オホーツク海沿岸の水揚量(速報)が10月末で30万トンを突破した。漁場造成を含め前年同期比3%減の30万950トン。北部の宗谷、猿払村、頓別、枝幸、南部の雄武、沙留、紋別、常呂の計8単協が計画超え。歩留まりは10%前後と下降し、組成は4S、5Sが増加傾向、キロ200円を割り込む浜が増えた。6単協が3万トン以上となり終盤戦を迎えている。
苫小牧港を拠点とするイカ釣り漁は10月27日に日量2034箱とまとまった。ただその後は28日が1202箱、31日が182箱と切れた。サイズは20尾入れが多く、良型が主体を占めている。
漁業情報サービスセンターの集計(速報)によると、10月末現在の苫小牧市場の累計水揚量は前年同期比33%減の244トンと振るわない。キロ平均単価は26%高の731円と伸長した。
大幅回復を見せた北海道の秋サケ定置は10月末で7万5千トンを超え、終盤に入った。オホーツクで先行して出足から順調だった西部は陸網の網揚げや切り上げの漁場も出ているが、終漁まで最近はあまり見えなくなったメジカ系の乗網が注目点。今年は魚価高に恵まれ、昨年は切れた10月も漁が続き、歴史に残る漁況の年となっている。
全国のノリ産地に先駆け、宮城県漁協は22日、県産乾のり「みちのく寒流のり」の2022年度共販を始める。過去2シーズン、コロナ禍や天候不順などの影響で販売実績は振るわなかった。今季の出荷計画は前年度実績比3割増の3億5千万枚。コンビニのおにぎり用として宮城産の引き合いが強まる中、高品質な製品で単価高も狙う。
1日に解禁した道南太平洋沖のスケソ刺網は、胆振管内の主産地・いぶり中央漁協では高水温などの影響で着業船の日量が伸びず、ハシリから低水準の水揚げで推移している。23日現在の累計数量は前年同期比45%減の289トン。漁業者は今後の海況好転と増産に望みをつなぐ。一方、魚体も小ぶりで卵が未成熟ながら、浜値はキロ100円超の相場を形成。地元加工業者の仕入れ環境も厳しさを増している。
東京都・豊洲市場のスケ子消流は、気温の低下から徐々に引き合いが出てきている。北海道虎杖浜・登別地区から集荷している荷受は「仲卸を中心に大手の鮮魚専門店からの注文が来ている」と説明。仲卸業者は「卸値は高値キロ2千円、安値1300~千円での提供。例年と比べても特に高くはない」と話す。
函館大学と八雲町、水産加工の株式会社イチヤママル長谷川水産は、同町が北海道初の海面養殖事業化に取り組む「北海道二海サーモン」を使った「二味弁当」を共同開発した。19日に函館短期大学付設調理製菓専門学校で試食会を開き、6品の料理でトラウトサーモンの味わいを楽しめる和食弁当に関係者が新たな需要開拓の可能性を実感。2030年度の北海道新幹線新八雲駅開業もにらんで商品化を進めていく。
関西電力株式会社とIMTエンジニアリング株式会社が共同出資し設立した「海幸ゆきのや合同会社」は18日、静岡県磐田市に7月新設した国内最大級のバナメイエビの陸上養殖施設で、初出荷に向けた水揚げ作業を実施した。電力事業で培った技術やAIを駆使して養殖施設の水質や水温管理を行い、年間約80トンの出荷を計画する。高品質な国産バナメイの量産化、安定供給を目指している。
京都大学や茨城工業高等専門学校、水産研究・教育機構などによる共同研究グループは、独自の安定同位体分析技術と画像解析によりマアジ耳石の超微小領域の炭素酸素安定同位体分析によって、海洋を回遊する魚類が1日単位で経験した水温の解明に世界で初めて成功した。この成果により、水産資源の動態評価や資源保全策の策定にも貢献できると考えられる
北海道の秋サケは、10月中旬で2017年(最終実績1572万4千尾、561億3745万円)以来5年ぶりに500億円の大台を突破した。道連合海区の集計によると、20日現在で前年同期比37.6%増の566億1388万8千円を水揚げ。500億円超えは17年より一旬早く、600億円に向け最終までの上積みが注目される。