北海道の秋サケは約5万700トンと、平成以降最低だった昨年を3割下回り、昭和55年以来37年ぶりの大減産となった。繰越在庫の払底下、歴史的凶漁と、サンマ、イカなど主要魚種全般の不振による加工原料不足などで魚価は前年比66%高と異常高騰した。親子とも空前の高値と供給減で輸入物が売り場を浸食。来季以降の生産回復時の反動が懸念され、各種販路の確保が懸案となる。
利尻・礼文両島のコンブ養殖は、多くの漁家が種の巻き付けを終えた。種付きや再生(二次成長)状況にばらつきがあったものの、不足した浜は他地区からの搬入や部会内で分け合うなどして補てん。各部会長らによるとすでに終了した漁家はほぼ満度に巻き付け。シケも絡み作業ペースが遅れ気味の仙法志も予定量を付けられる見通しという。
ひやま漁協女性部江差支部(藤谷真理子支部長)は水揚げが増えている前浜産ニシンを使った商品開発に取り組んでいる。特に江差町からの要望を受け「にしんそば」に乗せる甘露煮のレシピ開発に力を入れている。
石狩湾系ニシンの平成30年漁期(1~3月)は、道総研中央・稚内の両水試が4日に発表した漁況予報によると、漁獲の主対象である4年魚以上の資源重量が平成21年度以降続く高水準と見込まれている。盛漁期は今漁期で来遊量が最も多くなる4年魚が主体に来遊する2月になる見通し。
クロマグロの資源管理で7日、定置網に入る30キロ未満小型魚を放流する技術開発の現状が盛岡市で紹介された。小型魚だけを選択的に放流、生かす道筋が示されたが、大量入網時は困難で側綱沈下などの対応が焦点となった。一方で、漁獲制限で小型魚の加入が高まっている可能性と、それに伴い管理がさらに難しくなりかねないことが示唆された。
青森県陸奥湾の平成29年産(稚貝)と28年産(新貝)のへい死・異常貝率はともに高かった。分散済みの稚貝と新貝のへい死率は過去3番目。成育状況は平年並みかやや下回る状況。分散済み稚貝の収容枚数は平年値より約4割多く過去5番目に高い数値。今夏に約1カ月続いたやませの影響で湾内各地の上層と下層に相反する強い流れが発生し、収容枚数も多いことからへい死、異常貝の増加につながった。
昆布森漁協仙鳳趾地区の養殖カキは、秋の台風で比較的小サイズ中心に放卵、重量計測で身入り良好なものを選んで出荷している。放卵カキは身を回復させてからの出荷となるが、着業者は「今後水温が下がり回復するまでにかなり時間がかかる」と話す。
株式会社LS Nova(エルエスノヴァ、千葉県松戸市)は養殖や畜養に効果のある機能水を生成する装置「WaterMax」を開発、農業、畜産、水産向けに提案している。すでにベトナムでは政府公認のクルマエビの養殖「ハノイプロジェクト」が進行中。30%未満だった生存率を100%近くまで引き上げたほか、周辺環境の改善など結果を出している。日本でも各業態向けに利用を提案し、引き合いが増えてきている。
いぶり噴火湾漁協のカレイ刺網は、イシモチガレイ主体の水揚げ。漁場間で差はあるが「漁はまずまず」と着業者。全軒活出荷で、浜値はキロ200円で昨年より強含みの傾向にある。
上磯郡漁協木古内地区は、3年ほど前から本格的にワカメ養殖に取り組み、ボイル塩蔵主体の生産態勢を確立した。種苗生産や種付け、間引きといった養殖技術・管理を工夫。内山康宏同地区若布部会長(同漁協理事)は「大きな自然被害がない限り安定生産が見込める」と話し着業魚種の柱に据える。また「労力的負担も小さく年配者でも生産しやすい」と利点を強調する。