道総研稚内、網走水産試験場が実施したオホーツク海の毛ガニ密度調査結果(速報値)によると、来年度漁獲対象の資源量指数は宗谷管内が昨年より減少、オホーツク管内は若干増加したものの依然低水準。新規加入資源も減少を示した。
東京都・豊洲市場の北海道産カスべ消流は、台風などの影響で東京湾や九州などの水揚げが魚種全般的に低調となり、飲食店などからスポット的にから揚げ商材の需要が出ている。卸値はキロ千円と普段通り。1箱6キロで4~5個が多い。仲卸業者は「この2カ月で4~5回しか売り場で見ていないので、入荷量はそれほど多くない」と話す。
岩手県産養殖干し(本干し)コンブの今季初入札会が4日、宮古市の県漁連北部支所で開かれた。販売数量は前年同期比36%減の158トン。減産がほぼ確定する中、品質はおおむね良好で棒の落札価格は2割ほど上昇した。
水産加工の株式会社ケーエスフーズ(宮城県南三陸町、社長・田畑正人株式会社カネタ・ツーワン社長、電話0226・46・8111)がギンザケの陸上養殖に乗り出した。既設の養殖場に大型水槽を設け、地下水(淡水)をかけ流しで使用。成育は順調で、試験初年度の今季は10月までに4トン(2千尾)の出荷を計画する。早ければ来春にも事業化する方針で、生鮮の海面養殖物が出回らない秋場の需要を取り込み、新たな収入源としたい考えだ。
道東沖のマイワシ棒受網漁は、近年同様にサイズの小型化に見舞われている。拠点港の花咲港で荷揚げする中型船(50トン未満)の漁労長は「日量は例年並みだが、最近はサイズが小さくなった」と資源動向を注視。根室の水産会社は「年々サイズが小ぶりになっている。生鮮出荷はもちろん、加工向けにも扱いにくい」と嘆き、商戦展開に苦慮している。
道総研釧路水産試験場は、道東沖で棒受網漁などの中・小型漁船が水揚げするマイワシの高鮮度流通モデルを確立した。漁獲から消費地まで一貫して魚体温度を凍結点(マイナス1.3度)付近に保冷管理するのが要点。その起点となる沖から陸揚げまで船倉内の温度管理では漁獲量に応じ、氷の必要量の目安が分かる計算式も開発した。実証試験では漁獲から3日後でもK値(ATPの分解の割合)を10%以下の高鮮度に保持。技術マニュアルを作成し、漁業者、漁協などに普及を進めていく。
サンマ商戦も水揚げが不安定のため、売り場作りや収益確保に苦労が続いている。多くの店舗が昨年も充分な量販や販促ができず、消費者の購買意欲を高められないまま季節の商材には程遠い状態でシーズンが終了。秋の味覚の“主役”不在が久しく続き、各社のバイヤーは消費離れに危機感を募らせている。首都圏全般に展開している大手量販店では、「昨年も水揚げが単発で本格的に売り出せたのは9月に入ってから。ただ、期間を通してサイズ、脂質ともに魅力を欠いた魚体だったため、見せ場を作れぬまま商戦は終了した」と説明する。
首都圏・小売りのマイワシ商戦は近年、訴求に力を入れていた道東産の売り込みが小型化などで苦戦している。東京都や神奈川県中心に展開する量販店では、2010年代の後半数年にわたって6月下旬に道東マイワシの販促フェアを展開してきたが、以降の年は期間中に漁がまとまらず、実施を断念している。近海産と比較して身が太り、脂質も多いのが道東産の訴求ポイントだった。首都圏の消費者にも充分なインパクトを与え、好評を得ていたが、バイヤーは「ここ数年は小ぶりが続いている。今年も小ぶりで脂質も少なく、生鮮向けではない。かつてほどの魚体に戻ってほしい」と願っている。
留萌管内で稚貝の仮分散が始まった。当初の予想通り採苗器の付着量が低水準のため丁寧に作業を進めている。開始後数日の状況で「稚貝の成長は進んでいるが下のサイズが少ない」と着業者。それでも「なんとか足りそう」と気を引き締めつつ、水温も上昇しているため、より慎重な分散を心掛けている。
礼文島の天然コンブは全般的に繁茂状況が良く、自由操業による採取が進んでいる。着業者は「質の良いコンブを選んで採っている」「資源的にまだまだ採れる」などと話し、今後のナギと好天を願うとともに水揚げの上積みに力を込める。