函館市漁協のイカ釣船は主漁場を前浜(津軽海峡)中心に移して操業しているが漁模様は低調に推移している。水温も高く、着業者は「いけす出荷用として魚倉に入れたイカが弱り死んでいく」と影響を話す。
太平洋側の青森・岩手沖で好漁のスルメイカ。多くのイカ釣船が集まる中、道南・えさん漁協の所属船も八戸や久慈沖などで操業、型は小さいものの好調な水揚げで推移。今後もイカの北上に合わせて各地で操業していく。
厚岸漁協のアサリ漁は1月から禁漁期前に当たる7月上旬までの出荷量が昨年に比べ増産となった。全体で前年同期比11%増の989トン。キロ平均単価は5%高の739円と前年を上回った。着業者は禁漁明けの好漁況持続に期待している。
サーモン業界初の機能性表示食品「薬膳サーモン」の開発・販売を手掛ける株式会社BKTC(東京都)の小瀧由貴社長が白老町観光大使に就任した。白老町の養殖場で生産された「白老産薬膳サーモン」を全国に発信し、白老町の新たな特産品の創出、食と観光振興などに寄与していることから、町が7月3日付で任命。8月22日に町役場で委嘱式が行われた。小瀧社長は薬膳を取り入れた養殖用飼料「約全健美」を開発・販売。それを給餌して育成した「薬膳サーモン」の含有成分・アンセリンが尿酸値の上昇を抑制する研究レビューが認められ、消費者庁に機能性表示食品の届け出が受理されている。また、「臭みが全くない」などの特徴が水産業者、調理者などから評価を得ている。
東京都・豊洲市場のサンマ消流は、順調な入荷で商戦のスタートを切った。8月下旬としては数年ぶりの大型組成で脂乗りも良く、仲卸各社が販売に注力。ただ、漁が途切れる心配が拭えず、漁模様の変化に細心の注意を払っている。相場動向は盆休み明けに2キロ箱12尾の競り値が2500~2400円程度だったが、8月25日には3千円前後まで上昇。仲卸業者は「組成が落ちてきて値段が上がってきた感じ」と話す。
株式会社極洋の東京支社と極洋商事株式会社は8月22日、東京永田町のザ・キャピトルホテル東急で合同の展示商談会を開催した。「魚を食おう!」をテーマに、秋の新商品、秋冬・年末向けのお薦め商材を中心に業態別に展示した。来場した得意先・取引先約250社約千人に、魚食普及へともに取り組んでいけるよう働き掛けた。
青森県の八戸市魚市場がスルメイカの好漁で活気づいている。市によると8月25日現在の水揚数量は634トンで、前年同期(87トン)に比べて7.2倍。金額は4.2倍の3億9482万円に上る。多い日には60~80隻が入港し、25日には今季最多の39トンを水揚げした。県内船のほか北海道や岩手、宮城など県外の船も多く、入船するイカ釣漁船の3~4割が県外籍という。昨年までの不漁から一転、各船とも「今年はいい」と口をそろえる。
道南・黒口浜に位置するえさん漁協の天然マコンブは古武井・尻岸内両地区で採取。ただ、陸側の限られた場所にしか着生しておらず、着業者は「沖には全くない。少しでも資源が回復してくれたら」と願う。
ホタテと兼業でカキ養殖を手掛ける森漁協所属の株式会社イワムラ水産は、大型ブランド「秀峰牡蠣」の生産が昨年を上回り好調だ。一方、低水温の深場に垂下し産卵を抑え生食用端境期に水揚げする熟成ブランド「碧」(あおい)は、9月から順次出荷を開始する予定で、昨年の2倍となる10万個の生産を計画している。
ひやま漁協乙部支所元和地区の町中漁業部・町中達成さん(34)は漁業を営む傍ら、キッチンカーで焼き団子の移動販売を展開している。養殖ホタテの大量へい死をきっかけに「漁業だけに頼らない収入源を」と、2023年1月から“兼業漁師”のワークスタイルに乗り出して3年目。今ではホタテ・岩ノリの新規需要獲得など本業・漁業に波及効果が生まれ、新展開への挑戦心も養っている。