ナンバンエビの加工販売で6次化に取り組む北るもい漁協所属の有限会社蝦名漁業部(羽幌町、蝦名弥代表、電話0164・68・7777)は、加工品製造後に副産物となる頭部のペースト化を確立した。えぐみのないエビ本来の風味が好評で、大手食品メーカーや札幌市内ラーメン店など卸販売先が拡大している。
国産水産物のおいしさを伝え、消費の拡大につなげることを目的にした「第10回Fish1グランプリ」(主催・国産水産物流通促進センター構成員 全漁連)が4日、東京・お台場で開かれた。終日快晴に恵まれ、人が賑わうお台場地区での会場も後押しとなり、多くの人が集まって魚食を楽しんでいた。
株式会社極洋の2024年度上半期決算(連結)は、売上高が前年同期比11.5%増の1405億円、営業利益は36.7%増の54億円、経常利益は28.3%増の53億円となり、売上高、営業利益は上期として過去最高を更新した。6日の決算説明会で井上誠社長は「売上高は通期の目標に対して多少のビハインド(達成率46.9%)はあるが、営業利益(同54.6%)、経常利益(同53.2%)は共に順調に推移している」と語り、通期目標の達成に向け「年末商戦はグループの総力を挙げて取り組む」と述べた。
成長を続ける青森県内有数の水産加工グループに新たな柱が加わった。陸奥湾ホタテ加工大手の株式会社マルイチ横浜(野辺地町、横濵充俊社長)が、定塩加工技術に定評のある株式会社ヤマヨ(八戸市、藤田和弘社長)と11月1日付で資本提携を締結。これによりマルイチ横浜グループは計6社となり、全体の売上高は150億円に達する見込み。天然資源の減少など厳しさが増す中、原材料の仕入れや販路の共有などスケールメリットを生かし、グループ各社の持続的発展につなげる構えだ。
ホタテ玉冷の海外輸出に拍車がかかっている。円安水準の為替相場、自国生産の減少、保水加工の輸入不足を背景に米国の買い付け姿勢が強いため。商社筋など荷受各社は「在庫が切れ産地も品薄で追加購入できず注文に応じられない」と声をそろえる。製品相場は米国主導の様相を呈しキロ3千円台後半まで高騰。量販店はじめ内販の末端売価も値上がりしており、年末商戦、さらにはその先の消流に警戒感が強まっている。
北海道の秋サケ定置網漁は10月30日で4万トン台に乗せ、漁期前予測並みの漁獲実績も見えてきた。全道の漁獲量をけん引してきたオホーツク・東部、根室・北部で10月終盤も漁が持続し上積み。ただ、今季は平成以降最低の記録的不漁に加え、来遊地域の一極集中、河川そ上の不調、魚体の小型化、成熟不良など資源の先行き不透明感が続いている。
胆振管内白老町が3カ年で取り組む閉鎖循環方式によるホッケの陸上養殖実証実験は、9月下旬から10月中旬まで4回の採卵作業を実施し、合計2万1千粒の受精卵を確保した。このうち1万粒をふ化させ、その後は直径1.5メート、深さ70センチの円柱1トンの種苗生産水槽1基に移し、4~5カ月後の体長8~10センチまで育て、本生産を開始する。
白糠漁協のシシャモ漁は、10月21日の初水揚げが全体で4トンを超え昨年を上回る出足を切った。ただ、翌日以降約1週間シケに阻まれ、2日目の操業となった30日は2トン弱と漁も減少。着業者は「シケが続き群れが散った感じ。海が落ち着かないと漁は見えないだろう」と今後の海況安定を願う。
減少していた湧別漁協のホッキが順調に回復している。昨年から中サイズの漁獲枠を50キロ増加しており、今年は日量150キロに拡大した。着業者は「こまいサイズも増えており(資源は)回復傾向にある」と捉えている。
東しゃこたん漁協の大定置網漁は、主体のブリが10月中旬から日量10トン以上のペースで水揚げ。今年は新たに鮮度保持技術として「胃洗浄」を試験導入し、ブランドブリ「鰤宝(しほう)」の高付加価値化に取り組んでいる。