1日付で道水産林務部長に就任した岡嶋秀典氏は22日、記者会見し、水産行政かじ取りの抱負を語った。新たな増養殖を含めた栽培漁業の推進など生産回復対策と両輪の道産水産物の消費拡大を重要施策に強調。併せて担い手確保と人手不足に対応するスマート水産業、ゼロカーボン北海道に貢献する二酸化炭素吸収源の藻場保全・造成などブルーカーボンの取り組みを進めていく考えを示した。
2024年春の叙勲で、根室漁協組合長の大坂鉄夫氏が旭日双光章を受章した。道漁連副会長、道水産物貿易対策協議会委員長、根釧漁船保険組合組合長、日本漁船保険組合副会長など数々の要職を歴任。地域の漁業をはじめ全道・全国の水産業の発展に大きく貢献している功績が認められた。
オホーツク海沿岸の毛ガニ漁は宗谷管内が昨年より1旬早く、4月中旬で全4漁協が許容漁獲量を達成し、終漁した。またオホーツク管内は流氷などで開幕がずれ込んだ南部(網走・斜里第一・ウトロ)も4月上旬に水揚げを開始。漁獲状況などを考慮し、許容量の調整を2回実施。オホーツク総合振興局の集計によると、20日現在で管内全体の漁獲量は前年同期比12.6%増の99.4トン。許容漁獲量の達成率は73.7%。
長万部漁協のナマコ潜水漁は、海中の濁りが解消され沖側に移動し、日量100キロ前後と上向いた。一方浜値はキロ3500円と軟調に推移。前年同期の3割安に落ち込んでいる。
近畿大学と株式会社ニチレイフーズが共同開発した養殖魚「アセロラブリヒラ」の販売が24日から北関東を中心にスーパーマーケットを展開する株式会社ベイシアの店舗で始まった。強い抗酸化作用を持つアセロラで持続する鮮やかな赤身とさわやかな味わいを引き出した。身質は適度な弾力で刺身やすしに最適という。今後も商業ベースに乗せられるように安定供給体制を持続させていく。
一昨年来、高単価を形成している北海道産タコ。全体の水揚げが3年連続の2万トン割れとなり、低水準の供給量と搬入が不安定なアフリカダコ代替需要の生冷仕向けが影響。ただ、4年前の倍値まで上昇し、消流は高値疲れの様相。漁況、実消費など変動要素を抱えながらも品薄高に限界の気配が漂っている。
中山エンジニヤリング株式会社(埼玉県川口市、中山淳也社長)が開発し、井戸冷機工業株式会社(北見市、井戸仁志社長)が販売、施工する冷凍設備「イータマックスシステム」は2006年の誕生以来、食品工場や冷蔵倉庫などで多くの実績を積んでいる。安定稼働や電気代削減が強みで、最新の導入事例では生産性の向上や商品の品質強化を引き出して、拡販体制も支えている。省エネ効果は電気代高騰時代の切り札となりそうだ。
冷凍のトータルソリューションを提供するデイブレイク株式会社(東京都、木下昌之社長)は、メーカーとしての側面でも頭角を現わしている。2021年10月に販売を開始した初の自社開発冷凍機「アートロックフリーザー」は2年半で受注社数が700社を突破した。「さまざまな側面から価値を高めた結果、お客さまから選んでいただけるフリーザーとなった」と同社では受け止めている。導入している業態も食品加工会社や飲食店、量販店、生産者などさまざまで、その多くが共同で商品開発を進めている。日本の食シーンに新たな風を吹き込んでいる。
食品の鮮度を保ち、長期保存を可能にする冷凍技術は、SDGsの達成という社会的課題も背景に重要性を増している。昨今は、空前の冷凍食品ブームといわれているが、冷凍技術に関しては、産官学それぞれがさまざまなアプローチで進んできている。これを整理し、科学的知見に基づき発展させることを目的とし、中立的な立ち位置で業界を先導していく組織も立ち上がっている。関係者の横断的な連携の推進を担うものとして、こうした組織の発足は学術、業界関係からも意義あることと関心、評価を得ている。
岩手県山田町の三陸やまだ漁協(菊地敏克組合長)は、山田湾で養殖するトラウトサーモン(ニジマス)の今季の水揚げを開始した。2年間の実証試験を経て、事業化移行を果たした初年度。キロ1100円ほどの高値で取引されている。省力化を推進しながら、知名度アップと販路拡大を目指す。7月上旬までに前季比1.5倍の120トンの水揚げを見込む。