1日付で道水産林務部長に就任した幡宮輝雄氏は4日、記者会見を開き、水産行政かじ取りの抱負を語った。生産量の回復を最重点に強調。前任地・桧山管内の振興策で打ち出した付加価値対策、資源づくり、漁場の有効利用といった「三本の矢」をベースに、全道漁業者の収益向上や生活安定の施策を進めていく考えを示した。
今年の玉冷輸出は、昨年以上の厳しさが予想されている。米国産水揚量は昨年より3000トン多い2万1000トンの見込み。5年ぶり2万トン台(ミート換算)の回復でサイズは小型中心。さらに米国・中国企業の玉冷在庫は滞留気味。道漁連は「海外全体の相場を見極め、先を見越した冷静なスタートを切る必要がある」としている。
ナマコの種苗生産・放流に力を入れる宗谷漁協浅海増殖センターは、漁獲量の10%を資源添加の目標に掲げる。これまでの追跡調査の結果から、放流3年後で約20%の生残が確認できており、放流種苗の漁獲への寄与が期待される。
三陸のイサダ漁は高騰が続き、過去にない展開となっている。漁好転で価格低下が予想された3月半ば以降も90円台~70円台後半を維持し、例年の倍値。在庫払底が伝えられていたレジャーの釣り餌向けの注文が持続している模様だ。ただ、漁は4月に入り、宮城県ではほぼ全船が1日の上限を水揚げして戻るのに対し、岩手県は不安定で明暗が分かれる。
羅臼漁協のウニ(バフン)たも漁は3月末現在、殻付・折・塩水いずれも前年同期を下回る数量となっている。水揚げは日間格差があり、着業者は「資源的に少ない。海藻も繁茂していて採取しにくい」と口をそろえる。
散布漁協のアサリ部会(小倉岳部会長)は、良質出荷と資源管理に力を入れている。容量が多く底の深い部会専用魚箱(ポリパン)を活用、積み重ねによる劣化を防止。加えて水揚げから出荷まで保温バッグに入れて凍結を防ぐ。市場内では部会役員が漁獲サイズ未満や空貝などの混入をチェック、当該着業者に指導することもある。また毎年移植放流を実施、アサリの成育を促進し効率良く水揚げ。ヤスデなど天敵駆除も行う。
稚内漁協のナマコけた引春漁が始まった。ハシリはシケが多く水温も低いため低調な出足。水揚量は1隻多くて100キロ程度。浜値はキロ3000円台後半と堅調だ。
オホーツク管内の毛ガニ漁は、最多隻数の雄武漁協が3月24日に水揚げを始めた。かご入れから2日留めの開幕となったが、その後は29日現在まで毎日出漁。日量4.8トン前後と順調な滑り出し。浜値は前年よりもプール単価で700円ほど高い。一方、宗谷管内では開幕後、シケや岸寄りした流氷の影響で若干足踏み状態となった。
宮城県の養殖ギンザケ水揚げが始まり、増加に向かう。今季の流通・価格形成環境は、サケ・マスマーケットの現状をみると例年にないほど期待できそうだ。ギンザケをはじめサケ一筋に業績を伸ばす株式会社行場商店(南三陸町)の髙橋正宜社長に聞いた。
築地市場の荷受・第一水産株式会社は、日本発である食品安全管理システムJFS―E―B規格の第1号の適合証明を取得し、さらに卸売市場の水産卸では全国初となる国際食品安全システム規格FSSC22000の認証を取得した。田口弘之社長は「食の安全安心に向けた取り組みを見える形で示すことができた。これをきっかけに、荷受として集荷力、販売力の強化につなげていきたい」と意気込みを見せている。