稚内漁協のタコ漁はいさりと箱中心に操業し、ミズダコを漁獲。年々減少傾向にあり、低調な水揚げが続いている。いさり漁を手掛ける岡田慎平タコ部会長(第十八海琉)は「昨年は個人的にまるっきり駄目」と強調。例年9月ごろに開始し「一日で100キロくらい獲れればいいかなといった漁況。獲れる量は年々確実に減っている」と減産傾向を実感する。声問地区の細川三照さん(第十八金龍丸)も「漁が少なく、型も小さい」と嘆く。5~6月前半、8月の盆明けから11月半ばまでの2回に分けて操業しており「10年くらい前は盆明けに獲れていたが、ここ数年は夏前の方がある」と説明。一方、タコ箱漁は抜海地区と声問地区が中心。抜海地区の津嶋信幸さん(第三十八海津丸)は息子で抜海地区タコ函部会長を務める幸海さんとナマコけた引漁(3月15日~4月末)がない時期に水揚げしており「最近は盛漁期がなく、タコが入らなくなった」と吐露する。
札幌市内で昆布巻き中心の専門店「札幌こんぶ屋」を営み、2023年に故郷のえりも町庶野地区に拠点を移し「昆布巻研究所」を開設した桑折廣幸さんは、「昆布を食べる後継者をつくる」を信条に昆布巻きを作り続け今年で50年の節目を迎えた。製造販売の傍ら昆布を通じた慈善活動や講演も精力的に行い「あっという間の50年だった」と回顧。「今後もできる限り続け商売より普及に重点を置いて昆布巻き文化を守っていきたい」と力を込める。
羅臼漁協で刺網を営む有限会社丸の野水産(野圭司代表)は、水揚げした魚を詰め合わせた「鮮魚ボックス」の直販が軌道に乗っている。低・未利用魚を中心に高級・大衆魚も扱い良質な魚だけを厳選。神経じめや活じめ(延髄切り)を施した鮮度の高さが売りで、産直ECサイトを通じて受注。道内外問わずリピーターが順調に増えるとともに、レビューの高評価が新規獲得にもつながり、昨年の売り上げは当初の3倍以上に伸長した。より珍しい魚だけを対象とした「へんな魚ボックス」も新たに展開するなど取り組みを深化させている。
海洋プラスチックごみの問題が深刻化し、その要因の一つとなっている漁網やロープなど使用済み漁具のリサイクルに取り組む動きが全国各地に広がっている。漁業者・漁協、廃棄物処理業者、製網会社、繊維会社、自治体などが連携。回収し、新たな漁網やロープ用原糸などへの再生、かばん・衣料品・文具・家具などへのアップサイクル、熱源利用といった展開が増えてきている。
使用済み漁網などのリサイクルを促進する団体「Re:ism(リズム、水産系プラスチック資材リサイクル推進協議会)」(会長・木下康太郎木下製網㈱社長)が発足した。これまでの「Team Re:ism(チーム・リズム)」の活動を大日本水産会が継承し、技術開発や消費者への認知向上も目的に、循環型社会の構築や環境負荷低減に注力する。「漁業者の協力なくして活動は成立しない。だからこそ負担をかけない取り組みにする」と大水の枝元真徹会長は語る。事業の展望を聞いた。
浜中漁協の養殖ウニは2025年度の取扱金額が前年度比17%増の4億2192万円(税抜き)と2年連続で過去最高額を更新した。数量は9%減36.2トン(殻付き出荷)で前年度を下回ったものの、キロ平均単価が28%高1万1655円に上昇。金額を押し上げた。浜中湾と琵琶瀬湾を養殖場に56軒が着業。円筒型養殖かごを使用し、1軒のし3本を上限にエゾバフンウニを稚ウニから出荷サイズまで育成している。出荷時期は例年9月から翌年5月まで。
岩手県山田町の三陸やまだ漁協(菊地敏克組合長)は13日、山田湾で手がける養殖トラウト「岩手三陸やまだオランダ島サーモン」の今季出荷を開始した。県内の海面養殖では一番早い開幕となる。初日のサイズは2キロを主体に1~2.5キロアップで計7.4トン(約3800尾)、全量入札販売で初値キロ平均1150円。事業化3年目、一層の増産を図るほか買受人と協力しブランド認知拡大に注力。一部に自家育成の稚魚も投入した。
水産研究・教育機構の理事長に1日付で就任した芳野正氏は8日、水産庁内で就任会見を実施した。初の民間出身の理事長となる芳野氏は「経営という言葉を意識して運営に臨みたい」と強調。求められる研究開発を推進し、社会実装を早期に実現する意欲を示した。人材育成や組織マネジメントの確立にも注力する。水産業界を取り巻く外部・内部環境が曲がり角に直面していると捉え、データを正確に把握した研究開発が求められていると認識する。施設の老朽化や予算の削減など機構の内部環境による課題も顕在化しているが「単なる壁ではなく、むしろ伸び代があるものと捉える。伸び代のある組織は変革によって大きく伸びていく」と意気込む。これまで機構が進めてきた組織内の統合など、シナジー効果が早期に現れることを期待する。
東京都・豊洲市場で北海道日本海産のミズダコを使った珍味が好評を得ている。寿都町の㈱吉崎水産が加工する「たこ珍」で、スライスして乾燥、素材の良さを生かした薄味仕立て。珍味仲卸業者が約1年前から取り扱いを始めて、居酒屋を中心にリピーターを獲得している。同仲卸では150グラム入り990円(税込み)で販売。メーカーの品名は「たこ珍」だが、顧客に分かりやすいよう「水たこチップス」の名称を追記。「食感は最初やや硬いが、口に入れるとすぐ軟らかくなり、タコ独特のもちもち感がある。薫製ではなく軽い味付けで仕上げているので食べ飽きしない」と評価する。
流氷の影響で出遅れた紋別漁協の毛ガニ漁は、のし1本当たり最高300キロと順調な水揚げ。主要漁場にはいまだ流氷が居座り、陸側と沙留、湧別境界付近での操業を強いられているが、神敏雄船団長は「出遅れた分を盛り返している」と好感触で、今後の挽回に期待している。浜値は中が高値を付けていたが、15日以降は大も上昇している。5隻が着業。3月23日にかご入れ、同月27日が初水揚げ。14日現在の漁獲量は14.7トンとなり、許容量(24.480トン)の60%を消化した。