道総研さけます・内水面水産試験場は22日に札幌市で開かれた道連合海区で今年の北海道の秋サケ来遊予測を説明、昨年実績比80・6%増の3136万7千尾と示した。予測通りの場合、3年ぶりの3千万尾台。沿岸漁獲量は重量ベースで10万トン前後の低水準が続くが、10億尾の稚魚放流体制となった1982年以降で最低に落ち込んだ昨年から回復局面へ底打ちが期待される。
オリザ油化(株)(愛知県一宮市)は、三陸固有の水産資源であるイサダ(ツノナシオキアミ)由来の食品用クリルオイル素材「イサダオイル」を開発した。「8―HEPE」という新規の抗肥満成分を含むのが特長で、抗肥満や抗メタボとしての効果を訴求。機能性のある新たな食品向け素材として売り出していく。
小樽市の(株)丸本本間食品(齋藤久美子社長、電話0134・62・5155)は、全国規模の展覧会で天皇杯受賞のたらこでレトルト食品を打ち出した。焼成加工の「焼きたらこ」をメイン具材に「まぜご飯の素」と「シチュー」の2品。同社初の常温商品で、新規販路の開拓に乗り出している。
青森県漁連(三津谷廣明会長)は「JF青森流通PRセンター」(仮称)を青森市港町に建設、来年4月、稼働開始する。魚価向上を目的に、系統組織を挙げた漁協参加型の事業として、各浜の「プレミアム食材」などの水産物を集め、消費者や量販店バイヤーらに魅力をアピールして販売。需要と結びつけて安定供給に資すとともに、各浜のイベントも集め新施設のにぎわいも狙う。
いぶり噴火湾漁協の本年度加工貝販売計画は、前年度比3割減の9720トンを試算している。3月に始まった耳づり作業は数軒を残しほぼ終了。へい死や変形・欠刻が多く施設に垂下した割合は地区間で差がある状況。漁業者は今後の管理に気を引き締めている。
いぶり噴火湾漁協のアカガレイ刺網が振るわない。シケの多発で水揚量が伸びず浜値も安値基調のため。出漁回数を増やし数量でカバーしたい着業者は、安全第一を心掛けながら慎重な操業を余儀なくされている。
豊浦地区は3~4軒が着業。4月~6月16日の水揚量は前年同期比24%減の15㌧、金額は同32%減266万円(税込み)、キロ平均単価は同10%安178円。
歯舞、落石、根室の3漁協が着業する貝殻さお前コンブが終盤を迎えている。序盤から天候など操業条件に恵まれ22日現在で10回出漁。低調だった昨年に比べて繁茂状況も良く順調に水揚げ。実入りなど品質面も上々との声が多い。
解禁日翌日の6月2日に初水揚げ。同月上旬には3日連続の出漁もあるなど順調に操業を重ね、20日の出漁で昨年と同じ10回に達した。着業者によると繁茂状況はまだら模様で船は散らばって操業、水揚げに船間差もあるという。
歯舞漁協の底建網は、太平洋側でコマイが例年より長く乗網している。着業する松本豊明さんは「例年に比べ獲れだす時期が早く、その後一旦切れたもののまた盛り返した」と説明。組成は中小サイズが主体で、浜値は弱含みだ。
青森県外ケ浜町の龍飛ヒラメ養殖生産組合(伊藤文雄代表)はマツカワとウスメバルの養殖を事業化、本格出荷を始めて10カ月になる。出荷サイズはマツカワが800グラム以上、ウスメバルは平均180グラムで、そこまでの生残率がいずれも9割を超えるなど生産は安定。販売も県や町のバックアップがあり順調だ。県水産総合研究所(水総研)はマツカワ稚魚の供給を千尾規模から1万尾に拡大する。
道漁協系統・関係団体は14、15の両日、札幌市の第2水産ビルで通常総会を開き、2017年度事業報告と18年度事業計画を承認した。最初に開かれた全道組合長会議では、持続可能な北海道漁業の成長産業化に不可欠となる資源回復・増大対策、経営安定対策、環境保全対策の3項目の実現を目指す決議を採択。15日の道・道議会を皮切りに要請活動を展開していく。