「東北復興水産加工品展示商談会2022」が13、14の両日、仙台市青葉区の仙台国際センター展示棟で開かれた。出展者は生鮮・冷凍や高次加工といった多彩な自社商品の魅力をバイヤーにアピール。セミナーや出展商品を使った料理実演なども繰り広げながら、東日本大震災で被災した三陸・常磐地域の水産加工業の販路拡大を図った。今年の展示商談会は対面とオンライン(ウェブ)のハイブリッド型でオンライン商談会は10月25日まで続く。参加バイヤーを追加募集中で、詳細は専用ホームページ(https://www.tohokusuisan.jp/)へ。
ベンチャー企業や大手企業の経営幹部が集うカンファレンス「ICC(インダストリー・コ・クリエーション)サミット KYOTO 2022」のコンテスト2部門で、株式会社北三陸ファクトリー(岩手県洋野町、下苧坪之典社長)が最高賞を獲得した。磯焼けの一因とされる痩せウニの身入り改善と藻場再生を目指す事業が高く評価された。ICCサミットは5~8日、「ともに学び、ともに産業を創る。」をコンセプトに京都市で開催。参加企業がプレゼン方式でビジネスモデルなどを競い、同社は「クラフテッド・カタパルト~豊かなライフスタイルの実現に向けて」と「フード&ドリンクアワード」の2つの賞を受賞した。同社は2018年創業。本州一のウニ水揚量を誇る洋野町にFSSC22000認証取得の工場を構え、海岸線に続く遠浅の平らな岩盤に掘られた溝で育つ4年物を「洋野うに牧場の四年うに」のブランドで販売している。つぼ抜きや殻付き、塩水漬けといった生うに、今回の受賞対象となった通年販売の加工品「UNI&岩手産バタースプレッド」を主力とする。
北斗市で水産資源の増殖や藻場造成のコンサルティング業務などを実施している株式会社銀世は自治体や漁協に対し、沿岸生態系保全事業を導入する際の橋渡し役として情報周知に力を入れている。
ナマコ増殖や藻場造成に取り組む矢口港湾建設ヤグチダイバー株式会社のグループ会社。銀世の對馬大勢ゼネラルマネジャー(GM)は、「矢口港湾建設ヤグチダイバーが磯焼け対策に携わる木古内町の釜谷漁港の事例などを映像に収めたPR用のDVDを製作している」と活動の一端を紹介する。
東京の豊洲市場の北海道産ブリ消流は、卸値が昨年よりキロ200~100円ほど高値に付いている。脂が乗りだしたものの、大口の量販店からの引き合いはまだ少ない。組成は3~5キロ台が中心で昨年より小さいものが目立つ。市場関係者は今後の水揚げ増加による価格の修正と身質の向上に期待している。
東京都世田谷区の百貨店・玉川高島屋は7~13日、地下催事会場で株式会社テクニカンの液体急速凍結機「凍眠」で凍らせた商品を販売する「凍眠フードフェア」を開催した。テクニカン直営の冷凍食品ショップ「TMIN FROZEN(トーミン フローズン)」の商品や人気デパ地下商品を冷凍品で販売。売り場には「凍眠」の小型機の新機種も披露。コロナ禍などで注目を集めている冷凍食品について、より身近に感じさせる催事企画を展開した。
日本経済調査協議会(日経調)の第3次水産業改革委員会は、日本の漁業・水産業を回復させ、豊かな海洋資源を守るための具体的な方策に向けた中間提言をこのほど取りまとめた。改正漁業法に基づく水産政策では「不十分」と指摘し、制度やシステムの改善など5項目を示している。中間提言は①海洋水産資源/海洋生態系を無主物から国民共有の財産へ②データの質と量の向上、科学的根拠に基づくTAC設定。オブザーバー制度と監視取締り、罰則の強化③漁業権を許可制へ、物権を営業権へ④資源に見合った漁業経営、大中小漁業者グループITQ(個別譲渡可能割当)とオンラインでの枠の移行⑤非持続的漁業補助金の段階的廃止と予算のイノベーションなどへの振り向け、自立した漁業・水産業の確立─の5項目をまとめた。
北海道の秋サケ定置はオス、メスとも全面高でスタートした。特に卵需要のメスは出足から昨年比3~4割高に上昇。サンマが不調下、旬の生鮮需要も絡んでおり、通年商材の価格設定は今後の漁況次第だが、在庫薄、海外産の高騰、低来遊予測など上振れ要素をはらんだ生産環境。売り場堅持、消流安定への適正価格の形成が焦点になる。
道漁連は、本年度の道内コンブ生産見込みを1万2060トンとした。8月末時点の集計で、6月末に示した当初見込みから540トン下方修正。過去最低だった昨年度実績(1万2816トン)を5.9%下回り、4年連続で1万2千トン台となる低水準の生産が続く見通し。2012~21年の過去10カ年平均(1万5016トン)と比べると19.7%下回る。
サロマ湖内の養殖は、3単協(常呂、佐呂間、湧別漁協)とも稚貝分散や耳づり、成貝出荷と、各自のペースで作業が進んでいる。稚貝はやや小ぶりだが必要量は確保し本分散をスタート。分散前後に行う耳づりも成育状況は良好だ。成貝出荷は大半がピークを過ぎ終盤を迎えている。
宮城県水産技術総合センター(石巻市)は7日、2022年度の県内秋サケ来遊数が6万7千尾になるとの予測を公表した。前年度実績の1.8倍だが、記録的な不漁傾向を踏まえ、予測値を下回る可能性があるとの見通しも示した。