北海道の小型船(5トン以上30トン未満)によるスルメイカ釣漁が漁期中に異例の休漁を余儀なくされている。全国で小型船に配分された漁獲可能量(TAC)を超過したためで、道いか釣漁業協会(瀬川正義会長)は21日に緊急理事会を開き、22日から当面の間休漁することを決定。着業者は「死活問題」「いつまで続くのか」と不安や憤りをあらわにする。
広尾漁協でコンブ漁業を営む保志弘一さんの独自粉末製品「星屑昆布」を使った「昆布しおポップコーン」(内容量50グラム)がコンビニ大手ローソンの道内各店舗で販売され好評を博している。昨年11月発売の「ポテトチップス昆布しお味」に続く第2弾。保志さんは「これをきっかけに広尾町と広尾産昆布の認知度が高まればうれしい」と話す。
北海道の秋サケ定置網漁が急落に見舞われている。日量が極度に低水準のまま盛漁時期を経過し、2万トン割れも視野に入る凶漁の様相。いくらやフィレー・ドレスの製品価格が空前の高値形成となり、秋サケの需要減退が想定される一方、大半の浜が価格高騰にも補い切れない落ち込み。加えて河川そ上も全般的に不調。増殖団体・生産者・加工流通業者の秋サケ業界各方面に影響が懸念される。
古宇郡漁協の定置網漁は、神恵内地区で9月以降の水揚げ数量が全体で昨年の2~3割に留まるなど低調に推移。一方、今年はバショウカジキが増加傾向にある。神恵内地区の漁協担当者は「サケの出荷量は前年比25%程度。サケが入ると他の魚が入らなくなるといわれるが、今はサケも他の魚も入らない」と説明。加えて「今年は例年になくバショウカジキが多い。9月末あたりから増えているが値段が付かない」と続ける。
留萌管内の秋サケ定置は、序盤から低調なまま終盤を迎えている。絶不調だった昨年を上回る地区もあるが、本来の水揚げ水準にはほど遠く、15日現在で前年同期比21%減の474トンと苦戦。本来の水揚げに近い一昨年比では6割も減少した。全道的な薄漁も影響し浜値は高騰、メスはキロ3千円台中盤を付けている。
福島町の有限会社ヤマキュウ西川水産(湯浅哲社長、電話0139・47・2139)は、イカのとんび(口ばし)を有効活用した商品などの展開で、新ブランド「ウエマチストア」を立ち上げた。商品形態、パッケージなどターゲットに応じて新機軸を創出。訴求力を高めて販売拡大に取り組んでいる。本体のヤマキュウ西川水産はスルメなど乾物卸に特化。「ウエマチストア」は冷凍食品・加工品などを展開していく。「上町」は地元で昔から呼ばれている会社所在地の集落名で「小さい町の小さい集落から新しいものを発信していくという意味を込めた」と湯浅社長。また、今後、水産以外の素材を使った商品開発も計画しており「ストア」と名付けた。
散布漁協のマダラ刺網は好調な滑り出し。10月1日に始まり、多い船で日量200箱以上を水揚げ。10日までの全体数量は前年同期比55%増に伸ばしている。1箱4尾入れが主体。浜値は強含み。
留萌管内で稚貝の本分散が進んでいる。各漁協とも仮分散段階では必要以上に確保したものの、夏場の高水温に伴うへい死やフグ、カニの食害が影響し、地区によっては「余裕がなくなった」と話す着業者も少なくない。不足した場合に補充できるよう小型の稚貝はザブトンかごに戻して再度垂下し直す漁家もある。
釧路管内の成コンブ採取が終漁した。管内5単協の累計操業日数は、資源状況が悪かった昨年に比べ20日多い112日(35.5時間増の332.5時間)に伸ばした。月別で7月が42日(昨年同月33日)採取したものの、8月は天候や海況に恵まれず27日(同10日)に鈍化。9月は39日(同42日)操業し、同月で釧路市東部、昆布森、厚岸の3漁協が切り上げ。10月は散布、浜中両漁協が操業し計4日採取し漁を終えた。
ホタテ玉冷の相場が過去にない超高値を形成している。産地蔵前の3Sはキロ7千円~6千円台後半、今年のオホーツク海の中心サイズとなる5Sでも6千円前後と、前例のない価格帯に高騰した。国内外の水揚量減少に伴う供給不足に加え、依然円安基調の為替相場を背景に、輸出主導型の高値相場が形成されている。しかし欧米では買い渋る兆候も見られ始めており、商社筋は「この辺で頭打ちにさせなければ大変なことになる」と警鐘を鳴らしている。