札幌市の一和鮮魚店(木島和哉代表、電話011・214・1136)は、鮮度や使い勝手など商品力に加え、対面販売ならではの遊び心を持った接客サービスも追求している。特に魚食文化の継承、鮮魚小売り業界の活況を目指し、若い世代へのアプローチを重視。写真共有アプリ「インスタグラム」を駆使し顧客をつかんでいる。
道機船連(風無成一会長)が主要魚種・スケソ、ホッケの付加価値向上・消費拡大策で取り組む学校給食製品供給事業が昨年は152万食を超え、初の100万食に到達した2019年の過去最高を大幅に更新した。
日本最北の宗谷岬に宗谷漁協(奈良満組合長、316人)の新事務所がこのほど竣工した。組合員が一堂に集合できる大会議室を設けたほか、地域活動にも開放する多目的ホールには食堂を併設し女性部などの活動拠点を確保。またブラックアウト対策として自家発電装置を整備し有事に備えた。2007年の建設費積立承認から15年の歳月を経て、まさに地域の核となる新施設が誕生。2月1日から完全供用を開始している。
公益財団法人海と渚環境美化・油濁対策機構は、天然植物由来の「ポリ乳酸」を使った漁具の開発に取り組んでいる。カキの養殖に使用する「パイプ」に焦点を当て、海鳥やクジラが食べても胃の中で消化し、しかも海中で一定の年数が経過すればバクテリアにより分解されるパイプの開発に着手。漁具としての高い性能と、海洋環境に優しい性質を備えた“二刀流”の機能を目指している。
マルハニチロ株式会社は北米スケソ事業を強化する。北米事業を統括管理する子会社が現地企業からスケソの加工施設や漁獲枠付き漁船などの資産を譲り受けたもので、資源アクセスが有利に働くようになる。マルハニチログループは北米での鮭鱒加工事業から撤退していたが、今後はスケソをグループ北米事業の主体と位置づけ、経営資源を集約させる。
岩手県陸前高田市の「広田湾産イシカゲ貝」が農林水産省の「地理的表示(GI)保護制度」に登録された。全国で唯一、大規模に養殖されている高級二枚貝。出荷・販売の際に専用のGIマークを使うことができる。模倣品の排除による品質担保などが図られ、販路拡大も期待される。
海藻加工・販売の有限会社ムラカミ(宮城県気仙沼市、村上健社長、電話0226・27・2077)の乾燥ワカメ商品が評判だ。三陸産を用い、地元のさまざまな素材も生かす。便利さだけでなく味わいの良さも高めることで、消費者のニーズをつかむ。手作業が織りなす付加価値の魅力も発信する。
ひやま漁協のスケソ延縄漁は操業隻数の減少や不安定な海況のため、累計の水揚量が低調な水準で推移している。1月28日現在の数量は前年同期比30%減の216トン。1月下旬から2月9日までシケの影響で休漁を余儀なくされ、桧山すけとうだら延縄漁業協議会会長の松﨑敏文副組合長は「資源量は十分だが、シケに阻まれている」と話す。
北海道の毛ガニは今年、低水準ながら2年連続の増産見通しだ。操業中の釧路、日高の太平洋側は許容漁獲量が減枠の一方、3月に開幕する主産地・オホーツク海が宗谷海域を主体に昨年より3割増枠の方向で、千トン台に回復する見込み。消流は昨年産の冷凍在庫が一部サイズで残り、価格形成は下方修正の様相だが、ズワイ、タラバの品薄高騰による代替需要の動きなどが焦点になる。
国の枠を越えて環境問題解決に向けた認識の共有、行動計画への合意が行われ、グローバル規模で消費者の環境に対する意識が前進しており、包装産業もこの動きの渦中にある。保存性や利便性といった機能面についても業界各社が担う役割は拡大している。