日本昆布協会(吹田勝良会長)は6日、神戸市のANAクラウンプラザホテル神戸で秋の例会を開き、本年度上期事業の実施内容を報告した。輸入昆布は中国産が千トンの計画で9月末現在で約450トンを配荷。消流宣伝は大規模イベントへの参加や各地区団体が実施した食育教室への助成を行い、昆布普及に努めた。
道東沖の巻網漁が10月末で終漁した。道まき網漁業協会のまとめによると、主力のマイワシはキロ平均単価が昨年比36%高の60円に高騰し金額は同53%増の149億9555万円に伸長、32年ぶりに100億円を超えた。漁期を通し小型組成だったものの数量も同11%増の24万9771トンに伸ばした。
標津漁協のけた引が6日に始まった。日産37トンペースで9日までに74トンを水揚げ。仕向けは韓国向け活貝とみられ、浜値は高値がキロ400円、安値220円と堅調な出足。同漁協では「水揚量も上々で、順調にスタートできた」と話す。
宮城県漁協は、県産乾のり「みちのく寒流のり」の今季入札を12月2日に開始する。高水温の影響で生産が停滞し、最も遅い初入札会となるが、海況は回復傾向。国内最大産地の九州・有明海産の大不作で、昨季の国内総販売数は54年ぶりに50億枚を割り込み、メーカーが製品の値上げに踏み切るなど影響が出た。宮城産はコンビニのおにぎり用として引き合いが強まっている。今季の販売目標は前季実績比2割増の4億枚。優等級をそろえて高単価も狙う。
一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(FJ、宮城県石巻市、阿部勝太代表理事、電話0225・98・7071)など3者は、天然由来成分を売りにする自然派化粧品「KAISO」を共同開発した。ソープとハンドクリームの2品。磯焼け対策の役目を終えたコンブを有効活用した。未利用資源を付加価値の高い原材料に転換し、藻場再生活動に役立てるとともに循環型社会の実現にも貢献する。
トレーラ、トラックボデーを製造販売する日本トレクス(愛知県豊川市、高崎文弘社長)は冷凍冷蔵に対応した「スワップ冷凍バンボデー」を開発した。スワップボデーは取り外して他のトラック(キャリア)に付け替えられるボデー(荷台)。庫内温度はマイナス25度まで対応している。同製品は、政府が来年4月から働き方改革関連法で運転業務に時間外労働の上限規制を適用することでドライバー不足が加速し、物流に支障を来す「物流の2024年問題」に着眼点を置いている。同問題にはドライバーが荷物の積み下ろしのために待機する荷待ち時間、車中泊や宿泊を伴う長時間拘束などが背景にある。そのため、スワップボデーはドライバーが中継拠点で復路便の荷台に付け替える方法で長時間労働の解決につなげる。
東京都・豊洲市場のナメタガレイ消流は、煮魚の消費が伸びる気温低下が鍵を握る。7日に都心で25.7度と100年ぶりに11月の最高気温を更新。6日に釧路産を仕入れた仲卸業者は「最高気温15度を切ってくれれば、売れ行きは伸びていくだろう」と異常気象の動向を注視している。
道水産林務部の若手職員で構成する「道産水産物営業プロジェクトチーム(PT)」は7日、北海道キリンビバレッジ株式会社、株式会社魚国総本社と連携した道産水産物の消費拡大で、札幌市南区の学校法人宝流学園ルンビニー保育園、同もなみ幼稚園を訪れ、「カレイ」をテーマに、園児らに出前授業と料理提供を行った。これまでメニューの開発・提供や店頭販売などに取り組んできたが、食育活動は初めて。
漁連・漁協らが地元漁師自慢の魚「プライドフィッシュ」を選定してPRするプロジェクトが今年10年目を迎えた。これを記念し、イオンリテール株式会社は全漁連と協働して10~12日、「イオン」「イオンスタイル」など380店舗で10周年フェアを開催した。10月に新たに加わった魚種や、季節もの、その地域ならではのものを品ぞろえしたほか、未利用魚を活用した新商品を販売。官民協働の魚食普及プロジェクト「いいさかなの日」とも連動させ、国内の水産物消費拡大に取り組んだ。
釧路海域(白糠漁協、釧路3単協)のシシャモ漁は、10月24日に白糠が先行してスタート、魚体が大きいものの水揚げは昨年を下回る出足となった。漁場が陸側に偏重、1隻当たりの日量(箱数)は1桁が多く、混獲のガンズが大量に入網し網揚げに苦慮。27日以降はシケも続いた。漁獲ノルマ減枠の操業下、浜値も高騰した昨年を大きく下回る苦しい展開となっている。