岩手県産ワカメの初入札が13日、大船渡市の県漁連南部支所で開催された。ボイル塩蔵は5636箱(1箱15キロ、84.5トン)の上場。芯抜き1等は10キロ1万7300円~1万5千円台中心となり、昨年初回を1割程度上回る落札が多くなった。中芯は半値に。生育や実入りは地域差があるが、全体的には例年並み。南部が比較的好調だ。
養殖ギンザケの生食向け出荷拡大が目指される宮城県で、生食向けに必須の活じめを効率的にする「電気ダモ」が製作された。海面いけすから水揚げする通常のたも網に電極を装着してギンザケを感電、仮死状態にして活じめしやすくし4割効率アップ。活じめを一気に拡大する可能性がある市場設置型装置も試作された。
成熟期のマダラの雌雄が判別できるようになった。岩手県水産試験研究成果等報告会が5日に釜石市の県水産技術センターであり、同センター利用加工部の藤嶋敦主査専門研究員が発表した。電気インピーダンス法による魚用体脂肪計で開腹せずに性別を見極める。
水産庁によると、2016年に沿岸付近で摘発した密漁の件数は1531件で高価なアワビ、ナマコなど貝類の被害が半数以上を占めた。北海道や青森県では大規模なナマコ密漁団が摘発されたが、密漁は依然後を絶たないのが現状。漁業界では、国や自治体の補助を受け、「被害は莫大な金額に上る。有効な防止システムで組合員の負担軽減につなげたい」(全漁連)と対策に乗り出している。
岩手県産ワカメの生原藻相対販売分の値決め会が2日、大船渡市の県漁連南部支所であった。3~20日出荷は基準価格125円となり、昨シーズンと同値でスタート。買受人に厳しい価格となったようだ。今季は3320トンが予定され、刈り取りは5日から徐々に活発化。
東日本大震災から7年が過ぎようとしている。被災地の再生を後押ししてきた国の復興支援事業により今年、サバの抗酸化成分が脚光を浴びそうだ。漁業者の減少に拍車がかかった沿岸では、外国人技能実習生が操業を支え、養殖作業で頼みとなり、水揚げを戻そうとしている。
サバの加工残さに含まれる抗酸化機能成分「セレノネイン」を抽出する技術が岩手県で確立し、これを素材にした健康食品が今秋に販売される見通しだ。国の震災復興支援事業で研究、実証実験が進み結実。アンチエイジング効果や養殖魚の品質アップも期待され、残さの価値を高めそうだ。
株式会社極洋はグループ会社・極洋食品㈱の塩釜工場=写真=で水産加工品の生産工程の「見える化」に関する実証実験を実施。その結果、生産効率の向上につながる効果を得たとしている。NECソリューションイノベータ株式会社や東北大学大学院工学研究科らが協力。今後も実証を続け、生産現場の効率改善や熟練者の技術の継承、生産工程の省人化を図り、持続可能な水産加工品業の実現をめざす。
宮城県のホタテ養殖で地種新貝の水揚げが5日ごろから始まる。中部地区の県漁協女川町と北上町十三浜の両支所産で、事前の初値決め会で470円プラス・マイナス10円となった。北部の唐桑支所でも水揚げ準備が進む。
宮城県の小型底引船・第二山神丸(FRP製9.7トン)が竣工し20日、進水披露が石巻市小渕の表浜港などであった。有限会社大勝造船(南三陸町)が建造した最新鋭のスタン・トロール船で、木村優治船主(同県漁協表浜支所組合員)は「ほぼ思った通りの出来上がりで満足」と喜んだ。頑丈な船体と油圧での揚網力アップが特長。活魚出荷の装備も充実させた。
シーズン入りした三陸ワカメで、芯取り機が開発され、深刻化する人手不足の解消に期待が高まっている。株式会社タテックス(静岡市)が製造し、開発に協力したマルキ遠藤株式会社(石巻市)が販売代理店となり、熟練作業者並みの処理能力を実現。ギヤードモーター3台の独立制御による最適な条件設定と、オールステンレス製で完全防水、水洗いできるのが特長だ。