日高管内の一部の浜では、シーズンオフの干場にシートを被せて保護している。風によってバラス(玉砂利)の上に砂が堆積するのを防ぐ。浦河地区の高桑陵さんはブルーシートの隙間からも砂が浸入しないよう風向きを考慮した敷き方に工夫。加えて通常のシートより耐久性に優れるUVタイプを使用、劣化による異物混入防止にも配慮する。
渡島噴火湾では6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)とも耳づり作業の最盛期に入った。地区や産地によって成育状況は異なるものの、大半の着業者は「変形貝が少なく昨年より成長している」と好感触。5月中の終了を見込んでいる。
東しゃこたん漁協の佐藤正樹副組合長は道総研中央水産試験場と手を携え、積丹町神威岬近くで岩ノリ(ウップルイノリ)の増殖事業を推進している。佐藤副組合長は「今年の繁茂状況が一番だった」と話す。
日本熱源システム株式会社(東京都、原田克彦社長)は、二酸化炭素(CO2)単一冷媒を採用した冷凍機を開発し、「スーパーグリーン」シリーズとして製品化している。地球温暖化防止など国際的な枠組みでフロン対策が求められている中、フロンガス規制にかからない、未来にわたって使用できる環境冷媒として提案する。その上で省エネ性でも競合品を凌ぐシステムとして導入を推進している。
冷凍技術「イータマックスシステム」で知られる中山エンジニヤリング株式会社(埼玉県川口市、中山淳也社長)は、二酸化炭素(CO2)のみを冷媒とし、極寒や猛暑といった苛酷な外部環境下でも安定的に運転する冷凍機を開発した。しかも、既存のシステムに比べて格段の省エネ効果が得られるという。北海道や東北、北関東では代理店を長年担う井戸冷機工業株式会社(北見市、井戸仁志社長)が販売、施工する。地元・北見での検証でも問題なく稼働し、成果が得られた。開発と販売の最高タッグで、発想を変えた新たな冷凍システムとして本格展開する。
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で被災した水産加工業者のうち、「売り上げが震災前の8割以上に回復した」と答えた福島県の事業者は21%(前年度比7ポイント減)と低い水準にとどまることが水産庁の2020年度のアンケートで分かった。宮城県は57%(同1ポイント増)、岩手県は51%(同7ポイント増)と回復基調にあるものの、被災3県の販路が依然広がっていない実態が明らかになった。
不漁が続く三陸のイサダ(ツノナシオキアミ)漁が予定の漁期を待たずに終了した。漁業情報サービスセンター(JAFIC)によると岩手、宮城両県の今季水揚量は計4112トン(前年比2.1倍)。2年連続の不漁に伴う在庫薄を反映し、1キロ当たりの平均単価は231円(同2.4倍)と高騰した。
イサダは養殖魚や釣りの餌となるほか、健康維持効果のある成分を含むことからサプリメントの原料にも使われるなど近年需要が拡大している。
標津漁協の小定置や底建網でニシンが好漁だ。例年より10日程度早く4月上旬に乗網し、14日現在で1658トンと、昨年の総漁獲量の6割を超えた。今年から魚価向上に本腰を入れ、漁業者によるオスとメスの選別も一部実施。浜値が上昇し、金額は7810万円と昨年累計の5975万円を3割上回っている。
羅臼漁協のバフンウニたも採漁は3月の操業日数が伸び、数量・金額は昨年を上回るペースで推移している。うに漁業部会の濱田久吉部会長は「餌となるコンブなど海藻類の繁茂状況が芳しくなく身入りが悪い。それでも操業回数でカバーしている」と説明する。
名古屋大学や水産研究・教育機構、総合地球環境学研究所の研究者らによるグループは、仙台湾に生息するヒラメを検証し、生活履歴が異なる2つの集団が存在することを明らかにした。ヒラメの生活環の一端が解明されたことで資源保護に役立てていく。また、今回の分析手法を他魚種でも活用し、その生活史や行動、集団の構造解明への見通しも得られたとしている。