道総研稚内、網走水産試験場が実施したオホーツク海の毛ガニ密度調査結果(速報値)によると、来年度漁獲対象の資源量指数は宗谷管内が昨年より減少、オホーツク管内は若干増加したものの依然低水準。新規加入資源も減少を示した。
西村康稔経済産業大臣は14日、東京都中央区の全漁連本所を訪れ、東京電力福島第一原発のALPS処理水の海洋放出計画を検証した国際原子力機関(IAEA)の報告書を説明し、理解を求めた。全漁連の坂本雅信会長は「科学的安全性と社会的安心は違う」などとし、あらためて「反対」の立場を表明した。
4日付で就任した水産庁の森健長官と魚谷敏紀資源管理部長、坂康之増殖推進部長らは同日会見し、今後の方針や抱負を語った。激変する漁業環境にあって課題が山積する中での新体制スタート。「浜の資源を有効活用して活性化し、もうかる漁業を作りあげていく」と語り、漁業者の所得が向上し、加工・流通業者が円滑に事業を行えるよう、各施策に取り組んでいく。
農林水産大臣官房統計部がこのほど発表した2022年漁業構造動態調査結果(22年11月1日現在)によると、全国の海面漁業の漁業経営体数は6万1360経営体で、前年に比べ3540経営体(5.5%)減少した。経営組織別にみると個人経営体は5万7440経営体で3350経営体(5.5%)減、団体経営体は3930経営体で同180経営体(4.4%)減と、依然減少傾向に歯止めがかかっていない。
7月1日付で、水産庁長官に森健(もり・たけし)消費・安全局長が就任した。神谷崇長官は同日付で退職した。森新長官は1964年6月生まれの59歳、愛知県出身。
青森県漁連は19日、青森市の県水産ビルで2023年度通常総会を開き、当期剰余金6454万円(前年度比7.8倍)を計上した22年度業務報告を承認した。黒字は2期連続。ホタテの販売が好調だった。任期満了に伴う役員改選では、会長を退任した松下誠四郎泊漁協組合長の後任に二木春美横浜町漁協組合長を選出。副会長には坂井幸人佐井村漁協組合長が就いた。任期は3年。
道は16日、知事選後の政策予算となる2023年度補正予算案を発表した。水産関係では海藻藻場などがCO2吸収・貯留源となるブルーカーボンの推進に向けた事業を新規に盛り込んだほか、新たな養殖業の推進でウニの陸上養殖の技術確立に向けた実証試験に乗り出す。一般会計の補正額は45億8205万9千円で、当初予算と合わせた総額は前年度当初比2.6%増の293億8590万1千円となった。
大日本水産会は7日、第129回通常総会を東京都千代田区の霞山会館で開き、国民に対する水産物の安定供給や水産業の成長産業化の実現を課題とし、その解決に取り組むなどとする2023年度事業計画を承認した。任期満了に伴う役員改選では、新会長に前農林水産事務次官で、水産庁では資源管理部長の経験もある枝元真徹氏を選任した。白須敏朗前会長は相談役となった。
水産庁は2022年度の水産白書を公表した。特集には水産業における食料安全保障について取り上げた。ウクライナ情勢やコロナ禍を受け、国内生産を増大する取り組みの重要性が増したと指摘。円安などの影響で輸入水産物の価格が高騰するなどの影響もあり、輸入に過度に依存せず、自給率を上げて食料安全保障を強化することが急務であると記している。
水産研究・教育機構水産大学校の研究グループは、給気加熱装置と真空断熱装置を備えた微粒子捕集フィルターを搭載したディーゼルエンジンを開発し、電気自動車(EV)と比較しても地球温暖化ガスの削減に貢献可能なシステムを確立した。実用化されればブラックカーボンの規制対応に貢献が期待される。