4、5日に発生した台風21号で、鹿部漁協の一部のホタテ養殖施設が被災した。切断したけたや脱落・絡まった耳づりなど計32台が被害に遭い、復旧不可能な施設を7、8日に台船で引き上げた。渡島総合振興局によると出荷できないホタテを合わせた被害総額は6300万円に上る。
根付資源で重要な収入源のナマコ。特に近年回遊魚の資源が低迷し、種苗生産放流への取り組みも拡大を続けている。人工種苗の放流効果、ナマコの寿命や成長など生態解明に取り組んでいる道総研函館水試は今年度、放流種苗を効率的に資源に添加するための試験研究に着手。2022年をめどに放流技術マニュアルの作成を目指す。研究事業を担当する調査研究部管理増殖グループの酒井勇一主任主査に聞いた。
秋サケ定置漁の解禁に伴い、道漁連、北海道秋鮭普及協議会は、「北海道産秋鮭食べつくし隊!」と銘打った消費拡大キャンペーンを展開していく。3日には秋サケの初入荷に併せ、札幌市中央卸売市場水産協議会と、同市場でPR活動を実施。メディアや市場関係者に秋サケいくら丼の試食提供などで旬到来をアピール。消費や売り場回復へ宣伝・販促活動をスタートした。
えりも漁協のコンブ採りが漁期後半に入っている。今季は総体的に繁茂していたが、シケや悪天候の影響で2日現在の全地区延べ採取日数は昨年同期比19日減の126日。シケでコンブが抜けた漁場もあるが、着業者は「海にはまだある」と言い、今後の好天に期待している。
札幌市のかまぼこ・すり身メーカー、株式会社かね彦(中島代博社長、電話011・823・1181)は、北海道産素材で名産地を冠した商品を打ち出している。猿払産ホタテと増毛産甘エビを使った「炙り焼蒲鉾」2品=写真。土産品やギフトなど国内需要に加え、拡大が続くインバウンド消費の獲得も狙っている。
えりも以西栽培漁業振興推進協議会の諮問機関「マツカワ魚価対策プロジェクトチーム」は3日、札幌の第二水産ビルで2018年度第1回本会議を開き、消費地の実施先拡充など「消費拡大イベント」の開催概要を決定。また、登録商標「王蝶」ブランドの展開で専用ロゴ・タグの19年度運用に向け、管理規程案や使用基準・申請方法などの管理運用実施細則案を承認した。
6日未明に発生した「北海道胆振東部地震」で全道的に停電状態となり、水産物の流通にも影響が広がった。札幌市中央卸売市場では競りを中止。搬入されていた水産物は氷を入れ替えたりシートで覆うなどして品質保持を図った。産地でも市場、地元加工業者の工場や冷蔵庫が稼働できず、休漁を余儀なくされる地域も出た。
ひやま漁協熊石支所相沼地区の門脇謙哉さんは今年、自身が採取したムラサキウニを使い無添加の塩水パック加工に乗り出した。清浄性などの特性を持つ地元の熊石海洋深層水を紫外線殺菌冷却装置でさらに滅菌・低温管理して活用。むき身の洗浄や製品の品質管理でも徹底したこだわりを持ち生産。「門脇のウニ」を前面に押し出した専用ラベルを貼り、函館の鮮魚店に出荷している。
函館特産食品工業協同組合(古伏脇隆二理事長、組合員52社)は創立60周年を迎え、8月24日、函館市のホテル函館ロイヤルで記念式典・祝賀会を開いた。組合員や取引先など130人が出席。「イカ珍味加工のまち」として全国に知られる強固な産業基盤を築いてきた足跡の重みを噛みしめ、第3次イカ不漁期の苦境を乗り切って、100年に向け一層の発展を誓い合った。