高水温など海洋環境の変化に対応しようと、岩手県水産技術センター(釜石市)では多様な研究を進めている。欧州原産の「ヨーロッパヒラガキ」(以下ヒラガキ)もそのひとつで、2023年に県内で天然資源の生息が確認された。担当研究員によると「70年前に移入され、その後消滅したと思われていた」幻のカキで、欧州では希少な高級食材として知られる。岩手の新養殖種として、〝窮地を好機に変える〟可能性を秘めている。