胆振管内のむかわ町は「未来につなぐ鵡川ししゃもプロジェクト」を始動し、町魚・シシャモの資源保全と地域の魅力発信に力を入れている。地域団体商標に認定されるなど地域産業を支える主要魚種の一つ「鵡川ししゃも」。近年は資源の減少により、漁獲量は20年が3トン、21年が1.4トンと減産し、休漁前の22年は64.6キロと過去最低を記録。鵡川漁協のシシャモこぎ網漁は、23年から3年連続で今季の出漁を見合わせた。同プロジェクト(PJT)を推進する町農業水産グループの担当者は「むかわ町のシシャモを幻の魚にしないために、まずは町民の意識醸成と再認識を図り、町の事業者や関係団体と連携して地域経済の活性化につなげていきたい」と話す。
後志管内の余市町で宿泊施設やワイナリーなどを運営する株式会社余市ドリームス(井内由佳代表)は8月11日、ニシンをコンセプトにしたラーメン店「余市らぁ麺 雪洞(ぼんぼり)」(余市町)をグランドオープンした。新たな切り口で日本海沿岸ニシン主産地の一つ、余市町に新たな価値を生み出している。提供するラーメンはしょうゆ味「鰊 醤油らぁ麺」と塩味「鰊 塩らぁ麺」、油そばの3メニュー。
洋食の技法を生かした革新的なラーメンが特徴の札幌場外市場にあるラーメン店「とくいち」のオーナーシェフでイタリアンのシェフ経験を持つ磯部拓也さんと、ミシュラン一つ星のフレンチレストラン「ル・ミュゼ」の石井誠シェフが率いる「チームとくいち」が監修した。
包装産業や容器・包装を使用する食品製造など業界各社は持続可能社会の実現に取り組んでいる。包装の役割である「中身を守る」という機能を保持、技術開発に着手しながら、プラスチック使用量の削減、容器・包装のリサイクル、CO2削減などを推進している。プラ使用量削減では、環境対応素材の採用が進み、従来のバイオ樹脂やリサイクル樹脂、紙への切り替えだけでなく、ケミカルリサイクル(化学的再生法)やマスバランス(物質収支方式)など新たな手法を用いた環境対応素材の採用が進む。
株式会社シーフードレガシーと『日経ESG』(株式会社日経BP発行)は10月1~2日、アジア最大級のサステナブルシーフードイベント「サステナブルシーフード・サミット2025(TSSS2025)」をグランキューブ大阪で開催する。国内外の水産関連を中心としたフロントランナーが最新の知見を共有し、「水産業の未来地図」をつくるための道筋を考える。今回は初の大阪開催で、万博と重なり相乗効果を期待する。
首都圏の高級すし店で天ぷらなど揚げ物をメニューに本格導入する動きが広がっている。東京都と横浜市で多店舗展開する「鮨おにかい」は「海老天海苔巻き」を看板メニューに据え、「くずし鮨」の新業態を展開。従来の生食中心から調理法の幅を広げることで水産物の新たな価値創出を図っている。同業店で類似の取り組みも散見され、差別化戦略として関心が高まっている。
東日本大震災で被災した三陸・常磐地域の水産加工業の販路回復・拡大を後押しする「東北復興水産加工品展示商談会2025」が9月30日、10月1日の両日、仙台市青葉区の仙台国際センター展示棟で開催される。約130社・800アイテムが集結、「繋がる・繋げる展示商談会」をテーマに掲げ、生鮮・冷凍から高次加工品まで出展各社が技術と工夫を凝らした“うみのうまいもの”を全国のバイヤーらに発信する。
株式会社極洋の東京支社と極洋商事株式会社は8月22日、東京永田町のザ・キャピトルホテル東急で合同の展示商談会を開催した。「魚を食おう!」をテーマに、秋の新商品、秋冬・年末向けのお薦め商材を中心に業態別に展示した。来場した得意先・取引先約250社約千人に、魚食普及へともに取り組んでいけるよう働き掛けた。
ひやま漁協乙部支所元和地区の町中漁業部・町中達成さん(34)は漁業を営む傍ら、キッチンカーで焼き団子の移動販売を展開している。養殖ホタテの大量へい死をきっかけに「漁業だけに頼らない収入源を」と、2023年1月から“兼業漁師”のワークスタイルに乗り出して3年目。今ではホタテ・岩ノリの新規需要獲得など本業・漁業に波及効果が生まれ、新展開への挑戦心も養っている。
第27回「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」(大日本水産会主催)が20~22日、東京ビッグサイトで開催された。前年を上回る650社が出展し、出展小間は過去最大規模の開催となった。連日多くの来場者が訪れ、魚食拡大に向けた取り組みや業界を明るく導く最先端技術を体感。熱意に満ちた商談や交流が繰り広げられていた。
第27回「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」(一般社団法人 大日本水産会主催)が20~22日、東京ビッグサイトで開催される。出展は前年を上回る650社、1592小間で、出展小間は過去最高の規模となる。「コミュニケーションとイノベーションで創造する『ぎょしょく』の未来」を開催テーマに掲げ、魚食拡大の取り組みや商談機会の創出のほか、業界を明るく導く最先端技術が体感できる3日間となりそうだ。