市、阿部勝太代表理事)は4日、静岡県西伊豆町で、地域と継続的に関わる釣り人(ANGLER)を増やすプロジェクト「西伊豆&ANGLER」を始動した。漁業者不足を要因とした漁獲量減少の解消と、地域活性化の橋渡し役となる「関係人口」の創出を目的とした新たな試み。「釣りを複業にできる町」を一つのゴールに掲げ、現地体験ツアーや意見交換会を企画していく。
宮城県漁協は6月30日、塩釜総合支所で通常総代会を開き、2022年度決算報告や23年度事業計画などを承認した。22年度は乾のりやギンザケなど主要5品目全てが好調で、販売事業の受託販売取扱高が前年度比37%増の357億6652万円と東日本大震災以降で最高だった。東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に「反対であることはいささかも変わらない」とする特別決議も全会一致で採択した。
4日付で就任した水産庁の森健長官と魚谷敏紀資源管理部長、坂康之増殖推進部長らは同日会見し、今後の方針や抱負を語った。激変する漁業環境にあって課題が山積する中での新体制スタート。「浜の資源を有効活用して活性化し、もうかる漁業を作りあげていく」と語り、漁業者の所得が向上し、加工・流通業者が円滑に事業を行えるよう、各施策に取り組んでいく。
東京都・豊洲市場の北海道産いくら消流は、一部のブランド品を除き引き合いが鈍い。飲食需要が乏しい夏枯れ時期の販売は厳しく、期待されていたインバウンド消費も肩透かし。荷主や荷受は高単価となった昨年産の在庫を抱え、「各社とも価格を下げなければならない状況。中には投げ売りするメーカーもある」と明かす。
いぶり噴火湾漁協のカレイ刺網着業者は、数量が伸びず浜安の状況に頭を抱えている。オオズワイガニの大量発生で沖側の投網を避け、オカでマガレイ中心に水揚げしていたが「毎回100キロにも満たずキロ100円程度まで下がった。油代にもならない」と困惑する。
日高中央漁協浦河地区でコンブ漁に着業する佐藤利明さんら2人が、浦河港内でウニ採漁を実施している。特別採捕許可での操業で、アイナメ漁の角かごを利活用し港内に約10カ所設置。主にかごに入ったエゾバフンウニを水揚げし、出荷先である漁協営業部が塩水パックに仕立てている。
近年低水準の供給量、高単価が続き、売り場が縮小していた情勢下、北海道が高値水準で前年比65%増の約7万9千トンに大幅増産となった昨年産の秋サケ。消流動向は、いくら製品、親製品の通年商材とも荷動きが低調に推移し、相場が下方修正されるなど一変している。加えて物流・加工能力の低下で日量2千トン以上の水揚げが続くと処理が追い付かず、浜値形成に影響を及ぼす状況。今期を含め水揚げの回復傾向を受け、国内外の売り場と原魚処理体制の再構築が必須課題に挙がっている。
道漁連は6日、道昆布事業協同組合の総会で、本年度の道内コンブ生産予想を1万2600トンと発表した。過去最低だった昨年度実績(1万970トン)を15%上回るものの、過去10年平均(1万4236トン)比では11%減で、今季も低水準の生産となる見込み。