岩内町の有限会社カク一佐々木商店(佐々木奈輝社長、電話0135・62・2305)は、まちを代表するニシンやたらこの商品展開で若年層など消費の裾野拡大に力を入れている。地元・岩内高校とコラボした商品開発も実施。昨年にはECサイトを立ち上げ、周知を兼ねた新聞折り込みチラシの作製・配布といった新たな販売戦略も打ち出している。
北海道のタコは減産高値基調で推移している。昨年の全体数量は6年ぶりに2万トンを切り今年1~4月も前年割れの漁況。アフリカ産の供給減も相まって、昨年の浜値は高騰した2018年並みの水準まで上昇、今年も強含みの展開。品薄下で引き合いが強まり、札幌市場の煮だこ相場も「今までにない価格帯」(荷受)に高騰。春漁本番を迎えた北海道とアフリカ夏漁の漁況次第では高止まりの様相で、関係者は消流鈍化の警戒感も抱えながら商戦に臨んでいる。
世界中で消費されているポピュラーな魚介類の一つエビ。市場は緩やかな成長が見込まれている。国内もコロナ禍による外食需要の減退、巣ごもり消費の伸びなど構造変化に対応しながら、バナメイなど輸入養殖物を主体に堅調。北海道産は2016年から減産基調で資源動向が懸念材料だが、刺身・すし種をはじめ各種料理素材で量販店や飲食店の集客商材として存在感を放っている。
海水温の上昇など海洋環境の変化を受け、スルメイカなど天然回遊魚の水揚げが伸び悩む北海道日本海沿岸。安定的で持続的な漁業生産体制の構築を目指し、トラウトサーモン(ニジマス)養殖を推進する動きがひやま漁協管内を中心に活発化している。現状は自治体と漁業者が連携し、試験段階で実施しているが、水揚げ3期目を迎えた八雲町熊石では生産実績を積み重ね、事業化も視野に入れている。さらにせたな町大成区では初水揚げ。生産性や採算性などクリアしなくてはならない課題を抱えているが、道産養殖サーモンのブランド確立による苦境打開への挑戦が拡大している。
飲食店経営や近年では水産業にも参入して力を入れている株式会社SANKO MARKETING FOODS(東京都、長澤成博社長)は17日、東京・豊洲市場の大卸・綜合食品(野中昭三社長)の全株式を取得し子会社化すると発表した。同日開催の取締役会で決議した。市場卸のグループ化で中期事業計画に位置付ける水産事業6次産業化モデルの構築を加速させるとともに、安定的に水産資源を提供する体制を確立。また、豊洲市場を利用する荷主や顧客に対し、グループ独自の価値提案を図っていく。
首都圏を中心に鮮魚専門店を展開する東信水産株式会社は、自社生鮮加工(プロセス)センターの「東信館」に株式会社テクニカンの液体急速凍結機「凍眠」を導入し、冷凍刺身や冷凍すしを開発した。高品質な冷凍加工を施すことで、家庭での解凍後も冷蔵品と遜色のない仕上がりで再現することに成功した。生鮮品では難しかった全国配送も可能となり、自社店舗ではなく、主に外販向けに売り出していく。
後志管内や留萌管内といった北海道日本海沿岸のエビかご漁が序盤に壊滅的な漁模様に見舞われた事態を受け、道総研中央水産試験場が余市郡漁協のエビかご船団と連携し、4月中旬と下旬に海底調査を実施した。漁獲減の要因を巡って、日本海の漁業者らは冬場に回遊、大量死したイワシが海底に沈んだため、かごの餌に付かない状況を推察。調査では海底にイワシの死がいを撮影できず、因果関係を特定できなかったが、7月に行われる引網調査の結果などを踏まえ、不漁原因の究明を目指す。
株式会社ライフコーポレーションは4月28日、同日開業した東京都江東区の大型商業施設「カメイドクロック」内にスーパーマーケット「ライフ カメイドクロック店」をオープンした。水産売り場では、対面販売コーナーや店内加工の総菜コーナーを充実させている。広いスペースを確保した対面販売コーナーでは、豊洲市場を中心に仕入れた魚介類を豊富に取りそろえている。丸魚も所狭しと並べ、消費者の要望に応じた調理サービスや各魚種に合った食べ方を提案する。
函館市で飲食店3店舗を展開する株式会社菊地商店(函館市、菊地寛社長)は16日、札幌市中央区南6西4の高瀬ビル1階に「函館海鮮料理 海寿(かいじゅ)札幌店」(電話011・252・7310)をオープン。北海道最大の繁華街・札幌市すすきのは初進出。白と赤を基調に洗練された空間の店内=写真上=で新鮮な海の幸を堪能できる。
房総半島南東部の広域組織・千葉県沿岸小型漁船漁協(鈴木正男組合長)はキンメダイの持続的利用に向け、1969年から5単協16船団全210隻の意見をくみ取った話し合いで操業ルールを決めている。漁場が水深240メートル以深の沖合で、共同漁業権がない自由漁業。全船が団結することで、単協をまたいだ海域の漁場でも円滑な資源管理を実行している。