歯舞漁協あさり部会は4月中旬からトーサムポロ沼の漁場整備を進めている。過密解消のための移殖放流とともに砂入れも実施。長山吉博部会長は「現状の課題は小型サイズの過密解消。密度が薄い場所に移殖し、アサリの成長を促進させ水揚げの効率化につなげたい」と示す。個人ノルマを消化した着業者から順次漁場整備に移行。4月18日から実施している。潮当たりが良い場所などを中心に過密傾向にあり、移殖するアサリの採取には海水用エンジンポンプを使用。海水噴射による水流・水圧で砂上に転がったアサリを採取でき、従来の熊手による採取に比べて作業を効率化。密度が薄い場所を選んで移殖している。
2年目の取り組みとなる落部漁協かれい刺網部会(宮本弘文部会長)の促成マコンブ養殖試験事業は、2月の間引き作業を経て順調に生育している。宮本部会長は「順調に育てば昨年以上の製品出荷が見込める」と十分な手応えを感じている。天然コンブの減少や魚価安などを背景に、漁船漁業者の新たな収入源を確立しようと乗り出した。2024年11月にホタテ養殖施設の一部で許可を取得し、直下型の養殖試験を3年間進める。
国内生産の9割以上を占める主産地・北海道のコンブは減産傾向で推移している。昨年度も9907トンにとどまり2年連続の1万トン割れ。近年は海水温の上昇が著しく生育・資源状況に大きな影響を及ぼしている。将来を見据え、生産者や関連団体・企業、研究機関などが連携し、種の保存や増殖手法の開発など海の変化に対応した取り組みに注力している。また、着業者の減少に加え陸上作業の人手不足も慢性化しており、これらに適応した持続可能なコンブ漁業の構築を目指した調査研究も進んでいる。
北海道大学や南かやべ漁協、フジッコ株式会社、理化学研究所の4者によるマコンブの育種研究が順調に進んでいる。高水温など環境耐性に優れた株の作出を目指す取り組みで、種苗投入する秋と、枯れが進み付着物も散見する夏の高水温に着目。これらに対し耐性を持つことで、種苗投入時期を早められ十分な養成期間を確保できるほか収穫期の品質低下を抑制することが成果として期待できる。昨年も優良個体を選抜し種苗生産、順調に生育している。北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの四ツ倉典滋教授は「今年もより良い個体を求め耐性株を作っていきたい」と強調。本年度中の品種登録も目指している。
渡島地区水産技術普及指導所は、養殖コンブに付着するヒドロ虫類(通称「毛」)の生態把握調査に取り組んでいる。2年目となった昨年度も引き続き道南海域で分布調査を行い、新たな出現種も含め5種類確認。津軽海峡側で優占度の高いモハネガヤの飼育実験では水温11、13度の条件下でポリプ(基質に付着している状態)が比較的成長したことも分かった。また、養殖施設に付着板を垂下し、基質選好性などを把握する調査も進めている。
水産庁は4月28日に東京都内で開いた2026年漁期のサンマTAC設定に関する意見交換会で、前年比4%減の9万1554トンとする案を示した。4月に開催された北太平洋漁業委員会(NPFC)の年次会合で公海と日ロ200カイリ水域内の漁獲上限を昨年から5%削減することを含む保存管理措置が採択されたことに対応した。
宮城県塩竈市で3月、停泊していた宮城海上保安部の巡視船から重油が流出した問題で、水産庁は4月28日にタスクフォース(緊急の横断的な対策本部)を立ち上げた。2日前に鈴木憲和農水相が現地を視察し、生産者から「行政機関による連携した対応を」との要請を受けており、本部は農水省や環境省など複数の機関で構成。海上保安庁が生産者らに被害を賠償する方針を示すなど、今後の方向性について協議した。
岩手県の宮古漁協(山根秀幸組合長)が養殖する「宮古トラウトサーモン」の今季出荷が4月28日に始まった。初日は前年の倍となる6.3トン(約3千尾)を水揚げした。秋サケなど主要魚種の減少を打開すべく2019年にスタートし今年で7季目。いけすを1基増設し、計6基で前年実績(225トン)の3割増となる300トンの生産を計画する。増産と安定供給により、ブランド認知の一層の向上を図る。
稚内漁協のウニたも採り漁は4月1日にノナ採りが解禁した(声問地区は5月の連休明け)。序盤の漁況に対し、着業者は「例年に比べてコンブが極端に少なく、身入りも芳しくない」と強調。盛漁期となる6月以降の身入り向上に望みをつなぐ。
オホーツク海沿岸の漁場造成は、4月末で前年同期比37%減の1万2200トン余りとなった。悪化していた歩留まりは6~7%台と昨年並みに上昇。現時点の組成は5S、6S中心で昨年同様に小型だが、漁協・加工関係者は今後の推移を見守っている。浜値はキロ200円台で始まった。