昆布森漁協青年部(能登崇部長)が試験養殖に取り組むトロロコンブは、飲食店などでの活用が徐々に広がりをみせている。青年部加工のボイル刻み製品は、飲食店がそばや丼などに使いメニュー化。ラーメン関係者も活用に興味を示す。乾燥品を使った海鮮ふりかけも販売されており、消費者への浸透と知名度向上が期待されている。
韓国向けの活貝が昨年より多いペースで進んでいる。財務省の通関統計によると、1~6月の輸出量は前年同期比20%増の3106㌧。このうち留萌管内が6割を占めている。今年の成育は良好で生残率が高く、コロナ禍でキロ200円前後と昨年の半値に落ち込んだことも輸出に拍車を掛けている。
えりも漁協のコンブ採りは、台風による沖止めもなく、21日現在の全地区延べ採取日数が141日に伸び前年同期(71日)を大きく上回っている。ただ採取状況は地区でばらつき。繁茂良好で順調に水揚げを積み重ねる浜がある一方、水コンブが多く苦戦する浜もある。
枝幸漁協のマス小定置は、沖・オカで格差はあるもののカラフトマスが昨年の3倍と順調な水揚げ。8月中旬の盆休み中は今年から手網を撤去しているが、休み明けはオカ側中心に多少増産した地区も見られた。浜値は昨年並みに推移しており、着業者は8月末までの盛漁を期待している。
えりも漁協のタコ箱漁は数量が前年同期の2倍、金額も9割増に伸ばしている。旭地区の千葉毅彦さんは「7月に入って獲れだした。今年は好漁」と声が弾む。
大樹漁協の若手漁業者らでつくる「大樹サクラマス養殖事業化研究会」は今年度から大樹町内の旭浜漁港に設けたいけすでサクラマスの養殖に挑戦している。3カ年の実証試験。同漁協が魚類の海面養殖を手掛けるのは初めて。今季は海中の育成が可能かどうか見極める考え。秋サケ定置の不漁が続く中、漁家経営を下支えする新たな漁業の確立に向け、将来的な事業化も視野に入れている。
北海道沿岸のスルメイカ漁が苦戦している。解禁から3カ月近く経過したが、昨季に続き今季も漁況が低調。一方で金沢など道外の日本海側は6月の好漁を受け水揚げが伸びている。
東京を中心にオイスターバーを展開する(株)ゼネラル・オイスターは、香港市場への殻付き生カキの輸出を急増させている。コロナ禍による店舗休業のため、主力の外食事業の売上高は大幅減、利益面でも四半期ベースで、過去最大の損失計上に見舞われたが、小規模ながらも今後のアジア市場への展開に向けて弾みにしたいと捉えている。
首都圏小売の昨年のサンマ商戦は不漁で苦しみ、比較的好調だった一昨年を大きく下回る結果になった店舗が多い。近畿圏で150店、首都圏では120店ほど展開する(株)ライフコーポレーションは、昨年8~10月の生サンマの売り上げは前年比53%と大苦戦。それだけに今年は「まずは前年クリアを」と目標を立てている。しかし、今年も厳しい漁予報を受けてシーズン中は他魚種の販促も視野に入れて売り場作りを進めていく。
室蘭市のabba(アバ)合同会社(平塚和美代表、電話0143・83・5512)は、前浜・室蘭産の魚介類を使った加工品の製造・販売に取り組んでいる。シーフードカレーやアヒージョといった簡便・即食の商品開発に注力。魚食拡大の一助を目指している。