東京・六本木のバルスタイルのウニ料理専門店「UNIHOLIC(ウニホリック)」((株)kuLo運営)は、店舗のメニューを自宅で再現できる料理キットの販売に着手した。消費者の外出自粛が続く中、「ステイホーム」生活にちょっとした贅沢をウニを使って提供する。店側も営業時間の短縮による減収幅の縮小を図り、新たな収入源の確保に向け活路を見いだしていく。
オホーツク沿岸の漁場造成で水揚げされた卵付きの天然貝が、4月中旬以降、中国向けの冷凍両貝に仕向けられた。中国の状況について、加工筋は「工場再稼働後に北朝鮮産が輸入できず、仕事買いの側面もある。卵付きのオファーで一時的だった」と説明する。
北海道のコンブは、6月から釧路・根室のさお前、渡島の促成などで水揚げが始まり徐々に本格化する。生産は減少傾向が続いており、昨年度の道産コンブ格付実績は過去最低の1万2921トンまで落ち込んだ。消費も近年低水準で推移。日本の食文化を支えてきた産業が今苦境に立たされている。業界団体や研究者らは増産と需要喚起に向け注力。昆布だしにこだわりを持ち、その魅力を伝える人たちもいる。コンブを次世代へとつなぐ─。その思いや取り組みを取材した。
岩手県宮古市でトラウトサーモンの海面養殖試験が本格化している。4月24日、宮古漁協が宮古湾内で育てた活じめの500尾が市魚市場に初出荷され、キロ千円を最高値に平均760円の高値スタートとなった。ブランド名称は「宮古トラウトサーモン」に決定。7月末まで毎週千尾ペースで出荷される。秋サケなど主要魚種の不漁が続く中、宮古の新たな特産品としての成長に期待が集まる。
スモークサーモンのブランドメーカー・王子サーモン(株)(本社東京都)は昨年から製造後ノンフローズンでチルド流通のスモークサーモンを、道内はじめ関東・関西圏など全国に展開している。出来たての食感と風味を提供。量販店を中心に売り場が拡大している。
沙留漁協でコンブ漁を営む竹内漁業部(竹内清代表)はとろろ昆布やだし昆布を商品化し、興部町にある道の駅「おこっぺ」などで販売している。品質の高さから支持を集め、リピーターを獲得している。2016年1月に販売を始めたとろろ昆布の原料は「風味が増すようにするため、天日干しにしている」と竹内代表。とろろの商品名は「幸(さっ)ちゃんとろろ」。陸回作業に従事する竹内代表の母幸子さんの名にちなんだ。同年に売り出しただし昆布は「幸ちゃん昆布」。道の駅やオホーツク紋別空港で販売。道内外で行われる物産展でも好評を博し、沙留産利尻昆布の存在感を高めている。
春漁を迎えた北海道産タコの製品相場が不透明感を抱えている。新型コロナウイルス感染拡大で消費動向に加え、アフリカ産の水揚げや欧州勢の買い付け動向など不確定要素が存在。加工流通筋は需給構造の先行きが読めず手探り状態。一昨年の高騰に比べ落ち着いた相場で推移してきたが、アフリカ夏漁の動向次第では道産タコの引き合いが強まるとの見方も出ている。
道経済部は23日、新型コロナウイルス感染症の影響で緊急的に人材を必要としている企業などの求人情報を提供する「北海道短期おしごと情報サイト」を開設。活用を呼び掛けている。問い合わせ先は道経済部産業人材課人材確保支援係(電話011・251・3896)。また、札幌商工会議所も21日にホームページ内に同様のサイト「新型コロナ雇用対策掲示版 ジョブボード北海道」を開設。掲載無料。情報の掲載を希望する道内企業や農漁業者らを募っている。問い合わせ先は札幌商工会議所人材確保・活用課(電話011・231・1772)。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響が水産業界にも及ぶ中、宮城県内の若手漁師らでつくる一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(FJ、本部・石巻市、阿部勝太代表)は、朝獲れの鮮魚を詰め合わせたセット商品のネット通販を開始した。石巻から直送される鮮度抜群の魚は下処理が施され、オンラインでさばき方を学べる特典付き。外出を控えて自宅で過ごす「巣ごもり消費」の需要を取り込み、魚食普及につなげたい考えだ。
プラスチック容器メーカーの中央化学(株)は冷凍商材に最適なトレーを開発・生産している。顧客の要望をヒアリングしながら設計。素材の特徴と消費者の利用を細かく分析しながら作り上げていく。近年は冷凍総菜の需要が伸びているのを受けて、一食分で食事が完結する麺や丼ものなどに使われる容器の開発に注力。汎用性の高さから水産物への応用が期待できる。