むかわ町が建設を進めてきたシシャモふ化場が10月末に完成した。1級河川である鵡川の河口近くに位置。施設内には自然の産卵河床を再現した養魚池を整備、採卵数も旧施設の約3倍となる約1億4千万粒と拡大しており、シシャモ資源の安定・増大に期待が寄せられている。
札幌市中央卸売市場の生筋子消流は、水揚げに比例して取扱数量が昨年に比べ大幅に増えている。いくらの在庫払底下、ロシアの冷凍卵調達が厳しい状況も見込んで高値の前半戦から加工筋の手当てが進行。9月後半以降の盛漁で下げ相場となり、さらに活発化し、10月は昨年の2倍以上。道内産地全般で荷動きが伸長している。
ギンザケ養殖に取り組む岩手県の久慈市漁協(川戸道達三組合長)は海面いけすへの稚魚投入を完了し、今季の生産を本格的にスタートさせた。大手回転ずしチェーンのメニューに使われ、「久慈育ち琥珀サーモン」のブランド名が全国に浸透する中、市内サケふ化場の未稼働期間を活用した稚魚中間育成実証事業にも注目が集まる。今季は来年8月ごろまでに600トン以上の水揚げを計画している。
富山県以西の日本海で6日、ズワイガニ漁が解禁された。石川県では、メス「香箱ガニ」の最高級ブランドとして県漁協が今年新設した「輝姫(かがやきひめ)」の初競りで、橋立漁港(加賀市)の1尾が30万円の最高値を付けた。昨年の初競りで最高値が500万円だったオス「加能ガニ」の最高級ブランド「輝(かがやき)」には同漁港の1尾が認定され、100万円で落札された。
東京都・豊洲市場の北海道産ボタンエビ消流は浜値の上昇圧から卸値が高値のまま商戦終盤を迎えた。仲卸業者は「近年は高過ぎて需要の先細りを感じる」と肩を落とす。荷受は「全体的な不漁で浜値が高いことが背景。さらに産地荷主は消費市場の相場動向を見ながら出荷を調整し、価格を維持している」と話す。
イオンリテール株式会社は、水産庁が新たに制定した「さかなの日」(毎月3~7日)に賛同し、国内の水産物の消費拡大に向けて取り組む。月初めの週末に「イオン」「イオンスタイル」の本州にある約350店舗でサステナブルシーフードの売り場を拡大。全漁連とも連携して地域の旬の鮮魚を提供、説明員なども配置して消費者に水産品の魅力を訴求していく。
2022年度の第2次補正予算が明らかになり、経済産業省は東京電力福島第一原発事故に伴う多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の海洋放出に伴う500億円の新基金を創設する。風評被害を懸念する漁業者の事業継続を支援する。一方、水産庁による水産関連補正予算では、漁業者の減収を補てんする積立ぷらすに380億円、燃油代・養殖餌の代金を補助するセーフティネットに330億円を計上。物価高騰などによる経営への影響を緩和する対策に予算を充てる。
道東沖の巻網漁が10月末で終漁、主力のマイワシは金額が昨年比32%増の97億8434万円と大きく伸ばした。小型主体の組成で数量は4%減の22万4908トンと若干減少したものの、キロ平均単価が38%高の44円に上昇し金額を押し上げた
いぶり噴火湾漁協の有珠支所でナマコたも採り漁が始まった。1人当たりの水揚げは日量平均30キロ前後。序盤はうねりが強く海底が濁り低調にスタート。着業者は「特に深場は採りにくい」と話し、型は「例年より小さめ」と口をそろえる。2日の浜値はキロ3800円。序盤はシケが重なり満足に操業できていないため、「海が安定する今後に期待したい」と意欲を示す。
日本昆布協会(大西智明会長)は8日、新横浜プリンスホテルで秋の例会を開き、本年度上期事業の実施内容などを報告した。輸入昆布は中国産が当初計画を大幅に下回り、韓国産は価格で合意に至らず本年度の輸入を断念した。消流宣伝は大規模イベントへの参加やホームページを活用したレシピ掲載、昆布大使の増員などを行った。