宮城県気仙沼市で水産業と観光業の一大拠点として、気仙沼魚市場に隣接していた海鮮市場「海の市」。東日本大震災で甚大な被害に見舞われたが、建物の補修改修を経て、同市自慢のサメをテーマにしたミュージアムや観光施設が4月2日にプレオープンした。関係者が集って再開を祝い、復興に向けた歩みの継続と発展を誓い合った。同施設のメーンとなる海鮮物や水産加工品の物販、魚介類中心のレストランなどは7月までに再開される予定だ。
岩手県産ワカメの入札が南部地区で26日、北部地区で27日に開催された。ボイル塩蔵は合わせて2万7886箱(1箱15キロ、418.3トン)上場。芯抜き1等(抜1)は10キロ7000円台中心となり、前回の初入札より下げる浜が多く、震災前を下回る水準となった。三陸産の在庫の多さと原発事故の不評懸念が大きな要因とみられるが、実入り不足なども指摘された。
宮城県の養殖ギンザケ水揚げが24日始まり、石巻魚市場に3トン上場、キロ1200~1020円で落札された。昨季を400~200円上回るスタートで二十数年ぶりの1000円超え。成長は昨季よりやや良く、平均サイズは1.2~1.3キロ。今季の生産見込みは1万3000トンで、競合するチリ産の減少、高値で安定価格に期待が掛かる。
宮城県気仙沼市の気仙沼ほてい㈱(山本達也社長、電話0226・22・5300)は、4月から女性をターゲットにした「コラーゲン入り ふかひれスープ」と、ブリ缶詰のシリーズ品最新作となる「ぶり大根」を発売する。
「ふかひれ」生産量日本一の実績を誇る気仙沼で同社は、さまざまな「ふかひれ」シリーズを展開している。濃縮スープシリーズの「広東風」「北京風」「四川風」のほか、アッパータイプの、鶏肉入り・かに肉入りストレートスープ、ギフト用セットや高級ふかひれ姿煮、さらにはふかひれラーメンなど、多彩なラインナップを誇り、いずれも高い人気を得ている。
宮城県気仙沼市の気仙沼・本吉地区水産物普及協議会(会長・阿部泰浩㈱阿部長商店社長)は7日、「三陸水産物ブランディングプロジェクト」の事業方針を発表した。今夏にオープンする商業観光施設・レストラン「海の市」を拠点に、生産者と加工・流通業者の連携で、三陸産を前面に打ち出した商品、サービスを提供していく。
岩手県産ワカメの初入札が14日、大船渡市の県漁連南部支所で開催された。ボイル塩蔵は3876箱(1箱15キロ)上場、芯抜き1等は最高値が重茂産の1万230円(10キロ値)、5浜産が7千円台の落札となった。数量の多い抜1等が昨年の初値を大幅に下回り、生産者には厳しいスタート。三陸産の在庫水準の高さと福島原発事故の風評懸念が要因とみられる。
岩手県釜石市の平庄株式会社(平野隆司社長、電話0193・22・1097)は、隣接の大槌町に将来の事業展開を見据え「平庄株式会社大槌食品工場」を建設した。高次加工商品を生み出す新たな構想のもと、各種の最新鋭機器を装備した工場。4月からの本格操業を目指す。
岩手県宮古市の共和水産株式会社(鈴木徹社長、電話0193・77・4625)は、生産能力でこれまでの約2倍の規模となる新工場を建設した。前浜宮古で獲れるスルメイカや魚介類への愛情とこだわりを持ち続けて自慢の商品を展開している。スル メイカの生食を中心とした末端向け商品を展開する工場で、東日本大震災からの地元復興に意欲を燃やしている。
岩手県の田老町漁協(小林昭榮組合長・宮古市)は2月26日、アワビ種苗生産施設を同市の摂待漁港に竣工した。東日本大震災の津波で流失した施設の新設復旧で、震災前と同様に30ミリサイズで120万個の生産を目指して4月から採苗し、来年6月に待望の放流を再開する。アワビは組合員のうち450人が着業する大宗漁種で大きな収入源だけに、増殖による資源と生産の回復に期待が掛かる。
岩手県の重茂漁協(伊藤隆一組合長・宮古市)は10日、「復興缶詰・味付さば」(復興鯖缶)の本格販売を開始した。同漁協自営定置の根滝漁場で水揚げされた脂乗りの良いサバを厳選し、しょうゆと昆布などの天然素材だけで味付け。大震災からの「復興の旗印に」と企画、早くも好調な売れ行きだ。