枝幸町の株式会社オホーツク活魚(藤本信治社長、電話0163・62・4553)は今季に合わせて流通加工段階(CoC)認証Ver2.0を取得した水産エコラベル「マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)」の認証ロゴマークを付けた秋サケの商品展開に乗り出している。厳選した生鮮ラウンドをはじめ、切り身個包装やレンジ調理品、いくらなどの加工品を自社のネット通販主体に販売。環境や資源に配慮した定置網漁業への消費者理解や宗谷産のブランディングにつなげていく。
ひやま漁協乙部支所のナマコ協議会加工部門は、主力商品の「檜山海参(ヒヤマハイシェン)」=写真=がシンガポールの高級料理店の食材で使用されるなど海外で高い評価を獲得している。
斜里町の株式会社丸あ野尻正武商店(野尻勝規社長、電話0152・23・2181)は、近年前浜で水揚げが定着してきたブリを加工品で売り込んでいる。適した調味を吟味し、3種類の漬け魚を商品展開。道の駅隣接店舗「斜里工房しれとこ屋」の直売店で提供し、地域住民への訴求に加え、観光客らに北海道・知床産ブリを発信している。「知床ぶり」の漬け魚は、主力の秋サケで好評を得ている調理の定番でメインのおかずに最適の「照り焼き」、西京みそ漬け、こしょうのピリ辛を効かせたレモンペッパー風味の3種類。切り身1切れパックで打ち出している。
釧路市東部漁協のマダラが好調だ。序盤の10月は昨年同月の3倍以上を水揚げ。11月も漁を持続し増産。平均単価も昨年比2割高に上昇し金額を大幅に伸ばしている。
廃棄漁網で再生ナイロンを生産するリサイクル事業が国内で活発化している。千葉県一宮町のEllange株式会社(以下、エランゲ)が浜での買い取りを開始し、漁業者の新たな収入源に転換。再生素材はパタゴニアなど海外の衣料品メーカーが製品に採用を拡大。海洋ゴミ削減と漁業者支援を両立する取り組みとして進展に期待が高まる。
道総研工業試験場は、痩せウニの養殖用配合飼料で、摂餌行動が緩慢なウニの特性に応じた長期間水中で溶出しない「水中保形性」に優れた飼料を開発した。植物由来の微細繊維を添加。試験では既製品に比べて水中保形性が高く、給餌量を約2割削減できる結果を得られた。ウニ養殖で課題となる餌コストを低減、持続可能なウニ養殖の確立に向け、技術の実装・普及を進めていく。
訪日客に人気の高いウニ丼専門店の新規開店が札幌市で相次いでいる。運営会社はウニの加工・卸を手掛けており、独自の仕入れルートや加工場直送で一年を通して道内産地から高品質、高鮮度のウニを提供できる強みを生かしている。東京・豊洲市場にウニを出荷する加工卸・㈱札幌カネシン水産(札幌市、石黒淳社長 電話011・676・9531)直営のウニ丼専門店「凪~nagi~」は今年6月にオープン。石黒社長は「ウニは鮮度が命。札幌で四季折々のおいしいウニが食べられることを認知していただきたい」と力を込める。
食品用プラスチック容器メーカーのマルイ包装株式会社(本社・札幌市、酒井恒雄社長)が製造販売する生うにの折詰め用容器「プラ木箱」。高級感とHACCPの衛生管理への対応を兼ね備え、2016年の発売以来、国内のうに加工場に普及。最近では米国主体に韓国、オーストラリアなど海外輸出が増えてきている。
北海道沿岸のウニは日本海を中心に大幅減産した昨季同様、今季も厳しい漁況が続いた。昨季に比べ操業回数が伸長した浜が多かったが、水揚げは依然低水準。一方、浜値はエゾバフンウニ、キタムラサキウニとも強含みの様相を呈している。
北海道の秋サケは、道総研さけます・内水面水産試験場の解析によると、前・中期を合わせた来遊数(10月31日現在の沿岸漁獲数と11月5日現在の河川捕獲数の合計)が漁期前予測値の58%、前年同期比61.5%減の617万9700尾。11月に入って沿岸漁獲、河川そ上とも下火になり、最終実績は700万尾を割って、10億尾放流開始前の1970年代前半の水準まで落ち込む様相を呈している。来期に向けても主群の4年魚となる2022年級の3年魚が過去最低水準だった昨年同期の半分以下の厳しい回帰動向で推移している。