カニ加工・卸小売りを手掛ける札幌市の札幌蟹販株式会社(大沢敏樹社長、電話011・884・1111)は26日、グルメスポット・札幌二条市場の向かい(中央区南2条東丁目1-4)に海鮮丼・カニ料理の直営店「蟹工船 二条市場店」をリニューアルオープンする。新築した自社ビル「札幌蟹販ビル」の1階、2階で旧店舗よりスペースを拡充。座席数は2.6倍超を確保し、団体客にも対応できる。日本食人気で高まっている訪日外国人を中心に観光客の海鮮需要をつかんで飲食事業の伸長を目指す。
斜里町の株式会社丸あ野尻正武商店(野尻勝規社長、電話0152・23・2181)は、近年前浜で水揚げが定着してきたブリを加工品で売り込んでいる。適した調味を吟味し、3種類の漬け魚を商品展開。道の駅隣接店舗「斜里工房しれとこ屋」の直売店で提供し、地域住民への訴求に加え、観光客らに北海道・知床産ブリを発信している。「知床ぶり」の漬け魚は、主力の秋サケで好評を得ている調理の定番でメインのおかずに最適の「照り焼き」、西京みそ漬け、こしょうのピリ辛を効かせたレモンペッパー風味の3種類。切り身1切れパックで打ち出している。
訪日客に人気の高いウニ丼専門店の新規開店が札幌市で相次いでいる。運営会社はウニの加工・卸を手掛けており、独自の仕入れルートや加工場直送で一年を通して道内産地から高品質、高鮮度のウニを提供できる強みを生かしている。東京・豊洲市場にウニを出荷する加工卸・㈱札幌カネシン水産(札幌市、石黒淳社長 電話011・676・9531)直営のウニ丼専門店「凪~nagi~」は今年6月にオープン。石黒社長は「ウニは鮮度が命。札幌で四季折々のおいしいウニが食べられることを認知していただきたい」と力を込める。
株式会社フーディソンは7~13日、東京電力ホールディングス株式会社と協業し鮮魚専門店「サカナバッカ」6店舗で「発見!ふくしまフェア」第15弾を開催した。「常磐もの」のヒラメやタコ使用の限定丼や加工品を販売し、オリジナルメニューを豊富にそろえてさまざまな食べ方を提供。フェアは回を重ねるごとにファンやリピーターを増やしており、応援消費だけでなく“美味しいから選ぶ”といった日常の選択肢となる機会を創出している。
沙留漁協所属・竹内漁業部の竹内清代表は、前浜で採取するリシリコンブの6次化展開で、今秋に新商品「塩昆布飴(あめ)」を打ち出した。「手軽に食べられる」で昆布に親しんでもらうことをコンセプトに考案。釜で流動状になるまでじっくり煮込んだコンブに水あめなどを加えて軟らか仕上げ。漁協直売所や地元道の駅「おこっぺ」などで販売。風味や食感など老若男女に好評で、竹内代表は「試食するとほとんどの人が買ってくれる」と手応えを話す。
元釧路税関支署長の松井正人株式会社Pine Well Corporation社長が3日、横浜市神奈川区にすし店「鮨処 漁井(JOY)」を開店した。釧路勤務時代に心を射抜かれた水産物などを産直で仕入れて首都圏の客に新しい食体験を提供。北海道ならではの食文化を楽しめる店舗として他地域での展開も視野に入れて魅力発信に力を注いでいく。
胆振管内のむかわ町は「未来につなぐ鵡川ししゃもプロジェクト」を始動し、町魚・シシャモの資源保全と地域の魅力発信に力を入れている。地域団体商標に認定されるなど地域産業を支える主要魚種の一つ「鵡川ししゃも」。近年は資源の減少により、漁獲量は20年が3トン、21年が1.4トンと減産し、休漁前の22年は64.6キロと過去最低を記録。鵡川漁協のシシャモこぎ網漁は、23年から3年連続で今季の出漁を見合わせた。同プロジェクト(PJT)を推進する町農業水産グループの担当者は「むかわ町のシシャモを幻の魚にしないために、まずは町民の意識醸成と再認識を図り、町の事業者や関係団体と連携して地域経済の活性化につなげていきたい」と話す。
後志管内の余市町で宿泊施設やワイナリーなどを運営する株式会社余市ドリームス(井内由佳代表)は8月11日、ニシンをコンセプトにしたラーメン店「余市らぁ麺 雪洞(ぼんぼり)」(余市町)をグランドオープンした。新たな切り口で日本海沿岸ニシン主産地の一つ、余市町に新たな価値を生み出している。提供するラーメンはしょうゆ味「鰊 醤油らぁ麺」と塩味「鰊 塩らぁ麺」、油そばの3メニュー。
洋食の技法を生かした革新的なラーメンが特徴の札幌場外市場にあるラーメン店「とくいち」のオーナーシェフでイタリアンのシェフ経験を持つ磯部拓也さんと、ミシュラン一つ星のフレンチレストラン「ル・ミュゼ」の石井誠シェフが率いる「チームとくいち」が監修した。
包装産業や容器・包装を使用する食品製造など業界各社は持続可能社会の実現に取り組んでいる。包装の役割である「中身を守る」という機能を保持、技術開発に着手しながら、プラスチック使用量の削減、容器・包装のリサイクル、CO2削減などを推進している。プラ使用量削減では、環境対応素材の採用が進み、従来のバイオ樹脂やリサイクル樹脂、紙への切り替えだけでなく、ケミカルリサイクル(化学的再生法)やマスバランス(物質収支方式)など新たな手法を用いた環境対応素材の採用が進む。
株式会社シーフードレガシーと『日経ESG』(株式会社日経BP発行)は10月1~2日、アジア最大級のサステナブルシーフードイベント「サステナブルシーフード・サミット2025(TSSS2025)」をグランキューブ大阪で開催する。国内外の水産関連を中心としたフロントランナーが最新の知見を共有し、「水産業の未来地図」をつくるための道筋を考える。今回は初の大阪開催で、万博と重なり相乗効果を期待する。