オホーツク海沿岸の毛ガニ漁が3月15日に始まる。今季の消流環境は冷凍在庫に重さはなく、特に太平洋を含めて中・小サイズ主体の水揚げから大サイズが品薄。組成次第で大の価格形成は高値基調が想定されるが、許容漁獲量(ノルマ)は前季比100トン増の1300トンと2年連続の増産見通し。消費税増税による消費者マインド、密漁・密輸防止協定が発効予定のロシア産カニ全体の搬入動向などの影響は不透明だ。
日本海沿岸でトドなど海獣による漁業被害が拡大の一途をたどる中、同沿岸19漁協で組織する「北海道日本海沿岸漁業振興会議」(委員長・今隆北るもい漁協組合長)は1日、札幌市で緊急集会を開いた。水産庁、道内選出国会議員、道水産林務部、道議らに対し、漁業被害の実態や、依然抜本対策が確立されず、漁業の衰退化が進んでいる窮状を訴え、早急な救済措置などを求めた。
秋サケやサンマ、すり身など水産加工大手の株式会社マルサ笹谷商店(釧路市、笹谷智貴社長、電話0154・57・3594)は、桧山管内乙部町に新工場を構える。30~40人規模の生産態勢で、4月の稼働を目指している。
えさん漁協尻岸内地区の促成養殖は、マコンブ主体から製品化に手間の掛からないミツイシへの転換を徐々に進め、作業の省力化を図った。 高齢化する着業者の作業負担軽減や製品作りの人手不足解消、コスト削減などを背景にミツイシ主体へシフト。同地区の増輪正昆布養殖部会長によると、約10年前は施設全基数のうちマコンブ7割、ミツイシ3割だったが、現在はマコンブ3割、ミツイシ7割に逆転した。
カキの需要期を迎え、サロマ湖産の出荷が本格化している。結氷の遅れで水揚げに支障を来す地区もあるが、1年カキを中心に出荷は順調。身入りが良く、浜値は高値基調で推移しており、着業者は「全面結氷後の2月から、さらに出荷を伸ばしたい」と意気込んでいる。
函館のスルメイカ釣り漁がほぼ終漁した。函館市水産物地方卸売市場によると、昨年4月~ことし1月20日の取扱数量は前年同期比7%増の4271トン、金額は同32%増の14億2542万円、キロ平均単価は同23%高の334円となった。
サロマ湖の氷下漁は、全面結氷の遅れからチカやキュウリウオの水揚げ量が低調な出足で、浜値は若干高値に付いている。
常呂漁協の着業者は2軒。栄浦地区の畑中漁業では3カ所に網を建て、1月28日までに4回出荷。この日は網1カ所でチカ200キロ、キュウリウオ14箱(1箱18キロ)のほかコマイ、カレイ各2箱を水揚げした。
結氷の遅れが影響し、「例年に比べて水揚げ量は少ない」と着業者。1月8日の初セリに出荷できず、ことしは15日の初出荷となった。漁は3月中旬まで続くが「これ以上、増えることはないだろう」と話す。
えさん漁協の日浦、尻岸内、古武井、恵山の各浜で、養殖コンブが芽落ちした。いずれの浜も規模が大きく、各地区の昆布養殖部会長は「全施設の半分以上」「ここまでの被害は初めて」と頭を抱える。今後は、無事だった施設からの株分けや補殖(予備のコンブ)での補てん作業に入る。
北海道ブランディング㈱(札幌市、林昌見社長、電話011・233・1500)は、インターネットを活用し商談から輸出手続き、決済、物流まで全て代行する北海道密着の海外向け卸商社。本年度中は道の委託事業で翻訳作業と併せて商談会サイトへの商品登録を無料で請け負う。
苫小牧漁協は今季から、ホッキと同じ海域に繁殖する棘皮(きょくひ)動物「カシパン」=写真=の試験駆除に乗り出している。平成20年以降、ホッキの稚貝が減少傾向にあり、要因の一つに推測されるカシパンとの関係や影響を調べる。5~10年程度かけて実施し、成果が得られれば、本格的な駆除対策を検討する。
「カシパン」(和名)は、ウニやヒトデ、ナマコと同じ棘皮動物。苫小牧沿岸では「ハスノハカシパン」が多く、生息域がホッキと同じ水深5~30メートルの砂地。これまで稚貝の減少との因果関係は確認されていないが、同漁協では「食性上の競合や、生息できる砂地が奪われ、ホッキ稚貝の着生弊害を招いている可能性がある」と説明する。