8月27日に東京都内のホテルで開かれた「道ぎょれん会」の秋季取引懇談会で、秋サケ製品に関する分科会では、減産予測下も冷静に水揚げ動向など適正価格を見極め、通年商材としても末端の需要に応えられる製品流通に努めていく必要性を共有した。道漁連の役員や担当職員、道内企業の関東担当部署、首都圏の商社、卸業者らが意見を交わした。
水産庁が30日発表した2025年度予算概算要求は、今年度予算額(1909億円)対比35%増となる2572億円を計上した。「食料安全保障の確立に向けた持続的な水産業の発展と活力ある漁村の実現」を目的に、資源管理の着実な実施や成長産業化の実現など5本の柱で構成する。漁業生産力・水面多面的機能強化対策事業には今年度の倍額となる30億円を要求。生産力や多面的機能を発揮して地域を支える漁村の活性化を推進していきたい考えだ。概算要求の主要事項は、1.海洋環境の変化も踏まえた水産資源管理の着実な実施 2.増大するリスクも踏まえた水産業の成長産業化の実現 3.地域を支える漁村の活性化の推進 4.水産基盤の整備、漁港機能の再編・集約化と強じん化の推進 5.東日本大震災からの復興まちづくり、産業・生業の再生の5本の柱で構成する。
北海道の秋サケ定置網漁の水揚げが2日、十勝や日高、日本海北部を皮切りに始まった。いくらの在庫薄、海外産の高値形成などの流通環境下、平成以降最低の来遊予測も加わって、浜値は全面高の滑り出し。札幌市中央卸売市場で3日に行われた初競りも例年より高値に付き、最高値は日高のブランド秋サケ「銀聖」のオス(4キロ台)がキロ8万8888円(税抜き)と、統計が残る2014年以降で最高だった昨年の4倍近い「ご祝儀相場」となった。
森漁協の大定置でマイワシが好調だ。6月の網入れからコンスタントに水揚げされており、8月末で1693トンと前年同期の2.4倍に伸長している。浜値も昨年同様に堅調で、餌料の引き合いが強いことに加え、加工業者による仕事買いの側面も見られる。
胆振管内の白老町は今年度から道内初となるホッケの陸上養殖事業化に向けた実証実験に乗り出している。2007年度までの3カ年を実証期間と位置付け、閉鎖循環型陸上養殖事業のランニングコストや設備管理などの課題を検証。海洋環境に左右されない持続可能な水産業の実現を目指す。実証事業のスケジュールは1年目に低コスト型の簡易養殖施設を整備し試験飼育で各種データの収集・分析。2年目には事業の最適化と種苗生産技術を確立し、最終年で最適な事業規模や事業推進体制を検討する。
2024年の北海道の秋サケ定置網漁が開幕した。平成以降最低の来遊予測が示され、漁獲量は4万トン台前半の低水準が続く見通し。競合する海外産もロシア・米国のマスが不振、為替も絡んで高値相場の様相だが、水揚げの回復を見据え、通年の売り場堅守、消流の安定に向けた価格形成が引き続き焦点となる。道漁連の鳥毛康成参事兼販売第二部長に商戦展望、流通対策の重点などを聞いた。
青森、岩手、宮城の東北3県の秋サケ漁は2019年度から極度の不振が続く。海洋の温暖化によって海流や餌の環境が変わり、放流した稚魚がオホーツク海まで到達しにくくなった可能性などが指摘される。即効性のある対策は見当たらず、24年度も厳しい漁模様となる公算が大きい。各県のまとめによると、23年度の沿岸漁獲量は青森184トン(前年度比65%減)、岩手86トン(同71%減)、宮城13トン(同85%減)。3県とも過去最低で、記録的不漁となった。
2024年に岩手県で生産された海面養殖サーモンは前年比12%増の2031トンに上った。高水温の影響で計画数量に届かなかったものの、深刻な不漁が続く秋サケの23年度沿岸漁獲量(86トン)の24倍。県内6漁協が品質向上や差別化、販路開拓などにも励んでいる。
宮城県漁協によると、2024年の県産養殖ギンザケの水揚量は前年比29%減の1万2982トンにとどまった。高成長が見込める春以降の水温上昇が早く、摂餌量が鈍化したことなどが原因。季節・通年商材として需要は高く、平均単価は同9%高のキロ747円と、22年の724円を上回り平成以降で最高だった。
道水産林務部は8月27日、秋サケ資源対策検討会議の第4回会議を開き、各地域の事業体制や海域の特性に応じた環境変動に適応した資源づくりなどを基本方向に検討してきた今後の対応方針をまとめた。検討結果を踏まえ、早期に対応策を具現化し、増殖事業の施策に反映していく。