枝幸町の(有)丸二永光水産(永澤二郎社長、電話0163・62・3022)は今季、ホタテ玉冷の製造ラインに新システムを導入した。海水中の貝柱(生玉)に適応した樋(とい)搬送式のエックス線検査機で、玉冷段階に比べ高鮮度・高感度に異物を検出できる。異物混入対策の強化で製品の高品質化を追求。併せて従来洗浄後に人手で実施していた検品作業の省人化が可能となり、生産性の向上につなげている。
根室湾中部漁協のアサリ漁は数量・価格とも前年を上回るなど堅調に推移している。11月上旬は養殖漁場で操業、浜値は大サイズがキロ700円程度と好値に付いている。
サンマ棒受網漁は10月下旬ごろに各港合計での日量が千トン超とまとまった。ただ、過去最低水準の漁模様で推移しており、主産地である根室では減産に頭を痛める漁業者とともに、水産会社も原料の仕入れに苦慮している。水揚げされたサンマは全体的に細いものの、浜値がキロ400円程度とこの時期でも生鮮相場。現地では冷凍に仕向ける動きが進む。
道東沖の巻網漁が10月末で終漁、主力のマイワシは水揚げが前年比14%増の24万8307トンに達し、2年連続で20万トンを超えた。TAC(25万トン)はほぼ消化。金額も11%増の77億872万円に伸ばした。漁期を通し小型主体の組成で大半がミール向け。キロ平均単価は3%安の31円だった。
陸奥湾西湾のアイナメかご着業者は、かごの周りをスギの枝で覆い、カムフラージュすることで水揚げを伸ばしている。蓬田村漁協の久慈孝弘さん(光洋丸)は「いろいろ試した結果、スギの葉が一番入る」と話す。
オホーツク沿岸の10月末水揚量は、北部・南部合わせ29万8420トンとなった。計画達成率は96%。宗谷、猿払村、常呂漁協が4万トン台、枝幸、紋別漁協が3万トン台に伸長。網走漁協は108%の達成率で10月末に終漁した。歩留まりは全域的に9%前後まで下がり、アソートは5S、6S主体、浜値はキロ100円を切る浜が増えている。
日本海など終漁地区も出て昨年に続く4万トン台の凶漁が見えてきた北海道の秋サケ定置。今季は日本海、オホーツクの中・西部が健闘した一方、知床半島周辺、太平洋、根室などが振るわず、明暗が大きく分かれている。特に根室は昨年比6割と、全道で最大の減少幅を示す状況下、親魚確保の状況に応じて今週から早期切り上げに向かう。
冨士電球工業㈱(東京都、天野詔次郎社長)はメタルハライドランプ(メタハラ)集魚灯「ハイパーMAX」シリーズに3タイプの新色を加えた。これまでオリジナル光色のみだったが、より澄み切った白、黄、緑を追加。集魚灯の光色は古くから地区や季節、ユーザーの嗜好(しこう)など千差万別だが、この追加色を組み合わせることで好みの光色を導き出せるようになった。開発時、試用モニターに協力したイカ釣り船から多くのアドバイスを受け、改良を重ねて商品化した。「理想の光色に近づき、漁獲量が増えた」と満足の声が届いている。
岩手県の久慈市漁協(皀健一郎組合長)が取り組む、久慈湾のギンザケ養殖試験の3季目が始まった。試験最終年度の今季は事業化がいよいよ視野に入る。いけすを1基増設し、来年8月中旬までに約200トンの水揚げを目指す。海水のシャーベット氷でしめた鮮度の良さと、水揚げ期間の長さが「久慈ギンザケ」の武器。産地化に向けた取り組みを加速させる。
ニチモウ(株)(東京都、松本和明社長)は漁業者の声を反映した防風インナーを開発した。防水・防風機能に加え、蒸れない、快適といった機能性を持つフィルムをほぼ全身に搭載、冷気を効率よくシャットアウトする。昨シーズンに着用した漁業者は「暖かい。今シーズンも使いたい」と太鼓判。これから寒さが厳しくなる冬場の漁労作業には欠かせない、必須のアイテムとなりそうだ。