オホーツク海沿岸の11月末水揚量は、前年同期比2%減の32万1562トン。同月後半に枝幸、雄武、沙留、紋別、網走漁協が操業を終え、湧別、佐呂間、常呂を除く9単協が終漁した。紋別は4万トンを超え過去2番目の水揚げ、雄武は2万2千トン台に伸ばし過去最高。常呂も4万トンを超えた。
根室湾中部漁協の養殖カキは冬の出荷が始まったが、身入りは着業者間でばらつきがある状況。へい死も発生し昨年を大幅に下回る生産を見込む漁家もある。
岩手県産アワビの2022年度第1期(11月分)水揚量は前年同期比33.7%減の34.4トンにとどまった。事前入札会で示された予定数量と比べると72.3%減。近年では餌の海藻類が豊富で身入りは良かったが、依然として個体数の減少傾向が続く。2~3月に冷水が停滞した影響でコンブの繁茂が比較的良く好漁が期待されたが、個体数は東日本大震災の津波による稚貝の流出や放流数の減少、磯焼けの深刻化などで回復していないとみられる。県によると、藻場面積は震災前の3280ヘクタールから1446服タール(20年)に半減している。
日本水産株式会社は1日、「株式会社ニッスイ(英文:Nissui Corporation)」に社名変更(商号変更)した。新たなミッションのもと世界中のニッスイグループ企業とともに「食」の新たな可能性を追求するにあたり、水産という特定の事業を表現した商号から、長年消費者に育んでもらった呼称である“ニッスイ”を新商号とした。
鮮魚介類・水産加工品販売を手掛ける森町砂原の魚匠株式会社ハマグチ(濱口聡社長、電話01374・8・4522)は、前浜で水揚げされる良質なオオズワイガニを「北森」(ほくしん)と名付け、今年9月からブランド展開している。東京・豊洲市場では「身入りも味も良く日本海のズワイガニに引けを取らない」と評価が高い。
毛ガニは北海道産が依然2千トン割れの供給水準ながら2年連続の増産となっている。浜値は増枠の主産地・オホーツク海が前年比1割安。一方、消流は一部サイズで昨年産の在庫を抱え、冷凍品の荷動きが低調。タラバ、ズワイの下落が波及し、相場も不透明感が漂っており、年末需要期の消費動向が行方を握っている。
噴火湾のエビかごは、春漁に続き秋漁も不振を極め終漁した。好漁場が湾中央部の一角に限られ、着業した砂原・森・落部漁協の40~50隻のうち、低水準ながらも数量がまとまったのは10隻程度だった。
秋のボタンエビ漁は9月1日~11月10日。序盤から低調な水揚げで始まり、混獲のオオズワイガニに頼らざるを得ない着業者が大半を占めた。
標津の若手漁師で組織する標津波心会(林強徳代表)は、活じめなど丁寧な扱いや加工品の製造など創意工夫を通じ、前浜での持続的な漁業を確立しようと日々奮闘する。2018年の活動開始以降、鮮魚店や飲食店などの評価と信頼を獲得。来年には波心会メンバーが共同で底建網を実施、スケソやコマイなどの商品化を目指す。
函館市漁協の函館サーモン養殖部会は11月下旬、トラウトサーモン(ニジマス)のブランド「函館サーモン」2期目の海面養殖を函館漁港で開始した。港内に設置したいけす3基に合計5千尾の幼魚を投入、2023年5月下旬から7月上旬の期間で約15トンの水揚げを目指す。
道南白口浜の一部で、養成綱に挟み込んだ促成種苗が損傷したり抜け落ちる被害が今年も発生している。被害が目立つ川汲地区ではホッケなどの食害が要因とみており、種を差し直して回復を図る着業者もいる。また、雑海藻が養成綱などに大量に付着し種苗の生育が芳しくない場所もある。