噴火湾では水揚げ最盛期と新型コロナウイルスの感染拡大が重なったことから、中国向け冷凍両貝が停滞しボイル主体の製造に切り替わったものの、巣ごもり需要が追い風となり、売り場を縮小していた量販店の販売が好転した。今後は鍋商戦を迎える年末年始の消化に期待が掛かる。
三陸のホタテ養殖が苦境に立たされている。宮城、岩手両県の生産海域は近年、長期にわたり規制値を超えるまひ性貝毒が検出され、主力の活貝が安定出荷できない状況が続く。両県は出荷基準の緩和で打開を図るが、今季は新型コロナウイルスの影響も直撃。飲食店の休業による需要の落ち込みで浜値は3割下がった。出荷形態は生玉や玉冷にシフト。販売戦略の見直しを迫られる加工業者も苦悩の日々を送る。
ニチモウ(株)(東京都、松本和明社長)が紋別事業所(内田弘二所長)に建設を進めていたホタテ加工の専用工場が完成し、10月に稼働を開始した。玉冷の増産・販売拡大に向け選別・パッキング機能を先行整備。今後原貝処理施設も整備し、来季には原料から最終製品まで一貫した自社の生産体制を確立する。併せて対米HACCP認定取得を進めて国内外への安定供給を目指す。
興部町の広瀬水産(株)(廣瀬哲二社長、電話0158・83・2111)の紋別工場が9月に一般社団法人日本食品認定機構の米国向け水産食品加工施設HACCP認定制度の認定を取得した。対象製品は冷凍ホタテ貝柱(玉冷)。国内市場での商品力向上に加え、米国など海外市場への販売拡大を目指す。
噴火湾では9月以降、表層から深い水深帯まで高い水温が長期間続いたことから、ホタテ養殖漁業者は成育への影響を不安視している。少なくても10月上旬まで表層から水深60メートルの水温が均一に20度程度となった。道総研函館水産試験場は「東風が長期間吹き、表層の温かい水が深い水深まで流入した」と説明、過去に例のない珍しい現象と捉えている。
いぶり噴火湾漁協は、ホタテへい死対策の一環で礼文、豊浦支所に計27台の高酸素海水製造ユニットを導入した。今春の耳づり作業から順次、使用している。 コンプレッサー内蔵型で、循環ポンプをつなげると、くみ上げた海水の酸素濃度が一気に上昇する仕組み。近年、高水温に伴う溶存酸素の低下によって、へい死の発生が増加傾向にある中、生存率向上が期待できるため、使用者はホタテ養殖漁家を中心に北海道各地で増えている。
いぶり噴火湾漁協の稚貝本分散が全地区で始まった。成長は例年より伸びているが、一部で変形や欠刻を心配する着業者もいる。虻田本所と豊浦・礼文支所が9月後半にスタート。9月前半から始まっている伊達・有珠支所はシケの影響で遅れており、10月前半には終了する見通し。
留萌管内(増毛・新星マリン・北るもい・遠別漁協)の稚貝本分散は、苫前地区を皮切りに9月中旬から順次始まった。選別機の通し穴は13ミリと例年並み。韓国向け活貝出荷中の羽幌と、水温低下を待つ遠別は9月末に開始する予定。
渡島噴火湾では稚貝の本分散が9月から始まった。進ちょく状況は地区間で異なるが、前半に連続したシケの影響で作業はやや遅れ気味。場所によっては空貝が目立つ地区もあるようだが、おおむね必要量を確保できる見通し。
ホタテの消費拡大を目的に、道漁連と道ほたて漁業振興協会は、グループ企業が製造するホタテ製品を道庁地下大食堂の特別メニューに提供している。フライ定食を販売した初日の4日は正午前に完売する大盛況ぶり。当面2~3カ月続ける予定だ。