東京都・豊洲市場で生鮮スルメイカの高騰が続いている。入荷量がまとまらず卸値が落ち着かない。仲卸業者は「1尾単価が高過ぎて客単価の安い店には売り込みにくい」とため息をつく。東京都の集計によると9月23~29日の平均値で1日当たりの入荷量は11.3トン。前週より19%伸びたものの、前年同期比では25%減と低調。大きさは1箱5キロ入れで20~25尾主体。価格は同27%高で、高値1620円、中値1269円、安値216円。
マルハニチロ株式会社は9月29日、海洋保護などに関する事業資金の調達を目的に、10月下旬に発行を予定している公募形式債券「ブルーボンド」(第1回無担保社債)の概要を関東財務局に提出した。発行年限5年、発行額50億円の予定。使途は環境持続型の漁業・養殖事業とし、日本では初めての発行となる。
農林水産省がこのほど公表した2021年水産加工統計調査結果によると、昨年の食用加工品の生産量(焼・味付のりを除く)は143万8686トン(前年143万6880トン)とほぼ前年並みとなった。主要種類別では、練り製品、煮干し品が増加、冷凍食品、塩蔵品、塩干品、節製品は減少した。
飲食・フード関連産業の人材紹介業などを展開するクックビズ株式会社(大阪市、藪ノ賢次社長)は、2021年8月に函館地裁に民事再生を申し立てた株式会社久一米田商店(函館市)が新設分割により立ち上げた「きゅういち株式会社」の全株式を取得した。同社が水産加工会社の事業再生に乗り出すのは初めて。経営体制の再構築や設備投資に加え、人材の採用や育成の強化などを通じ早期の再生を目指す。
ホタテ玉冷の消流は、コロナ禍の反動に伴う海外の需要増大とインフレによる急激な円安で、輸出主導の消費形態となったが、最近は米国、EUとも物価高による景気後退不安もささやかれ、関係者は「今後の展開が読みづらい」と苦慮している。一方内販は、仕入れコストの上昇で価格転嫁を余儀なくされる量販店が特に苦戦。関係者は年末に向け、規制緩和に伴うインバウンド需要や国内旅行者の消費回復に期待を寄せている。
北海道の秋サケ定置は9月漁で久々に3万トン台に乗せた。日本海や宗谷管内が健闘、9月後半からオホーツク管内でも日量が増え、休漁明け26日に3500トンと盛漁水準を記録。その後も2千トン台が続き、直近5カ年では最多ペースで折り返し。浜値は下方修正。10月漁の伸びが注目される。
日ロ両政府間協定などに基づき北方領土国後島海域で羅臼漁協所属船が実施するホッケ刺網の安全操業が9月30日に初水揚げを迎えた。ロシアのウクライナ侵攻の影響を受けた調整手続きの遅れなどのため、解禁日だった16日の2週間後ろ倒しでスタート。水揚げは漁船間の差がやや大きい出足となった。
宮城県漁協は、今季の県産生食用むき身カキの出荷を11日に開始する。県は指針で毎年9月29日を解禁日と定めているが、卵持ちが多いことなどから同日までに出荷に適した品質にならないと判断した。台風などによる養殖施設の被害はこれまでないという。来年6月までに平年並みの1600トンの出荷を見込む。
日本有数の港町・宮城県気仙沼市の食の魅力を発信する第26回「三陸気仙沼の求評見本市」が9月28日、気仙沼中央公民館で開かれた。水産加工業者を中心に市内24の企業・団体が出展。自慢の商品を全国から訪れたバイヤー約400人に熱心に売り込み、販路開拓・拡大につなげた。
アジア最大級のサステナブル・シーフードイベント「東京サステナブルシーフード・サミット2022」(TSSS2022)が10月19~21日開催される。現在、オンラインによる参加者を募集している。今年は「水産『ブルーオーシャン』戦略を描く~人権・生物多様性・気候変動から考えるサステナブル・シーフード~」をテーマに、水産分野が向かうべき新しい領域「ブルーオーシャン」を切り開く道筋を考える。主催は株式会社シーフードレガシーと経営誌の日経ESG、共催はウォルトンファミリー財団、デビッド・アンド・ルシール・パッカード財団。