三陸のイサダ(ツノナシオキアミ)漁解禁は、岩手県が21日、宮城県が3月1日となる。漁獲枠は両県各1万5000トンで昨シーズンと同じ。近年は漁模様が不安定、昨年までの2シーズンは価格が高騰しており、ハシリが注目される。今季価格に影響する昨シーズン産在庫は産地と消費地にそれぞれ少量とみられる。
かまぼこ店の株式会社及善商店(南三陸町)と株式会社かねせん(気仙沼市)の経営者2人はベンチャー企業「三陸フィッシュペースト株式会社」を立ち上げ、常温保存が可能な笹かまぼこを開発した。冷蔵保管が必要だったり、賞味期限が短いなど、これまでのかまぼこが抱えていた課題を克服。練り製品の国内需要が減少する中、土産品や子供向けおやつなど新たな需要の掘り起こしに注力していく。
青森県深浦、今別両町沖のサーモン海面養殖は今季、約600トンの水揚げが見込まれ昨季の10倍近くなる。深浦の2カ所は事業化に移行、今別は引き続き試験養殖しながら規模を拡大。将来的には1万トンの生産が目指され、国産の生食向けとして存在感を高めていく。地元の期待も大きい。
宮城県や県の水産加工関連団体は1月30日、水産加工品品評会を女川町まちなか交流館で開き、12の各賞を決めた。最高賞である農林水産大臣賞には株式会社鮮冷(女川町)の「わが家のつみれ さんま」が選ばれた。各社からの出品はどれも創意工夫に満ちあふれた製品ばかりで、今後の県の水産振興に期待を感じさせる内容となった。
青森県陸奥湾で漁港を有効利用したナマコの増殖が試みられている。漁港入り口となる開口部の海底に空気だまりを持つ特殊ブロックを沈め、ナマコを封じ込め成長させる取り組み。採苗器に稚ナマコを付着させて漁港内のホタテ貝殻礁に移して育成し、港外のナマコ漁場に貝殻礁ごと運ぼうという挑戦も。いずれも漁港を静穏域として活用する新たな増殖手法として注目される。
福島県の新たな種苗生産・供給拠点として「水産資源研究所」が発足、本格稼働が目前に迫っている。火力発電所の温排水をヒラメ、アワビ、アユなどの生産に活用。資源の管理研究なども行う。施設は相馬市と新地町にまたがって新設され、沿岸漁業の復興の拠点としても期待される。
深刻化する人手不足の解消に期待が高まる塩蔵ワカメの新型芯取り機を(株)タテックス(静岡市)が製造し、開発に協力したマルキ遠藤(株)(石巻市)が販売代理店として発売した。ゴムローラーを改良し、さらにフックを取り付けたことで葉や芯が途中で切れる問題を解消。作業効率が格段に向上し、熟練者並みの処理能力を実現した。
健康食品として注目が高まっている海藻ダルスを養殖する国内初の試みが宮城県で進んでいる。既存のワカメ養殖施設を転用でき、今季から生産現場で試験的に完全養殖のサイクルが始まった。収入の少ない1~2月ごろに収穫でき、端境期の新たな養殖種として期待される。
青森県の昨年のコンブ実績は、数量が前年比29%減の290トン、金額は同30%減の5億7700万円、キロ平均単価は同2%安の1986円となった。
三陸ワカメの刈り取り、ボイル塩蔵加工が4日、宮城県気仙沼市の階上地区で始まった。生育は順調だが、収穫時期の早い地種は挟み込みが1カ月近く遅れた影響で葉の伸びや実入りが例年を下回る。収穫開始を後ろ倒しにする漁家が多く、同県産の初入札は例年より遅れそうだ。